これまでの状況とこれからのことを整理してみます。
何らかの理由でホルモンバランスが乱れてしまい、排卵するまで長くかかり、周期が不規則になってしまうと、排卵のタイミングが分かりづらくなること、そして、排卵の機会が少なくなってしまうことで、妊娠しづらくなってしまうわけです。
このことが、これまで授からなかった主な原因であると考えられます。
これまで無月経の周期があったことや周期が不規則なことと、卵子の質、すなわち、本質的な妊娠しやすさには相関関係はありませんので、それ以上の心配は無用です。
ですから、妊娠の確率を高めるためには、毎周期、出来るだけ規則正しく排卵が起こるようになること、そして、排卵前にできるだけたくさん夫婦生活の機会をもつことです。
毎周期、規則正しく排卵が起こるようにするためには、基本は、バランスのよいお食事や適度な運動、ストレスとうまく付き合うことです。
月経周期はさまざまな影響を受けるものです。ストレスもその一つです。
それまでは、比較的、規則正しい周期だったのが、なかなか授からないことが不安になり、基礎体温表をつけだした途端、周期が乱れてしまうことは、よくあることです。
また、特定の食べ物を食べるとかいうよりも、バランスとく食べることのほうが大切です。
そして、身体を冷やさずに、早く寝て、早く起こることを心がければ十分です。
何も特別なノウハウはありません。
ただし、このような生活習慣の改善は大切なことなのですが、いかんせん、効果が現れるまでに、時間がかかります。
また、元々の体質的なものもあるようですので、尚更のことです。
ですから、早くお子さんを望まれのであれば医療の力を借りることになります。
排卵障害の場合は、クロミッドに代表される飲み薬の排卵誘発剤を飲みます。
たいていの場合は、これにより月経周期が整い、妊娠しやすいタイミングがより明確になります。
ですから、現在の治療を進めていくのが最適な方法です。
そして、この場合、知っておくべきなのは、排卵障害でこれまで妊娠しにくかったと考えられる場合、治療をはじめて排卵誘発剤を飲み始めれば、すぐにでも妊娠するかと言えば、すぐに妊娠すればラッキーで、すぐに妊娠するとは限らないということです。
なぜなら、不妊原因を治療によって取り除いたとしても、確率の問題があるからです。
何の問題もないカップルがドンピシャのタイミングで性交しても妊娠の確率は20~25%程度だからです。
ですから、一つの治療法を少なくとも半年くらいは続ける必要があるわけです。
そして、それまで不妊の原因と考えられていた以外にも不妊の原因があるかもしれないからです。
これからのことは、このままクロミッドを飲みながらタイミング指導を受けて、様子をご覧になられればいいと思います。
あまり結果にこだわったり、自分の身体を疑うのもストレスになっていいことではありません。
じたばたしてもコントロールできないこと、いつかは授かるものという感覚でいるほうがいいと思います。
また、治療と並行して、念のため、ご主人の精液検査を受けておいたほうがいいと思います。