ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第14回 Let it go...それ、手放してしまいませんか?
こんにちは。
今日は最初に、ブッダのこの言葉に目を通してみてください。
怒りを抱くことは、熱い炭をつかんで誰かに投げつけようとするようなもの。
やけどをするのは、あなた自身である。
自分の体に怒りを溜め込んだり、怒りの対象であるモノや人を何とかしてやりたい、という気持ちに駆られることがいかに危険で不健全であるかを、何千年も前に生きたブッダが指摘しています。彼の時代も今も、怒りはやっかいな感情であることに違いはないようです。
さて、今ここを読んでくださっているみなさんは「誰かに怒っている」という訳ではないかも知れません。が、誰かのひとことに傷ついていたり、思うようにならない自分の体にイライラや怒りを感じていたり、不都合な数字やデータに日々不満や心配を募らせていたりしませんか。これら、ココロが穏やかでいられなくなる「熱い炭」を知らず知らずに掴み、それをどこに投げるとも知らず気づかず、自らやけどを負っているのかも知れません。
それ、全部手放してしまいませんか?
とはいえ、手放す、忘れる、って意外に難しいですよね。ひとりでは思っても行動に移せなかったり、意固地になってしまったり。英語のLet it go.は、「流してしまいなさい。」といったニュアンスなのですが、私はこのフレーズを、とても辛いと思っていた当時、ある人から言われたことがきっかけで、「嫌な気持ちにさせるものを手放す」ことを意識しはじめました。それは簡単なことではなかったのですが、手のひらに熱い炭を感じたら、Let it go...と呪文のように唱えたりもしていました。
今日は、みなさんに「手放すため」の理論的で実行しやすい方法をご紹介いたします。それは、「怒りの点数法」です。
イラッ、ムカッ、グサッ、と来た時。その感情を1〜10点までの点数で記録してみてください。例えば、「義母に電話でそろそろ子供を考えた方がいいんじゃないの、と言われてムカッとくる。6点!」などといったふうにです。ちょっと嫌らしいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これを書き留めておきます。
とはいっても、なかなか点数にするのは最初からぱっとできるものでもありません。ここで参考までに点数化の際のレベルを記しておくと、0点−穏やかな状態、1〜3点−イラッと不愉快、4〜6点−腹が立つ、カッと来る、7〜9点−爆発寸前、10点−爆発! といった感じです。
最初はちょっとしたことにでも高得点をつけてしまう傾向がどうしてもあるでしょう。でも10点満点というのは、例えて言うなら怒りで人を刺してしまうくらい(ちょっとひどい例えですが。)の強い強い憤怒です。そしてこの記録を続けて少し経って、気持ちが落ち着いている時に、その内容と自分のつけた点数を振り返ってみて欲しいのです。すると、同じ内容なのに点数が4点、7点とばらついていることに気がついたり、「これってこんなに怒ることだっけ?」と冷静に自分の感情を分析する機会になります。
「怒りの点数化」でレベル分けをする習慣が身に付くと、まずはとっさのカチン!やムカッ!に自分が支配されなくなります。「えっと、今のは何点くらい?」と考えることでその怒りの対象から気持ちを切り離す効果もあり、その場で沈められる(=気にしない、忘れる)ことだって出来るようになってきます。同じ内容に、 ストレスレベルが高い/ホルモンバランスが崩れがちな時だと高得点をつけてしまう、といった気づきを得ることで、自分の感情や体調に敏感になれるでしょう。こうして、目に見えない「感情」が数字となって具体化されることで、イライラや不安に自分が支配されるのではなく、自分の感情を自分が支配できるようになるのが目標です。