ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第22回 あなたは今をいつ生きますか?
今日のタイトル、変な質問になってしまいましたが、みなさんにはちょっと初心に戻っていただいて、当連載「妊娠しやすいココロをつくる」のベースとなっているアンガーマネジメントというメソッドの基本に触れながら、「今を生きる」ということについて考えてみたいと思います。
「アンガー」(怒り)の「マネジメント」(コントロール、配分)=アンガーマネジメントとは?
喜びや悲しみといった感情に比べて、人を傷つけたりまわりの人を巻き込む要因の強い「怒り」の感情を、うまくコントロールできるようになるテクニックのこと。つまりセルフコントロールの技術です。「感情に振り回される」という表現にもあるとおり、怒りにまかせて人に当たったり、悲しみをいつまでも引きずってしまったり、と自分をコントロールできない状態というのは、とても危険です。だからといって、怒りや悲しみを完全になくす努力をするというのもまた不毛な話で、人生には楽しいことや嬉しいことと同じくらい、嫌なことや腹の立つことがあるものです。私たちは、ブッダのように悟りを開くことが目的ではありません。一喜一憂しながらも、自分の感情を自分でコントロールできる人になる、つまり「感情に振り回される」の真逆をいくのが最大の目的です。
先日、久しぶりに夫と口論になりました。
小さな誤解が原因だったのですが、気がつくと過去(の過ち)やら未来(の不安)やら、ありとあらゆる要素をお互いが勝手に引き出しまくって、大きな誤解になってしまいました。実はこれ、知らず知らずのうちにやってしまう人、多いのです。今目の前の問題に、過去や未来をくっつけて問題をすり替える、あるいは大きくする人。(アンガーマネジメントを教えている私でさえ、今回やってしまったのですから。)
「あなたっていつもそういう態度だわ。」や、「何度言っても分からない人ね。」の、「いつも」や「何度言っても」といったことばを発するときの自分をちょっと思い浮かべてみてください。過去にあった同じようなことを思い出して、さらに立腹していませんか?本当は「いつも(=100%)」ではなく、5回に3回くらい起こることを「いつも」と思い込んでいませんか?
「今を生きる」とは?
同題(原題はDead Poets Society 1989年/アメリカ)の映画のなかで使われた言葉で、アンガーマネジメントの心髄ともいえる表現、今を生きる(元はラテン語、Carpe Diem)ということ、これも意識しないと実はなかなかできないことです。過去に捕われ続けたり、未来を心配・不安に思う・・・これでは「今」という時間を生きているとは言い切れません。人は誰しも多かれ少なかれそうあるものなのですが、あえて過去や未来を取り払って今に集中して生きることが、アンガーマネジメントでは大切なのです。難しい、と思われる方は、昨年の流行語大賞「今でしょ!」を標語にしてみてはどうでしょうか?あなたは今どこに生きていますか?過去?未来?違う!!!「今」でしょ!(ちょっと用法が違う!?しかももう古い!?そこは、本物の「今でしょ。」を知らない海外に生息中日本人の発想ということで、お許しください。)
過去や未来ではなく、「今を生きる」についてもう少し次回詳しく、その方法とともにお伝えしたいと思います。最後に・・・
友人宅のキッチンに大きな黒板があり、そこに可愛いイラストとともに書かれていたすてきなメッセージをみなさんとシェアして終わりにしようと思います。
Yesterday is history,
Tomorrow is mystery,
Today is a gift, that's why it's called present.
昨日は過去。
明日のことはわからない。
今日という日は贈り物。だから、プレゼント(=今)と呼ばれる。