ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第29回 自分が楽になる&自分を好きになる脳内フィルターの作り方
みなさん こんにちは。ロワ佐奈子です。
こちらアメリカはあと1ヶ月少しで夏休みということで、人に会えば「この夏どうするの?」というのが挨拶がわりの常套句。とはいえヨーロッパほどの有給休暇(平均年間6週間ほど)制度はないアメリカ。「仕事漬け」という人も少なくないようです。
日本では4月から新しい年度がはじまり、新入生や新しい背広に身を包んだ新入社員が目につく季節ですね。遡ること三十数年前、小学校に入学した私。
当時まだランドセルと言えば男の子は黒、女の子は赤、それ以外の色はほとんど見ることもなかったのですが、私は祖父に、「黄色いランドセルがいい。」とお願いしていました。1000人を超えるマンモス小学校に、黄色いランドセルは私たったひとり。とにかく目立つ!当然クラスの男の子にからかわれたり、ちょっと乱暴な上級生に目を付けられて怖い思いもしたのですが、黄色いランドセルに満足していた私。
ところがある日、4つ年上の知り合いのお姉さんが私の教室まで来てこう言いました。「佐奈子ちゃん、その黄色いランドセルでは恥ずかしいでしょう?お姉ちゃんがもう使わなくなったもの譲ってあげるから、赤いランドセルにしたら?」と。
恥ずかしい?
当時、そんな気持ちは全く私にはありませんでした。どうして?黄色いランドセルは恥ずかしいの?と、質問がぐるぐると渦巻いた記憶は鮮明に残っています。
結局、その後私は小学校3年生の時、そのお姉さんの赤いランドセルで登校しはじめました。質問形だった私の気持ちは、時間の流れとともに「黄色いランドセルは恥ずかしい」という肯定形の気持ちに変わっていたのです。今でも黄色いランドセルを見ると心がキュンと音を立てるのを感じます。あんなに好きで、あんなに大好きな祖父にプレゼントしてもらったランドセルを「恥ずかしいから」と使わなくなってしまったことへの後悔がいまだに残っています。
前置きが長くなりましたが、今日の本題、「自分が楽になる&自分を好きになる脳内フィルターの作り方」に入る前に、「他人の価値観を自分のものにしてしまう」ことがいかに簡単で、でもそれでは人は幸せにはなれない、ということを、みなさんにまずは理解して頂きたかったのです。
脳内フィルターを作る際にルールがあります。たったひとつだけですが、必ず守ってもらいたいと思います。
それは、「自分で作る」ということ。
なぁんだ、と思われた方もいらっしゃるでしょう。でもこれ、大切なポイントなのです。例えば、とにかく気が合い価値観も似ている大親友から「私のフィルター、お勧めよ。」と言われてそれをそのままもらって使っても、同じ効果を自分も得られるというわけではありません 。彼女は彼女、私は私、だからです。また、本に載っていた、あの有名人が言っていた、といった類も同じで、それがみなさんご自身にも必ずフィットする、という保証はゼロです。もちろん参考にするのは問題ありません。自分が「こうなりたい」と思っている人のフィルターがどんなものか、と考えたり想像してみるのは役立つでしょう。
今、みなさんが自分を苦しめるような価値観をお持ち場合、それが誰のものだったのか、どこから来たのか、ちょっと思い出してみてください。そうすることでその価値観を手放しやすくなるはずです。だって、それは自分の価値観ではないのですから、いらないのです。手放してよいのです。
手放すことで、そこにできた空間に「自分で決めた自分の価値観」を新たに埋め込みます。これが、自分が楽で心地よくなるフィルターです!
まずは、ご自分がどんな価値観に縛られているか、客観的に見てみましょう。嫌なもの、不快なものは取り去り、書き換えてゆきましょう。なりたい自分を常に意識します。なりたくない自分にならない努力をするよりは、なりたい自分を目指す方が楽しい上に、成功率も上がります。そうして作った自家製フィルターには、今まで寄りつかなかった情報が引っかかります。今までの古い価値観では「無理」に分類されていたものが「それ、できる!」に変わるほど、良いフィルターにはそれなりの効果と結果がついて来るはずです。
それを是非、楽しめる自分に気がついてくださいね!
※ ロワ佐奈子さんの連載は、これをもちましていったん、お休みさせていただきます。
長い間、お読みいただきましてありがとうございました。