編集長コラム

細川 忠宏

夫婦プロジェクト、発進!

2009年09月28日

私たちは、毎週土曜日と火曜日に、
不妊治療の運動療法「プレマタニティビクス」を開催しています。

昨日の土曜クラスに参加されたSさんは、
ご主人と一緒に、自転車でやってこられました。

Sさんがレッスンを受けている間は、
ご主人は、ご主人で、
近くのカフェにPCを持ちこんで、
自分のことをあれこれと。

レッスンが終了して、二人、楽しそうに走り去っていくのを見送りながら、
「夫婦プロジェクト」という言葉が思い浮かびました。

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赤ちゃんを待つうえで、
最も悩ましいことの一つは、
確たる答えが用意されていないことでしょう。

つまり、いつ、どうすれば、
自分たちのところに赤ちゃんがやってくるのかについて、
誰も、教えてくれないということです。

そんなふうに、先が見えなくて、
自分たちでコントロールしきれないものであるならば、
大切なのは、
結果に固執することよりも、
後々、後悔のないようにすることでしょう。

後悔しないということは、
二人が納得できる、二人だけのオリジナルな解を、
二人で考え、話し合いながら、導き出すということです。

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不妊という予想だにしなかった事態は、
ただただ、辛く、そして、悲しいだけの経験なのでしょうか?

そもそも、二人が生きていくうえで、
どんなことが起こるのか、
誰にも分からないものですし、
また、コントロール出来ないものです。

であれば、大切なのは、
どんなことがあったのかということよりも、
起こったことに対して、
二人で、どう考え、どう対処するかであるはずです。

何も考えずに、
なすがままに翻弄され続け、
結局、流されて暮らしていくことほど辛いことはありません。

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どんな方法で、赤ちゃんを待つのか、
つまり、治療方法を選択するうえでの"納得解"は、
それぞれの夫婦によって異なるものでしょう。

ところが、どんなふうに、赤ちゃんを待つのかについては、
誰だって、楽しく、健康に過ごしながら、待ちたいもの。

ただ、暮らしを楽しむといっても、
意外にも、それほど簡単なことではありません。

他人が用意、提供してくれるものを、
お金を出して楽しませてもらうのではなく、
二人にとって、何を、どうするのかが楽しいのか、
いろいろな、二人のオリジナルな楽しみ方を、
少しずつ見つけ、そして、積み重ね、暮らしていくこと。

「夫婦プロジェクト」とは、そんなイメージです。

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夫婦プロジェクトは、
二人で暮らしていくうえでの楽しみを増やし、深める作業です。

夫婦プロジェクトが定着していくと、
やがて、二人の生き方を、
二人でコントロールできるようになるに違いありません。