2013年、私たちにとってのトピックスの一つは、"妊娠しやすいカラダづくり研究の本家本元"である、ハーバード大学のジョージ・チャバロ先生をボストンに訪ねたことです。
これまで、サイトやメルマガを通して情報発信するうえで、常にこの研究グループの動向をチェックし続けてきたので、感慨深いものがありました。
「食生活やライフスタイルと妊娠する力の関係について、さまざまな研究に携わってこられて、先生が学ばれたことで最も重要なことはなんですか?」
チャバロ先生に会えたら必ず聞こうと思っていたことです。
「真に学んだことは、結局、1つ1つの食品や生活習慣ではなく、全体としてバランスがとれていることが大切だということ。何かに偏るのはよくありません。」
先生はこのように答えてくれました。
そして、不妊を経験することは、それまで気づなかかった"偏り"を教えてくれることになるので、この機会に改めて食やライフスタイル全体のバランスを整えると、女性として、母親として、生涯を通した健康のベースを築けるようになる、そうおっしゃいました。
まさに、日頃から私たちは考えていたことなので、とても嬉しく、かつ、勇気づけられました。
そして、このことは、食やライフスタイルのことだけではないと思います。
科学が発展し、さまざまな技術を利用することが出来るようになればなるほど、利用可能になった技術とそれを使う側がどのように使うか、そのバランスが問われるようになるように思えてなりません。
昨今、卵子の老化のことが盛んに言われていますが、卵子だけが老化しているわけではありません。
身体全体もそれなりに老化しているわけで、妊娠、出産しづらくなるのは、そのことによって身体を守っているわけで、そういう意味ではバランスがとれているわけです。
そこに、卵子だけを若返らせたり、卵子の老化だけをストップさせる技術を用いればどうでしょう。
バランスを崩すことになってしまいかねません。
今年は私の周りでも、何組ものカップルが卵子提供を受けて妊娠を目指すために海を渡りました。
そして、将来の妊娠、出産に備えて卵子を凍結保存しておくことが現実味を帯びてきました。
そうなると、たとえ、卵子が若返ったとしても、体内環境の老化が進んでいれば、別の問題が発生するかもしれません。
新たなバランスに目を向けることがとても大切なことになってくる、そんなことを考えさせられました。
妊娠しやすいカラダづくりは、2014年は11年目に突入します。これまでの経験を糧にし、より一層、役立つ情報の発信に努めたいと考えています。