曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

学会参加してきました

2018年07月27日

こんにちは。
暑い日々が少し和らいだかと思ったら、
台風が接近しているということで。

自然現象をコントロールしようと
人間は科学など、頑張る一方で、
やっぱり思い通りにいかないときに
それに適応する力もつけないといけないし、
適応できず、
ばてた場合には
それに対する適切なケアも必要だし・・・

今日は以前お知らせした日本受精着床学会に参加してきました。

モーニングセッションということで、
朝8時からのスタートでしたが、
始まる2分前にはかなりの参加者に来ていただき、
驚きましたし、
やはり演者の方々が豪華でしたので、
朝早くからお越しいただけたのだと思います。

テーマは生殖医療における心のケア、
なのですが、
あえて生殖心理カウンセラーの立場ではなく、
多職種連携(チーム医療)が今は重要視されていますので、
多職種の立場からの心のケアについて
各お立場から話していただきました。

医師、看護師、胚培養師、そして開業カウンセラーの方のご講演でしたが、
どの内容も驚きと発見と勉強させられるもので、
本当に素晴らしい時間だったと思います。

心のケアというと、
現場でもカウンセラーが適任(だから任せた!)、とか
カウンセラーがケアしているような心のケアを
私達(カウンセラー以外のスタッフ)もしないと、
と思いがちですが、
カウンセラーの役割は勿論、患者さんの心のケアではありますが、
医師、看護師、胚培養士など、
不妊治療において患者さんが関わる方はたくさんいますし、
講演でもありましたが、
実質的に一番患者さんとの時間があるのは
看護師だったりすると、
たとえば看護師としての心のケア、
というものがあって、
それを患者さんに提供できれば
(カウンセラーと話すことはなくても)
患者さんはサポートされてると感じるだろう、
ということです。

一方で、患者さんとしては
やはり医師にこの不安な気持ちを理解してもらいたい、
とか、
迷うから決めてほしい、
という、
医療における「パターナリズム」というのがあるのですが
(患者の最善の利益の決定と権利と責任は医師にあり、患者はすべて医師に委ねればよい、という考え方)
そこも
たとえば医師が
「その気持ちはわかるが、
あなたに必要なのは時間をかけて話す場かもしれないし、
あなたの事情(仕事や家庭)をよく知っている人に相談するのがいいかもしれないから、
カウンセラー/看護師に会ってみませんか?」

つなげていくと、
いいのかもしれません。

あるいは
患者さんの方でも、
治療方針、治療内容は勿論医師に相談ですが、
やはり、不安や迷い、悲しみなどは
カウンセラーがいればいいのですが、
そうでない場合は、
看護師、受付の方、胚培養士でも
少し話をしてみて、
内容によっては
そこで完結することもあるでしょうし、
必要に応じて、
カウンセラーにつなげてくれると思います。
(もしつなぐことがなくても、最近では開業カウンセラーもいますし、
そちらの利用をご自身で検討することもよいかと思います)

今日の講演では不妊治療は技術も大事ですが、
やはり心のケアも大事であることを
多くの職種の方が感じてくださり、
具体的に(そして驚くほど素敵に!)
それぞれが取り組んでいらっしゃることを知ることができました。

また個人的には開業カウンセラーの存在はとても心強く、
豊かな視点をもってケアにあたられているのを教えていただき、
本当に身が引き締まりました!

今日の内容をまた皆様に
還元できればと思います。