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妊娠しやすいカラダづくり No.1177 2026/1/18
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説:胚移植前後の身体活動やストレスが妊娠率に及ぼす影響
・お知らせ:不妊相談会
・編集後記
最新ニュース解説 Jan. 2026__________________________________________
胚移植前後の身体活動やストレスが妊娠率に及ぼす影響:
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ART治療の凍結融解胚移植(ホルモン補充)周期において、ウェアラブルデバイスで測定した身体活動レベルやコルチゾールで測定したストレスレベルは、妊娠率に影響を及ぼさないことが、米国で実施された前向きコホート研究で明らかになりました(1)。
体外受精で胚移植を控えた時期、移植前後はなるべく動かないほうがいいのでは・・・とか、運動や日常の活動が、妊娠に悪影響を与えないか・・・とか、いや、運動不足は妊娠にはマイナスになるのでは・・・とか、不安というか、素朴な疑問を耳にすることが、度々、あります。
今回、ウェアラブル端末を用いて日常の身体活動を客観的に測定した最新の研究結果をご紹介します。
◎どんな研究だったのか?
テキサスの大学病院で凍結融解胚移植を受けるART女性患者で82名を対象とした前向き研究です。
被験者の要件としては、35歳未満では未検査(PGT-A)の単一胚盤胞胚を移植する場合、35歳以上であれば単一の正倍性の胚盤胞を移植する場合とし、また、ホルモン補充後の子宮内膜厚が6mm以上であることとしています。
研究期間中、ウェアラブル活動量計(FitBit)を装着してもらい、連続的に歩数や活動強度(活動ゾーン時間)、消費カロリー、心拍数、睡眠時間を測定しました。
また、胚移植の2日前を含む3時点において、唾液コルチゾールサンプルを6回採取し、コルチゾールレベルも測定しました。コルチゾールはストレスを感じると分泌が増える「ストレスホルモン」で、ストレスレベルを客観的に測定出来ます。
その後、被験者を胚移植後に妊娠に至ったグループ(51名)と妊娠に至らなかったグループ( 31名)分類し、活動量計で測定した変数とコルチゾールレベルを比較し、身体活動やストレスレベルが妊娠に及ぼす影響を調査しました。
◎何がわかったのか?
その結果、妊娠が成立した人と、そうでなかった人の間で、日常の身体活動量に差はありませんでした。
今回の研究では、よく歩いていた人が不利になることはありませんし、移植前後に活動量が多くても、妊娠率は下がりませんでしたし、睡眠時間や心拍数にも違いはありませんでした。
実際に胚移植後の歩数を比べてみると、妊娠に至ったグループでは胚移植後に1日あたりの歩数が増加したのに対し、妊娠しかかったグループは胚移植後に1日あたりの歩数が減少しています。
一方、ストレスについても、この研究では、心理的ストレス・身体的ストレスのいずれも、妊娠成績との明確な関連は認められませんでした。
◎運動やストレスについて
今回の研究から読み取れるのは次のようなシンプルなメッセージです。
「凍結融解胚移植の前後も、過度に生活を制限する必要はない」
特別に運動を増やす必要も、逆に極端に安静にする必要もなく、普段どおりの生活を、無理のない範囲で続けることが大切と考えられます。
治療中は「何か悪いことをしてしまったのでは」と自分を責めがちですが、科学的には、日常の動きやストレスを過剰に気にしすぎなくてよい、ということが少しずつ明らかになってきています。
◎最後に
今回の研究で、妊娠に至ったグループでは胚移植後に統計学的に有意に歩数が増えていましたが、だからと言って、胚移植後にたくさん歩くことが妊娠にプラスになるという因果関係が証明されたわけでがありません。
また、今回の研究結果から、運動やストレスは妊孕能に関係しないのであれば、運動やストレスは無視しても構わないというような短絡的な解釈は禁物です。
適度な運動は心身の健康に良好な影響を及ぼすことは間違いありませんし、過度なストレスのマイナスの影響もしかりです。
運動もストレス管理も「妊娠率を向上させる」ではなく、「健康な赤ちゃんを妊娠、出産する」という観点から、プレコンセプションケアとして取り組むことが極めて重要ではないかと考えます。
文献)
1)Fertil Steril 2025 Article in Press https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2025.08.039
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お知らせ__________________________________________________________
東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第33回不妊相談会が2026年1月25日の日曜日に開催されます。
院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。
当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。
神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。
また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。
さらに、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」が、ART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを臨床試験により見出され、国内や海外の学会で発表され、論文にもなっています。
これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。
個別相談も可能だそうです。
※先着26名まで。
◎第34回不妊相談会
日程:2021年1月25日(日)
時間:13:30~15:00
場所:調布市文化会館 たづくり 11階 1103 学習室
定員:26名
費用:無料
参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105
・詳細はこちら
https://xs132599.xsrv.jp/setumeikai.html
・ウイメンズクリニック神野サイト
https://xs132599.xsrv.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
激しい運動ではなく、有酸素運動がベターであることは健康全般にも言えることです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.1177
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
企業サイト:https://partner-s.info/
情報サイト:https://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,733部
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・合計部数: 3,716部(1月18日現在)
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