比べるものがなければ尚のことです。
まずは、皆さん、どれくらいで授かるものなのかみてみましょう。
1周期あたりの妊娠率は、だいたい20数パーセントと言われていますから、妊娠するのに、どれくらいの期間を要するのかは、累積の妊娠率をみる必要があります。
また、妊娠率は母親になる女性の年齢が大きく影響しますから、それも加味する必要はあります。
そうすると、30歳の女性が妊娠を望んで1年以内に自然妊娠する確率は約75%と言われています※1。
林さんのところは、実質的には8周期とのことですから、少し時間がかかっているほうかもしれませんが、決して、お先真っ暗な状況ではないことが分かると思います。
そして、30歳前半の女性が1年間授からなかった場合、その次の1年でどれくらいの割合で授かることができるのかといいますと、なんと約95%のカップルが自然妊娠されています※2。
これらの数字をみれば、サイクルも正常だし、排卵もおありのようですので、現時点で、慌てたり、焦ったりする必要はなさそうですね。
実際に不妊症とされるのは避妊せずに2年間授からなかった場合を言うのですが、それもこのあたりの確率をふまえてのことだと思います。
また、夫婦生活のタイミングのことですが、実際のところ、基礎体温表からだけでは、排卵日を予測するのは難しいものです。
卵子は排卵後6時間、精子は射出後48時間と言われていますから、出会い方としては、精子が排卵されて卵管にやってくる卵子を待ち受けるのが理想的なわけで、狙い打ちするというよりも、週に2~3回のペースで夫婦生活をもつのが、最も現実的な方法だとされていますので、決して、タイミングが大きくずれているいることはないと思います。
いかがでしょうか?
もちろん、病院では、より正確にタイミングを指導してもらえますし、一通りの検査を受けておけばより安心ですから、1年を目処に不妊外来で先生に相談されるのもよいのではないでしょうか。
ただ、確率論から言えば、それまでに授かる可能性も十分にあります。
※1)2004年6月 フランス保健医療研究班発表のデータ
※2)2004年8月 アメリカ国立環境健康科学研究所発表のデータ