通常、排卵が近づくと、卵巣から分泌される卵胞ホルモンの影響で、子宮頸管粘液が分泌されるようになります。
また、粘液の状態も、粘り気のある状態から、水分の量が増えて、次第に、サラサラな状態に、刻々と変化していきます。
当然、粘液の水分量多く、流動性が高い状態にないと、精子は動くことが出来ません。
ですから、フーナーテストを実施するタイミングによっては、お互いに何の問題がなくても、粘液中の精子が全く動いていないという結果になるわけです。
もちろん、フーナーテストは、 排卵前に粘液が、精子を受け入れる状態になっているタイミングを見計らって実施するのですが、人間の体は機械ではなく、周期によっては、その時期がずれたりするものですから、そのような結果になることが、往々にして、あります。
このような事情から、フーナーテストは、実施するたびに、異なる結果の出る(再現性が低い)検査なので、アメリカやヨーロッパでは、必ず実施する検査とはされていないほどです。
先生のご説明の通り、抗精子抗体という可能性も否定できませんが、確率的には、今、ご説明したタイミングの問題である可能性のほうが圧倒的に高いものですから、『今日の結果だけで深刻に考える必要は全くないので、 もう一度フーナーテストをしてみましょう。』ということになるのです。
フーナーテストは、何回か検査を実施して、1回でも、よい結果が出れば問題ないと考えてよいとされています。