排卵誘発剤の副作用とステップアップについて
〜29歳
Questionご質問・ご相談内容
排卵誘発剤の副作用とステップアップについて
夫婦でとても悩んでいます。この話になるとケンカになりとても辛いです。どうぞ、宜しくお願いします。
現在、経口摂取の排卵誘発剤をのみながら妊娠を待っている状態です。2回目の摂取をしました。排卵誘発剤による副作用(子宮内膜の低下など)から起こる不妊の問題について悩んでいます。
人によると思いますが、一般的にどの程度飲み続けられるのでしょうか。主人はインターネットで3回連続で飲むと、もう一旦中止しなければならないというページを見て、私が次が3回目になるので心配しています。
①排卵誘発剤での治療の場合どの程度の期間飲み続けること一般的なのでしょうか。また、一旦休む場合はどのくらい休むのですか?1年とか長いのでしょうか?
日本で排卵誘発剤の注射をしたときも、夫婦間の意見が合わずに性行為ができませんでした。二人で同じ方向を向いて協力していけるようにしたいのです。
②排卵誘発剤からステップアップを考えると体内受精なのでしょうか。また、その切り替えるタイミングはいつでしょう。身体的に負担が大きいのですか?
主人は、私が辛い思いをするのをとても心配しています。そして、卵管造影をしたときに今までに味わったことのない痛みに襲われとても辛かったのです。
再来週に受診予定ですので主治医にも聞いてみようと思っています。ただ、そのお話を聞いても主人が納得してくれるのか・・・。主治医の先生は不妊治療専門ですし、対応が丁寧で私は信頼しています。ただ、副作用などについての説明は少ないように思います。言葉も通じないですし、毎回通訳を挟むので何とももどかしいときがあります。
お名前:めい 性別:女性 年齢:29
結婚歴:3年 不妊期間:1年6ヶ月 不妊治療期間:1年0ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/子宮卵管造影/子宮内膜検査 これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法
Answer【回 答】妊娠しやすいカラダづくり 細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
まずは、経口摂取の排卵誘発剤(クロミフェン)の副作用について、正しく認識しておくことが大切だと思います。
クロミフェンは最もポピュラーな排卵誘発剤です。抗エストロゲン作用があるため、脳はエストロゲンが少ないと感知し、卵胞の発育が不十分だと判断し、卵胞の発育や排卵を促す、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)の分泌を増やします。
ところが、抗エストロゲン作用によって、頸管粘液の質を低下したり、子宮内膜が薄くなって、かえって、妊娠しづらくなってしまうことがあります。
ただし、クロミフェンを飲めば、必ず、そうなるわけではなく、クロミフェン使用例の15%程度と報告されています。
また、そのような副作用は、おこる人には飲み始めた周期からおこるもので、繰り返して服用していくうりにおこるものではありません。
ましてや3周期連続で飲み続けると副作用がおこるというのは根拠のないデマと思ってよいと思います。
ただ、はじめは副作用が出なかったとしても、服用量を増やすことで、発生することはあるようです。
一方、クロミフェンは何周期まで続けてもよいものかですが、服用する目的にもよると思います。
もしも、無排卵や排卵障害の治療の服用であれば、排卵誘発剤を服用しなければ、排卵が起こらず、妊娠が望めないわけですから、妊娠するまで使わざるを得ませんが、原因不明不妊で妊娠率を高めることが目的であれば、せいぜい、5周期を目処にすべきではないでしょうか。
それ以上繰り返し服用しても、妊娠に至る可能性は低いため、効果のない服用を漫然と繰り返すことは避けるべきです。
また、次のステップとしては、体外受精の前に人工授精にチャレンジしてもよいと思います。
原因不明不妊で、たとえ、フーナーテストが良好でも、人工授精によって妊娠の確率が高くなるからです。
海外で言葉の問題もあるのでご苦労があると思いますが、不確かな情報に振り回されず、不妊治療のついて解説された本などから正しい情報を得て、自分たちにふさわしい治療を選択することが大切だと思います。