ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第1回 アンガーマネジメントについて
ここでみなさんにご紹介する「妊娠しやすいココロづくり」のための感情コントロール法は、「アンガーマネジメント」と呼ばれるものです。
「アンガーマネジメント」つまり、「怒り(アンガー)」の「コントロール(マネジメント)となっていますが、あまり「アンガー=怒り」という言葉にここでは捕われないでいてください。いろいろある感情のなかでも、放っておくとやっかいなのが怒りです。つまり、喜びや楽しい気持ちはコントロールする必要はありませんが、怒りや悲しみといったネガティブな感情には誰だって引きずり回されたない、だったら、逆にそれをコントロールする力をつけて行きましょう、という話です。
さて。ひとは一日にいろんなことを思ったり、言ったり、感じたりします。赤ちゃん待ちをはじめてから過ぎてゆく時間に焦りを感じている方、日々の治療に疲れている方、医師やパートナー、周りの人たちの理解が得られないとひとり苦しんでいらっしゃる方、それぞれにまつわって、いろいろな感情をもたれているかと思います。
「別に私は怒っているわけじゃないけれど・・・」とご自身を分析されるみなさんも1度ここでいっしょに考えてみてください。怒りの感情は,例えば、パッとマッチに火がつくようなイメージではありますが、実はそうではありません。その前に、ほんとうはくすぶるような煙の状態、つまり(怒っているわけじゃないけれど)悲しかったり、辛かったり、または単に疲れていたり・・・といった一次的な感情/要因が必ず存在します。
また、ちょっと別のイメージを思い浮かべていただきたいのですが、それらの「負の一次的な感情(悲しみ、ストレス、疲労)」という水がコップに並々と入っているとします。そして何かの拍子に、次の一滴(新たな負の感情)が注ぎ込まれたコップの水は・・・もちろん溢れてしまいますね。これが、怒りとなって外に現れます。(怒りが第二次感情といわれる所以です。)
溢れた水=実際マッチに火がついてしまった状態は危険です。他人や自分を傷つける恐れがあります。
だからといって、負の感情を持たないようになるというのは現実的ではありませんし、怒らないようになることがよいかというと、それも違うのです。怒ってもよいのです。喜ぶのとおなじくらい、怒ることは普通なこと。でも、自分も周りも、その火でやけどを負わなくて済むような正しい怒り方ができるようになるのが、アンガーマネジメントです。
少し、アンガーマネジメントについて理解をしていただけましたでしょうか。
次回からは、実践的なテクニックを交えてご紹介していきます。