ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第4回 その「べき」、捨ててしまいましょう!
こんにちは。
前回は、4つの箱を用意して自分のココロの中にある不安を整理してゆきました。その後、少し気持ちがすっきりされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、今日はどんな人のココロの中にも住みついて、ハッピーな気持ちをむしばんでしまう「ある害虫」を駆除するアンガーマネジメントをやってみましょう。
人は、様々な価値観を持ってそれぞれ生きています。他人に対して嫌悪、怒りやストレスを感じる時・・・それは、価値観の違いから生じています。
アンガーマネジメントでは、その価値観、つまり自分が絶対だと思うこと、慣れ親しんだ習慣や言動、自分が正しいと思っていることを「コアビリーフ」といいます。自分の持つ「価値観の辞書」というと少し分かりやすいでしょうか。
例えば、あかちゃん待ちを長くしているAさんの価値観の辞書には、「子供はまだ?」というセリフは無神経な発言で「すべき」ではない質問だ、と書き込まれているとします。では一方、何の迷いも苦労もなく結婚後すぐに母親になったBさんがその人に「子供はまだ?」と聞く・・・Bさんにとっては、このことばがAさんを傷つけることがあることなど想定外なのかもしれません。
こんなふうに、他人の言動や周りの状況に自分が傷ついたり、怒ったり、悲しくなるのは、その人の持つ「〜べき(という考え)」が噛み合っていないことが原因です。上の例では、「子供はまだ?」という発言はすべきでないという「べき」と、結婚すれば子供は当然すぐできるべき、という「べき」の食い違いです。
敏感になっている部分に触れられるのは、確かに気持ちのよいことではありません。でも、少し立場を変わって考えてみれば、その人には悪気など全くなかった言動に、必要以上に反応していることもあるのかもしれません。
今日は、自分の持っている「べき」をできるだけたくさん書き出してみましょう。「すでにママになった友人Cは、子供の話題ばかりを私にすべきではない」「医師は××であるべき」「夫はもっと私の気持ちを理解すべき」などなど、 自分の「べき」が裏切られた!と思った内容を記してみてください。そして、その「べき」に、必要以上に自分が苦しめられているのであれば、ご自身の価値観の辞書を書き換えてみることをお勧めします。
そして、自身に嫌な気持ちをもたらす不毛な「べき」は、この際捨ててしまいましょう。 そうするためのちょっとした私流のコツもお伝えしておきます。
先にも記しましたが、「立場を変わってみる」と自分の「べき」が他の人にもあてはまるかどうかを考えるよい機会になります。他人の立場になってみるなんて、しかも自分に嫌な思いをもたらす人の気持ちなんて知りたくないし、関係ない!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、人の立場に立ってみるのは、その人の為ではないのです。ご自身の為なのです。
先の例に挙げた、「子供の話ばかりでうんざり・・・と思っている友人C」は、24時間子供につきっきりな生活で、実際それ以外に興味も話題も持って行けないだけなのかもしれません。また、医師に「治療をしたからと言って必ず妊娠するわけではないですよ。」と言われ、「人を助ける立場の医師が、絶望的な気持ちにさせる発言をするなんて。」と悲しくなったけれど、医師は医学的統計上の現実を的確に伝えてきただけなのです。理解がないと思う夫には、そういえば最近ふさぎ込みがちで自分がどうして欲しいかを全く伝えていなかったな、と気づくことができるかもしれません。
人の立場に立つことで自分が楽になるメカニズム、少しご理解いただけましたか?どうぞみなさんも、ご自身の感情を客観的に見ることで、不毛な「べき」という害虫をココロから駆除して、不毛な怒り、悲しみをすっきり掃除してみませんか。