ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる
ロワ 佐奈子
第9回 授かるもの パート3
こんにちは。
パート2でお話しした通り、私はあかちゃん待ちの間に、最も愛し最も大切な存在である夫を傷つけ、彼からの信頼を失ってしまいました。本末転倒もよいところです。夫婦がお互いを愛し合い、その結晶として子供を授かるという基本を忘れ、「あかちゃんが欲しい。」ところにだけ気持ちが走ってしまっていたのでしょう。年齢的な焦りや不安が、気持ちの暴走に拍車をかけさせていたのも事実です。
その原因となったひとつに、誤解が挙げられると思います。
私たちの場合は、小さな気持ちのすれ違い(男女で思考回路や受け止め方が違うことが多々ありますよね。)が積み重なり、私は自分を理解してくれない(と当時思い込んでいた)夫に対して一方的に強い表現を使った感情的な発言を繰り返していました。妊カラでも一度取り上げられた小説『うさぎのたまご』(咲乃月音著 宝島社)を読まれた方は記憶にあるかもしれませんが、この小説のあかちゃん待ち主人公とパートナーも、ちょっとした会話からお互いの気持ちを誤解したまま歳月を過ごしてしまいます。私から見るととても冷静で優しい気持ちの持ち主の主人公ですが、誤解によってお互いの気持ちがすれ違ってゆくところはどんなカップルも同じなんだなぁと。
そこで、みなさんも、誤解が大きくなる前に話し合うことをおすすめしたいと思います。方法はそれぞれ、いろいろあるかとは思います。第4回でお話しした、夫婦の「べき」を話し合うのもひとつ。難しく考えず、ふたりでとりあえずたのしくお酒を飲むのもひとつ。
私自身、この経験を通して、そしてアンガーマネジメントを身につけた今、ひとつ自信を持って言えることがあります。それは、
なくした信頼は取り戻せる。
けれど、時間がかかる。
ということ。
実は、私は今もその代償を払い続けています。 でも、そんな自分を責めたり悲観し続けるのではなく、それを強みに夫婦の絆を強くできる、と信じているし、実際そうなっていると思います。そしてそのために実践していることがいくつかあるのです。骨董品の金継ぎをイメージしてみてください。 「だめになったら捨てる」ではなくて、今持っているもの(いまの夫婦関係)が割れたりひびが入っても、修正しながら大切にする。歳を重ねて、その継ぎ目さえも美しくいとおしく思えるものに仕上げていく。そして、新品のころにはなかった年季が入り、より強くなっているのが目標。そんな感じです。
次回最終章では、私も現在実践中である「大切な人とのコミュニケーションを向上させるいくつかの具体的なテクニック」をご紹介いたします。