不妊治療に関する「よくある質問とその答え」を一冊にまとめられた本で、著者である専門医、すなわち、よくある質問への回答者は千葉市の高橋ウイメンズクリニック院長の高橋敬一先生です。このQ&AのQuestionが、なぜ、「よくある」のか、それは、高橋ウイメンズクリニックのホームページ上の「不妊治療掲示板」での15年間の約5万件のやりとりから抽出された「よくある質問」だからです。
「不妊治療掲示板」の15年間の5万件をベースにしたQ&A集
不妊治療についてのQ&A集は、それこそ、「よくある」コンテンツです。ただし、この本の特長は15年間に渡って高橋先生が患者さんとやりとりされた、約5万件のQ&Aをベースに編集されていることです。
つまり、「よくある、よくありそうな」ではなく、「本当にあった」テーマだということです。
その掲示板は現在進行形で運用されています。こちらです。通院中の患者さんが質問されているものもあれば、そうでない一般の方からの質問や相談もあり、誰でも書き込めるようになっています。だいたい、平均すると1日に数件、多い時は10件を超える書き込むがなされています。それらのすべての書き込みに対して、高橋先生が回答されていることがわかります。
そして、掲示板を開設されてから15年間、約5万件のやりとりの中で、最大公約数的に「よくあった質問」を抽出し、現代の不妊治療の事情にあわせて編集されたコンテンツになっています。
不妊症、不妊治療の基礎から体づくりのポイントまで
テーマについても、不妊症や不妊治療についての一般的な解説だけでなく、治療中に抱きがちな疑問や不安など、主治医のドクターには、ちょっと、聞きにくいことなど、さらには、生活面や体づくりまで網羅されています。
また、女性のことだけでなく、男性に関することもカバーされています。
妊活情報が氾濫している現代に
不妊治療は、生殖補助医療の進歩に伴って、ひと昔では考えられないくらい治療法の選択肢が増え、クリニックの数も増えました。選択肢が増え、クリニックの数が増えれば、増えるほど、自分たちにふさわしい治療を選択することが、ますます、大切になっています。
その一方で、インターネット上では玉石混交の妊活情報が氾濫しています。
まさに、個人個人のリテラシーが試されてるわけですが、専門医からの適切な情報提供は絶対に必要です。そういう意味では、実際に「よくある質問」をこれ以上はない方法で網羅的にまとめられたこの本はとても貴重です。
これから不妊治療を考えている方も、現在、不妊治療を受けている方、休んでいる方にとっても、知りたいテーマや気になるテーマが、きっと、みつかると思います。
(推薦者: 細川忠宏)