編集長コラム

細川 忠宏

妊娠報告に教えられること

2006年04月16日

嬉しいことに、このところ、妊娠報告に投稿数が増えています。
それまでは、月に多くても、2、3件だったのが、先月は、4件、今月は、未だ月半ばにして、既に、5件頂きました。

春という季節のせいなのか、このサイトへのアクセス数が、昨年暮れあたりから急増した結果なのか、原因は定かではありません。

あっ、これを読んで、焦らせたり、心を騒がせたのであれば、許して下さい。

ここで、言いたいのは、妊娠報告が増えているということではなくて、皆さんからの投稿を拝見していて、皆さん、共通して強調されていることがあることに気づいたということです。
それは、どうやって、妊娠や治療のことを忘れてリラックスするかに、皆さん、とっても、心を砕かれたということです。

それだけ、普通にしていても、 頭の中は、それらのことで一杯になってしまい、ストレスが高まるばかり、ということなんですね。

だいたい、何かを忘れるということは、結果として、忘れてしまうわけで、自ら、忘れようとしても、忘れられるものではなく、忘れようとすれば、するほど、忘れられないのが、何とも、皮肉なものです。

ストレスや考え過ぎることが、妊娠に悪影響だと聞けば、尚更です。

さて、妊娠報告にみられる成功パターンには2つありました。

1つは、"逃げる"こと、もう1つは、"客観視"することです。

まず、逃げるというのは、聞こえは悪いのですが、おそらくは、最も効果的だと思われます。

具体的には、趣味やスポーツに没頭したり、前々からやってみたいと思っていて我慢していたことを思いきって始める、不妊を意識し出してから、我慢していたことを、たまには、解禁してあげるといったところでしょうか。

要するに、それまで、妊娠や治療にいっていたエネルギーや気持ちを、楽しいこと、やりたいことをやることによって使うわけですね。

もう1つの客観視というのは、ちょっと、分かりづらいかも知れません。

普通は、不妊のこと、治療のことって、まずは、誰にもしゃべらない、しゃべれない、要するに、パートナーとお話しされる以外は、自問自答の世界ですよね。

ですから、次第に、頭の中は、"主観の嵐"が吹きまくって、風景が固定化してしまいがちなわけです。
ここは、誰かに、しゃべったり、相談したりして、 客観視してみるのが、効果絶大ということなんですね。

なんて言うか、いつも、頑張って、そして、手探りで、歩いているのですが、たまには、休憩して、ちょっと、小高い丘に立って、これまでの足取りやこれからの行程を、ちょっと、眺めてみると、いつもと違う風景がみえてきたりするものです。

で、しゃべったり、相談したりする対象者はというと、やっぱり、話しや関心事が通じるということを考えると、例えば、クリニック等が開催しているセミナーや不妊カウンセリング、或いは、患者の会が主催しているような集まりとかです。

もちろん、ご紹介したものに限らず、ご自身で、いろいろ、探したり、調べたりすれば、 何かしら、あるものです。

最後に、ご主人としゃべるということ、場合によっては、余計にストレスになるなんてこともあるかもしれませんが、やはり、一番、頼りになる、お互いのナビゲーターでしょう。

以上、最近の妊娠報告から教えられたこと、でした。