編集長コラム

細川 忠宏

焦ったり、慌てたりするのは

2006年04月22日

なかなか授からない期間が長くなると、焦る気持ちを抑えることはとても難しいものです。
それは、子供をつくる決意さえすれば、そして、避妊を止めさえすれば、直ぐに授かるものと思い込んでいたからかも知れませんね。

ところが、実際のところ、避妊を止めてから1年間経っても、授からないことは、珍しいことではないのです。

そうです、意外にも、妊娠するのは時間がかかるものなのです。

なぜなら、妊娠の扉は、常に開いているわけではないからです。

皆さん、既にご存知かも知れませんが、なぜ、妊娠するのに、時間がかかってしまうのか、詳しく、確認することにしましょう。

まずは、女性の生理周期中に、妊娠の可能性が高まる日は、排卵の前後のほんの2、3日です。

通常は、1周期に、1個の卵子が排卵されます。精子と出会い、受精が成立可能なのは、排卵後18~24時間以内です。

ところで、1年間、妊娠しないといっても、女性によって、妊娠するチャンスは平等ではありません。

もしも、毎周期、規則正しく28日であれば、1年間に、生理周期は13回やってくることになりますから、妊娠の可能性の高い日は1年間で26~39日ですね。

ところが、周期が長くなればなるほど(普通は、低温期が長くなります)、1年間の生理周期は少なくなりますから、自動的に、妊娠の可能性の高い日も少なくなるわけです。

そして、皆さん、生活しているわけで、夫婦生活を最優先できる日ばかりではありませんね。二人の都合というものがあります。

いかがですか、妊娠の扉は、意外にも、閉じていることが多いようです。そして、扉が開く機会は、個人差も大きいことが理解できます。

同じ1年間、妊娠しなかったといっても、実際には、それぞれのカップルによって、状況は異なるのです。不妊期間の長さで、自分たちを不妊と決めつけるのは危険なわけですね。

まだ、この話しは続きます。

その、妊娠の可能性の高い日に、ラッキーにも、夫婦生活を持てたとしましょう。
因みに、そのために最も確実は方法は、生理周期を通じて、週に3回の夫婦生活を持つことです。

で、そのようにして、妊娠の可能性の高い日に夫婦生活を持てたとしたら、妊娠するわけではなく、女性の年齢が35歳までであれば、だいたい、1周期あたり、自然妊娠する確率は、20%と言われています。

そして、35歳以降、徐々に、その確率は低下し、40歳になると、5%ほどになるのです。

さらに、この話しは続きます。

今迄、お話ししてきたのは、妊娠のプロセスに何の問題もないケースでのことです。

これも、皆さん、よくご存知の通り、妊娠は、複雑なプロセスを経て、始めて成立するものです。

それぞれのステップにおいて、妊娠しにくくする要因となるものは、それこそ、多数、存在します。

ただし、常に、それらの要因は、妊娠を妨げたり、妊娠しにくくさせているわけではなく、それぞれの周期によって、協力的な場合もあれば、非協力的なこともあったりと、なんとも気まぐれなところがあるのです。

ですから、明確になっていようと、なかろうと、何らかの要因があれば、さらに、そこでも、妊娠の扉は、非情にも閉じられてしまうわけです。

いかがでしょうか?

すぐに、妊娠しないからと言って、なにも、慌てたり、焦ったり、そして、悲観する必要がないことを、ご理解頂けましたでしょうか?

もしも、お二人に、何らかの絶対不妊の原因がないのであれば、事は、"時間の問題"なのです。

このことは、最近、不妊ではないかと自覚し始めた方だけでなく、既に、不妊治療を受けておられる方、また、高度な治療にステップアップしようとされている方、さらには、何度か高度な治療を受けられた方にも言えるのです。

なぜなら、先生は、お二人、特に、女性のカラダの状態を、治療周期を重ねる度に、徐々にですが、掴んでいきます。

そして、それぞれに特有の状況を把握していくことによって、より、それぞれに相応しい策を講じていくからです。

やはり、時間がかかるということです。