ちょっとしたことでも喜ぶ人もいれば、そうでない人もいますね。これは"幸せのセットポイント"レベルが人によって異なるからだそうです。
心理学では、「幸せのセットポイント理論」というのがあって、人には、それぞれの"幸せのセットポイント"が設定されていて、そのレベルが、人によって異なるので、同じ経験をしても、感じる幸福感の強さが違うというものです。
この"幸せのセットポイント"について、アメリカのミシガン州立大学のリチャード・ルーカス教授は、幸せのセットポイントの設定レベルは、決して、絶対的なものではなくて、大きな悲しみや苦労を経験することで、セットポイントが引き上げられるようになると、6万7000人を約20年に渡って追跡調査した結果として、最新の心理学専門誌に発表しています。
この調査結果に、私はとても興奮し、かつ、救われた思いがしました。
なかなか授からないことに悩み、苦労することは、今は、ただただ、辛く悲しいだけのことかもしれないけれど、結局は、より大きな幸福につながるのだということが、科学的に確かめられたという事実は、どんな慰めや気休めの言葉よりも、全ての人間を勇気づけてくれるじゃないかと思ったからです。
アメリカには凄い先生がいるもんです。
人間は、辛く悲しい経験をするほど、精神的に強くなるだけでなく、幸福感を感じるセンサーの感度が高まるんですね。
そんな昨晩、ある集まりで7年間の不妊期間のすえに、お子さんを授かったというご夫婦と、たまたま、お話しをする機会がありました。
不妊というよりも不育症で、3回の流産を繰り返され、途中からご主人の仕事でアメリカに在住されていたこともあって、代理出産のための費用を捻出した矢先、4回目で無事に出産に至ることが出来たとのこと。
とても印象的だったのは、お子さんを授かるのに苦労したからか、世間では、ほんの些細なことかもしれないことに、それまで以上に夫婦で喜べるようになったような気がするというのです。
まさに!心の中で、思わず、叫んでいました。
『ルーカス先生、おっしゃる通りですね!』と。