編集長コラム

細川 忠宏

赤ちゃんを"待つ"ということ

2007年10月07日

時代のテンポが早くなったなあと感じるようになって、どうでしょうか?、だいたい10年くらいになるでしょうか。

考えてみれば、パソコンやインターネットにしろ、携帯電話にしろ、あれよあれよというまに、あって当たり前、そして、なくてはならないものになってしまいましたね。

そして、私たちの"時間に対する感覚や価値"も、相当、変わりました。

例えば、仕事上では、より、スピードが求められるようになりました。

その結果、時間がかかることは効率が悪いことで、時間をかけることは問題だとされる風潮が強くなったようです。

また、例えば、日常の生活では、以前に比べて、あらゆる面で、"待つ"必要がなくなりました。

その結果、私たちは"待つことが下手"になったように思います。

ところが、時代のテンポが、無茶苦茶、速くなっているのに対して、私たちのカラダのリズムは、ITなんて無縁であった大昔のままです。

例えば、女性の周期とシンクロしている月の満ち欠けのペースにしろ、私たちの体内時計を支配する大自然のペースにしろ、いずれも人類が誕生して以来、不変のリズムを刻み続けています。

ですから、敏感で、優秀な頑張る人ほど、時代に適応していますから、"頭のペース"は、どんどん、早くなり、頭のペースとカラダのペースのギャップは大きくなっているはずです。

このことは"赤ちゃんの待ち方"に、何らかの影響を及ぼしてはいないでしょうか?

もしかしたら、カラダのペースよりも、頭のペースを優先してしまうことがあったりしないでしょうか?

考えてみれば、自然界は、時間がかかること、待たなければならないことが当たり前な世界なわけで、少なくとも、ボタンを押せば、すぐに結果が出る装置は存在しません。

赤ちゃんを望む気持ちが強くなると、サイクル毎に、期待してはがっかりさせられるものですが、カラダ側からみれば、それぞれのサイクルは、決して、独立しているわけではなくて、生命力の強い卵を育てるという唯一の目的のために、この周期から、次の周期へ、そして、またその次へと、順繰りにバトンをリレーして、カラダを整えているわけです。

各周期は、バラバラではなく、一つの繋がりなわけですから、1つの周期の結果だけで、何かを断定できるわけでもありません。

ですから、周期あたりの妊娠率よりも、ある一定期間の"累積妊娠率"のほうが大切な目安になるものです。

また、頭のペースは、例えば、周囲の妊娠報告や親のプレッシャーなど、いろいろな出来事や事情に、とっても敏感に、影響を受けるものです。

いかがでしょうか?

もしも、カラダのペースが、やや、置いてけぼりを食っているようであれば、自然の中で、大きく、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。

時代の不自然なリズムに洗脳された頭を空っぽにしてみると、少しは、いつもとは違った風景がみえてくるかもしれませんよ!!