編集長コラム

細川 忠宏

妊娠しやすい"環境"づくり

2008年08月04日

アメリカのハーバード大学の研究者らは、まるで、肥満は伝染するかのような、とても興味深い調査結果を発表しています。

32年間、友人や家族を含む1万2067人の体重を測定し続けた結果、体重の増加は周りの人の体重に影響を受けることが判明したというのです。誰かが肥満になれば、その配偶者も肥満になるリスクは37%、その友人の場合には57%も高くなるというのです。

ただし、知り合う前から肥満だった場合には影響はなく、知り合った後で、太り始めた場合にのみ影響が出るのだそうです。

それは、同じ食卓を囲む人が、美味しそうにモリモリ食べると、こちらもつられて、たくさん食べてしまうとか、親しい人が太ることで、肥満への抵抗感が薄れてしまうといったことがあるのではないかと、そんなコメントが述べられています。

また、反対に、健康な食生活も周囲の人間に影響するとのこと。

そう言われてみれば、なるほどと、誰しも思い当たる節があるかもしれません。

よく、連鎖的に妊娠する人が出たり、女性が一緒に生活すると月経サイクルが似てくることがあるのも、もしかしたら、根本的には、同じメカニズムが働いた結果なのかもしれません。

私たちが開催している気功教室やファーティリティレッスンでも、これまでに、何度も、そんな経験をしたものです。
人間、たいていのことは、自分の意思やモチベーションで、判断、行動していると思っていても、知らず知らずのうちに、さまざまな刺激を受けているに違いありません。

そして、それは、無意識であるからこそ、その持続力は強力で、精神的、肉体的な影響力も大きくなるのでしょう。

であれば、妊娠しやすいカラダや心をつくるためには、禁欲的に、何かを自分に課すというやり方ではなく、妊娠しやすい"環境づくり"という発想でもって、取り組んだほうがいいのかもしれません。

自ら、環境に働きかけ、環境を整え、その結果として、自らを、いい方向に変えていくということです。

たとえば、よい食習慣を身につけるには、自分一人で頑張るよりも、夫婦で、そして、仲間と取り組んだほうがうまくいきやすそうです。

また、身体を動かすことが気持ちいいと、楽しんでいる、ヨガや気功なんかのグループに加わってみるのもいいでしょう。

あるいは、外食する際には、予め、オーガニックな食材や調理法にこだわっているお店を探しておくと、いやな思いをせずに食事を楽しむことが出来るに違いありません。

さらには、日々の食材を、どこで購入するかも、食生活の環境を整える意味で、とても、とても大切です。

理想的には、スーパーやコンビ二ではなく、八百屋や魚屋さん、お豆腐屋さんとお付き合いするのがいいのですが、最近では、インターネット通販で、安心できるオーガニックな食材を調達できます。

まさに、カラダづくりは、環境づくりからと、言えなくもありません。

最後に私からの提案。

コンビニで調達する食べ物は、ミネラルウォーターか、プレーンヨーグルトだけにすること。コンビニがどこにでもあるという環境の影響は、決して、小さくありません。

環境づくりには、知らず知らずに、悪い影響を及ぼしているものを見極めることも大切です。