あきらめたら妊娠したという話しは本当によく聞きます。
皆さんも何度か耳にしたことがあるでしょう。
先週も、イギリス人の知人とのランチの席で、長く不妊治療を受けていた友人があきらめた途端に授かったという話。
それで、"あきらめたら妊娠する"、"養子をもらったら妊娠する"というのは、イギリスでも、よくよくあること、なのだそうです。
もしかしたら、万国共通のことなのかもしれません。
ところが、現在進行形で悩み、頑張っている人にとっては、少々、うんざりといったところがなきにしもあらずです。
なぜって、そんなこと言われても、諦められるはずがないからです。
なので、"あきらめたら"とか、"忘れたら"とか、さらには、"リラックスしたら"なんて言うアドバイスは、時として、非現実的で、虚しいアドバイスになってしまいかねません。
ただ、これだけあちこちで言われているということは、もちろん、あきらめないと妊娠できないというわけではないものの、、そこには、妊娠するということについて、大きなヒントが潜んでいるに違いありません。
あきらめたと言っても・・・
ところで、ふと思ったのですが、あきらめたと言ってもですね、妊娠したということは、やることはやっているわけです(すみません!直接的な物言いで)。
そう考えてみると、あきらめていない時とあきらめた時では、夫婦の営みについて、何がどう違うのかがよく分かります。
そうです。
セックスには2種類あるということです。
つまり、妊娠を目的としたセックスと本能によるセックスです。
言い替えると、妊娠したいからするセックスと、やりたいからやるセックスがあるということです(またまた、お許しを!)。
ここに妊娠しやすいカラダづくりについてのヒントがあります。
妊娠したいからするセックスは、かえって、妊娠しにくく、やりたいからやるセックスのほうが妊娠しやすい、そういうことに他なりません。
妊娠することを目的とした営みではなく
であれば、現実的なアドバイスとしては、"あきらめろ"とか、"忘れろ"ということではなく、「妊娠することを目的としたセックスはやめたほうがいい」、そういうことになるのでしょう。
基礎体温を測るのをやめる、そして、セックスの日を予め決めるようなことはしない。
つまり、タイミング法なるものをやめてしまうということになりますね。
もちろん、不妊治療を受けていても、受けていなくても、です。
これなら実行することはさほど難しくなさそうです。
そして、授かる可能性が高まることは間違いありません。
人間のカラダのメカニズムを侮ってはいけない
イギリスのロビン・ベイカーとマーク・A・ベリスの研究で、セックスの際に、男性のペニスに超小型カメラを装着することで、女性がオーガズムに達すると、子宮の先(頸部)がリズミカルに動いて、射精された精液を吸いこむところを確認したと言います(※1)。
また、排卵された卵子がある卵管だけを膨張させ、少しでも精子が卵子に行きやすいようには動くとのこと(※2)。
そもそも、考えてみれば、人工授精や体外受精などの不妊治療は、卵子と精子をより確実に出会わせることです。
もちろん、医療の助けがなければ出会えないケースもあるでしょう。
ところが、私たちのカラダには、射精された精子と卵子を出会わせようとするメカニズムが、備わっているのです。
それは、感動的でさえあります。
そして、それは、"やりたいからやるセックス"の際に、より機能するようです。
高度な技術がなくては生きていけない現代社会では、私たちは、ともすると、技術に過大な期待を寄せ、私たちのカラダに備わった力を低く見積もってしまいがちです。
妊娠しやすいタイミングは性欲についてくる
アメリカのニューメキシコ大学の研究チームは、プロのストリッパーの排卵周期が、チップの収入に影響を与えることを明らかにしています(※3)。
排卵期、つまり、妊娠しやすい時期ほど、たくさんのチップを稼ぐことを確かめたというのです!
なぜそうなるのかは分からないが、そのような相関関係が確認されたとのこと。
これも驚きましたし、感動的でさえあります。
女性は排卵時期になると、男性を魅了するとの研究報告は少なくありません。それが、フェロモンといわれるものなのか、それとも匂いに類するものなのかは定かではありません。
なんやかんやと頭で考えるよりも、お互いの"やりたい"にまかせるのが一番、そして、妊娠の確率が高くなるに違いありません。無理したり、頑張ったりしなくていい、自然な関係を大切にすればいいということですね。
そのほうが夫婦関係がよくなり、未だ見ぬお子さんにとっても幸せなことでしょうし。
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※1)「WOMAN 女性のからだの不思議」(集英社)
※2)「セックスと科学のイケない関係」(NHK出版)
※3)イグノーベル賞