この連休は、毎年恒例の断食リトリート、東伊豆のやすらぎの里の養生館に滞在して、身も、心も、リフレッシュしてまいりました。
毎年、やすらぎの里に滞在するのは、食を断ち、自然のリズムで生活し、自然の中で身体を動かすことで、身体だけでなく、頭もスッキリして、日常生活では難しい最高の休息になり、帰ってからの心身のパフォーマンスが高まるように感じられるからです。
まさに心身のリセットです。
そこでは、普段、医学論文によるエビデンスに基づいた食べ方や栄養補充について一生懸命詰め込んでいる知識が、吹き飛ばされる感じです。
誤解のないようにお願いしたいのですが、エビデンスや研究データは意味がないなんて言いたいわけでは、決して、ありません。
方法を選択する際にエビデンスが最良の判断材料であることは間違いありませんし、エビデンスをベースにすべきことは大前提でもあります。
ただし、エビデンスは、個々人の答えまで示してくれるわけではなく、また、相反する研究結果が出ることも珍しいことではありません。
そのため、個々人の答えを出す場合に、頼りにすべきは自分のカラダだということを、断食経験を通して、改めて思い知らされるということです。
食を断つことで、食べたいもの、食べたい量が自分に必要なものと量であること、食べた栄養素を身体が本気で使い、本気で排泄しようとしていることが実感できるのです。
その証拠に、普段の10分の1も食べていなくても、朝、目覚めと同時に活動できますし、身体も軽くかんじられ、お通じがよく、集中力も高まり、夜はぐっすり眠れます。
さて、前置きが長くなりましたが、今回のコラムでお伝えしたい、お伝えせねばと思ったのは、滞在中に、あらためて、セルフケアについて感じたことです。
そもそも、メルマガのタイトルの「妊娠しやすいカラダづくり」とは、「妊娠、出産にふさわしいカラダをつくるために自分で出来ること」で、つまりは、セルフケアなわけです。
で、このメルマガを15年弱、運営してきましたが、今更ながらセルフケアについて、漠然としていたことが、今回の滞在でクリアになったことがあります。
それは、セルフケアとは「自分の意思でコントロールできないところに自分で働きかけて、全体を整えようとするもの」ではないかということです。
つまりは、こういうことです。
妊娠や出産のプロセスをコントロールしているのは「生殖に関わるホルモン」や「自律神経」、「免疫システム」であり、新しい命の成育に必要な酸素は口から取り入れ「呼吸器」が、栄養素は口から取り入れ「消化器官」が、それぞれ、使える形にして、「血流」によって生殖器官まで運ばれます。また、心の状態はそれらすべてに影響を及ぼします。
これらが絶妙なバランスで働いているわけです。
もしも、これらのどこかに不調が起こり、滞り、バランスが悪くなり、それが慢性化すると、妊娠や出産の障害になるリスクが高くなってしまいます。
ところが、ホルモンバランスや自律神経、免疫システム、消化器官、血流、そして、メンタルと、どれ1つとっても、私たちの意思でコントロールすることは全く不可能です。
かと言って、薬物療法も、決して、万能とは言えません。
そこで、セルフケアです。
ポイントは、直接、コントロールできないところでも、そこと繋がっているところ、連動しているところに働くかけることです。
・「食を整える」ことで、必要な栄養素が揃います。
・「よく噛む」ことで、消化器官の負担が軽減され、栄養素の消化吸収力が高まります。
・「呼吸法」を実践することで、必要な空気が取り込まれます。また、エネルギー代謝(産生)が高まります。そして、ホルモンバランスや自律神経、免疫システムの安定、血流の改善からメンタルの安定まで、あらゆる身体の機能が高まります。
・「ストレッチ」を実践することで、身体の歪みが矯正され、柔軟性が高まることで、血流が改善されます。また、内臓の機能が正常化します。
・「運動」することで、血流が促進され、メンタルやホルモンバランス、自律神経、免疫システムが安定します。
・「マインドフルネス瞑想」や「リラクゼーション」を実践することで、メンタルが安定します。
・「手足のツボへのセルフマッサージ」をすることで、血流が促進され、身体の不調を予防し、全体を整えます。
セルフケアを実践すると、メンタルも含めた全身は、密接につながっていることが身をもって実感できます。
バランスが最も大切であることが腹に落ちます。
そうなると、習慣化する確率が高まるはずです。
ただし、やらされ感、義務感で取り組んでも、効果が得られないどころか、逆効果になりかねないところに注意する必要があるかもしれません。
まあ、長続きしないとは思いますが。
やはり、気持ちよさ、充実感を感じられるかがポイントになるように思います。
以上、私が経験して感じたことがすべてですので、さまざまなご意見もおありかと思いますが、読者の方々になにかのきっかけにでもなれば嬉しいです。
最後に、今回の滞在でとてもお世話になりました、やすらぎの里の養生館館長の小針先生に、深く、感謝致します。
ありがとうございました。