この数年で、新しい検査の普及や生殖医療の進歩のおかげで、妊娠しやすさに関与するファクターが、次々に、あきらかになりました。
そして、ソーシャルメディアの普及で、○○はこれで妊娠できた等の妊活情報が爆発的に増加しました。
その結果、ともすれば、妊活がなかなかに骨の折れることになってしまっている面があるように思えてなりません。
後々、後悔のないように出来ることはやっておきたいと思えば思うほど、です。
たとえば、妊活レシピやら、オーガニックやら、体重管理やら、食べたいものを我慢することやら、妊活サプリやら、善玉菌やら、マインドフルネスやら、等々。
で、ちょっと、疲れたなと感じるようであれば、妊活が目的になってしまっているのかもしれません。
そんな時には、妊活というものを、ちょっと休憩してみるのがいいかもしれません。
そもそも、生活習慣やストレス、微生物の組成は、いずれも不妊の原因ではなく、リスクファクターです。
要するに、妊娠の成立や継続にマイナスの影響を及ぼす可能性があるというだけのことであって、どうにかしないと妊娠できないというものではありません。
私たち、ヒトの健康や生殖機能は、遺伝的因子や環境からの刺激、食事をはじめとする生活習慣、そして、常在菌の組成の間の複雑なバランスの相互作用の結果、維持されています。
そのため、自身の身体でも、自分でコントロール出来ません。
なにかを頑張ってやったからと言って、或いは、これとあれをやったから、すなわち、条件を満たしたから妊娠が成立するというようなものではないわけです。
なので、誤解を恐れずに言えば、妊活を頑張るというのは、頑張る方向性が違うのですね。
いくら秀逸な妊活レシピでも、そこに含まれる栄養素を身体が吸収し、活用しようとしなければ意味がありません。
身体が、いやいや、仕方なくやっても、それほどの成果は望めないのではないかと思うわけです。
そのため、妊娠によいかどうか(と言われていること)ではなく、カラダが喜ぶかどうかが、大切ではないかと思うわけです。
頑張らなくても、努力なしでも出来る、そして、取り組むことで身体が喜ぶのが、あるべく妊活でしょう。
これまでの取り組みを、いったん、棚卸ししてみてはいかがでしょうか。
美味しく食べること、気持ちよく身体を動かすこと、心がすっきりすること、心がわくわくすることをやることを通して、無理なく生活を楽しむ!のです。
どうすれば楽しく過ごせるかに知恵を絞る、ここが頑張りどころではないかと思います。