みなさま、
こんにちは。
心理士の小倉です。
さくらがきれいに咲いていますね。
新学期も始まり、春本番です。
でも、治療中の方はあまり季節の変化に気づかない、
あるいは気にかけていられないかもしれません。
治療をしていると、心の余裕を失いがちです。
とくに40代で治療をされている方は、
焦る気持ち、治療に対する迷い、今後の人生への不安が
強い傾向にあります。
40代で治療されているといっても、
30代からずっと治療して40代になっている方、
結婚が40代で、その後治療を開始された方、
結婚は長いが、40歳前後で子どもが欲しくなって、治療を開始された方、
他の病気をお持ちで、その病気が落ち着いたので
治療開始をしたら40代になっていた、
二人目(以降)の治療は(も)40代になっている、
などなどです。
ただ、40代の方に言えることは妊娠できる時間が
もうそれほど長くはないということ、です。
自然妊娠が可能な年齢が42歳ごろまで、と言われています。
不妊治療をしていても、
奇跡を起こすのではなく、
妊娠する可能性がある場合はそれをサポートしているだけです。
このような情報があれば、
40代での治療は20~30代の方とは違うものになります。
現実的に考えれば、
子どものいない人生、
これ以上兄弟は増えない、
あるいは他の選択肢(養子・里子・卵子提供など)を
視野にいれなければいけないかもしれません。
一方で、まだまだホルモン値もよく、
採卵はできる、胚盤胞までいく、着床する、流産にはなったけど心拍確認はできた、
などがあると、次こそは!と治療への期待もあるでしょう。
でも、なかなか治療に集中できないのは、
次の治療で子どもが授かることが全く保証されていないからです。
しかも統計的にみると、子どもを授かる可能性が低いのです。
さらに治療費の経済的な負担、薬などの身体的な負担、重なる不成功による精神的な
負担は次の治療への意欲を低下させます。
これが自分一人で決められるなら楽なこともあります。
でもパートナーが子どもを強く望んでいる場合は、
迷いが生じますよね。
最近は不妊、ということが日本でもよく取り上げられるようになり、
10年前までに比べれば、公の場で不妊の話しもしやすくなった、
と思います。一方で、不妊の知識はまだ浅く、
「日本の技術は高いから45歳でも産めるよ!」
と(悪気は全くなく)励ましてくれます。
本来なら「一生懸命」「前向きに」治療に臨みたいのに
それができないのは、不妊治療中の方であれば
どなたも感じられることですし、40代の方であればなおさら当然のことです。
どうぞ、「こんな気持ちでは妊娠できない」「赤ちゃんは来てくれない」
とは思わないでいただきたいと思います。
もし治療の継続を迷ったら、どうして子どもが欲しいのかを
今一度、考えてみましょう。
結婚したら子供ができると思っていたから。
これでもいいのです。
では結婚しても子どもができなかったら、
あるいは自分の子供に兄弟がいないとどうなのか?
不幸なのか?
寂しいのか?
不満なのか?
物足りないのか?
かわいそうなのか?
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でも誰が?
そこのところを感じてみてください。
その気持ちによって、治療を続けるモチベーションが高まるかもしれないし、
あるいは違う選択肢、シナリオとは違う人生を歩む準備、
を考えてもいいかと思います。