曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

不成功の繰り返し

2015年05月25日

みなさま、
こんにちは。
心理士の小倉です。

日差しが強くなりましたね。
スキンケアをお忘れなく。

今回は治療中の方が
よく感じられる気持ちについて
書いてみます。

不妊治療を始めると
期待が高まりますよね。
でも、うまくいかないことがあります。
それも1度、2度目なら
まだ次の治療に期待できるのですが、
3度目以降になると、
だんだん期待することも
できなくなります。

とくに体外受精、顕微授精という
治療法の場合、受精しているとか、
グレードとか、
いろいろな情報があるため、
妊娠への期待が大きくなることも
あるでしょう。

そんな中で
治療の不成功が続くと、
しだいに心の元気を失います。
どこまで頑張ればいいの?
いい加減、妊娠してくれないの?
神様は私には子どもを授けてくれないの?

とても悲痛な思いです。
でも答えがないのです。
カウンセリングであれば、
この思いを聞き、そう思うことを
受け止めるだけとなります。
お伝えできるのは、
そのように考えるのは自然ですし、
あなた一人ではない、くらいです。

もう1点言えるのは、
不成功が重なることによって
不成功による悲しみが
たまっている、ということです。
そのたまった悲しみを十分に
悲しまないといけないのですが、
治療中は次々に治療が入るため、
その時間がとれません。

十分に悲しむために
「喪の作業」という
プロセスがありますが、
なかなかこれをおこなうのも難しいものです。

現在治療中で、
不成功が続いている方は
もしかすると悲しみがたまっているかもしれません。
そんなときは
悲しみがたまっている、と
感じるだけでも心の負担は和らぐことがあります。
自分がどのように感じているのかを
受け止めるだけで、
心は楽になるものです。