曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

男の気持ち

2015年08月06日

みなさま、
こんにちは!
心理士の小倉です。

今回は男性の気持ちについて
書いてみます。

基本的にこのブログでは
女性の気持ちを中心に書いています。
不妊を経験すると
心理的にサポートを必要と感じるのは
女性のほうが多く、
実際不妊治療となると
女性の負担が大きくなるため、
女性の気持ちを
和らげるための
ヒントを提供したいと思っているからです。

とはいえ、
不妊は女性だけでなく男性の
問題でもあります。

でも男性はなかなか
「気持ち」について
話すことはありません。
どうしらたいいのか、
という解決方法はいろいろ考えて
くれるのですが、
どう思っているのか、何を考えているのか、
なかなか表現できないようです。

本当は子供ができないかもしれない、
ということで、
ショック、悲しみ、怒り、無力感など
あるのですが、
それをうまく言えず、
とくに妻に言うことができず、
夫婦間のコミュニケーションがうまくとれないケースは
よくあります。

たとえばあるカップルカウンセリングで。
妻:もう治療したくないけど子供は欲しいんです。
カウンセラー:ご主人はこの奥様の言葉を聞いてどう思いますか?
夫:治療したくないならやめればいいと思うんです。
妻:じゃあ、子供はいらないの?
夫:そうは言っていない。子供は欲しいけど、
君が治療したくないのなら仕方ないだろう。
妻:全然わかってない・・・

確かに男性にしてみれば、
全然わかんない!
かもしれません。
治療しなければ
子供ができないのであれば、
治療するしかなく、
でも治療をしたくないのなら
やめればいいし、つまり子供は諦めるってことだろ、
なんですよね。

女性としてはそんなことはすでにわかっている。
でも言わずにはいられない、
矛盾した気持ちをただ受け止めて欲しいのです。

上記したように、
男性は解決することを
得意とするので、
相談されると、その解決方法を
一生懸命考えてくれます。
それがうまくいくときもあれば、
上の例のように、うまくいかないときもあります。

この場合、ただ、
子供は欲しいよね、でも治療は辛いよね。
と妻の気持ちを受け止めてあげれば十分なのです。

さらに、そこで男性が子供を
授かることができず
悲しい、悔しい、残念、などの
「気持ち」を表現できれば、
きっと女性も気持ちの共有ができて、
不妊という経験を違った角度からみることが
できるかもしれません。

なかなか男性が自分の気持ちを
伝えることはできないかもしれませんが、
女性のほうでも、
実は男性にもいろいろ気持ちがあって、
でもそれをうまく表現できていないかも、
と知っているだけでも、
夫婦の会話が少しスムーズに
なるかもしれません。

もし夫が
「君が治療したいのならやっていいよ」
と言ったなら、
「あなたはどう思ってるの?
治療はしたほうがいいと思ってるの?
もう終わりにしたほうがいいと思ってるの?
あなたの気持ちを教えて?」
と聞いてみるのもよいでしょう。