曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

子供のいない辛さ

2019年10月11日

今週末はまた台風とのことで
3連休ですし、予定変更を余儀なくされている方も多いのではないでしょうか?

それでもこのように予報でわかることはありがたいですよね。
準備できますから。
予想外は、やはり辛いものです。

今回は、治療終結して子供のいない人生をおくっている方の話。

30代で結婚したときは、正社員として働いていましたが、
すぐに妊娠して、会社をやめる予定でした。

でも、セックスレスもあり、
思うように子供が授からず。
不妊治療を始めるにあたり、会社は辞めましたが、
なかなか子供が授からない。
原因はとくにない。

周囲はどんどん妊娠し、
いつまでも治療を続ける自分。
いつかは私も!と思い、
採卵と移植を繰り返すものの、
陽性反応は出るときがあるものの、
妊娠継続に至らず。

治療を10年続け、
やめどきを考えていたら、
医師の方から、これで最後の移植にしましょう、と言われ、
移植をしたものの、陰性。

気持ちの整理をしようにも、
なかなかできず、治療終結後3年たっても、
まだやる気がでない毎日。

仕事や趣味や介護や、
何かエネルギーをそそぐ機会はあるものの、
それも難しく。
子供がいないから辛い、と嘆く毎日。

養子縁組は考えていないため、
子供のいない人生を歩み始めているものの、
なかなか次の一歩を踏めない方は、
いらっしゃると思います。

不妊は喪失の連続です。
多くのものを失っているので、
悲しむための時間は必要です。

3年は決して長くはないです。
ただ、3年間全く同じような悲しみ、であると
問題になります。

治療終結直後に
なぜ自分には子供ができなかったの?
子供がいない辛さは誰もわかってくれない、
と思ったとしたら、

3年後には、
子供ができなかったことは悲しいけど、受け入れるしかないのかな、
子供がいない辛さは、やっぱり経験者じゃないとわからないものかな、
のような同じ悲しみでも変化が欲しいものです。

その変化を促すものは何か?
最終的には人それぞれですが、
子供のいない悲しみは心の問題です。
子供のいない人生を幸せに思う人もいますから。

ですから、子供がいないことを悲しく思う場合、
それを和らげるには、心が「努力」をする必要があります。

悲しく思うのは自然だけど、
いつまでも同じように悲しんでは前進しません。
ただし、
いつまでも悲しんでたらダメ!
というのとは全然違います。

いつまでも悲しんでいいのです。
子供は欲しかったんですから。
ただ、
その悲しみ方、
悲しむ内容は変化させる必要があります。

それが、悲しみをやわらげてくれますし、
あなたのまだまだ長い人生を、より豊かにしてくれます。