ドクターにインタビュー
vol.01
【4】妊娠さえできればそれでいいというわけではない
不妊予防協会理事長 久保春海 先生
東邦大学医学部名誉教授 渋谷橋レディスクリニック院長
【4】妊娠さえできればそれでいいというわけではない
- 細川)
- 生活習慣からカップルのライフスタイルまで、 不妊予防という観点から大変興味深いお話をお伺いさせていただきました。
- Dr.)
- 夫婦のライフスタイルということで言えば、 決して、妊娠のためだけではないのですね。
- 細川)
- 妊娠の可能性を高めるためだけではない?
- Dr.)
- 子どもの心身の健康にも影響するということです。 たとえば、夫婦生活が良好なカップルの子どもほど、情緒的に安定しているとの研究報告があります。
- 細川)
- 夫婦の微妙な関係を子どもは察知しているということでしょうか?
- Dr.)
- そういうことが言えますね。 また、妊娠前の母親の健康状態は子どもの将来に渡る健康に影響を及ぼすことも、 内外のさまざまな研究で明らかになってきました。
- 細川)
- 不妊予防という発想や考え方は、 決して、妊娠のみならず、お子さんの福祉にまで関わってくるということですね。
- Dr.)
- はい。 妊娠はあくまでも通過点であって、目的ではありません。 明確な不妊の原因があれば、 それを治療することはもちろん大切なことで、必要なことですが、 不妊予防という意識にたって、自分たちの生活を見つめ直すことも、同じくらい、 いや、それ以上に大切なことだと思います。
- 細川)
- とてもよく分かりました。 本日はお忙しいところお時間を割いていただきまして、本当にありがとうございました。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方