ドクターにインタビュー
vol.02
妊娠しやすい夫婦生活とは?~タイミング法にまつわる誤解を正す
辰巳 賢一 先生(梅ヶ丘産婦人科院長)
【5】誰にも聞けないけどちょっと気になること
- 細川)
- 今回タイミング法についての多くの誤解を正していただきましたが、性交そのものについても多くのご相談が寄せられています。まずは、体位に関するものです。妊娠しやすい体位というのはあるのでしょうか?
- Dr.)
- 妊娠できるかどうかに性交の体位などは関係ありません。膣の中に射精されれば問題ありません。
- 細川)
- 特に妊娠しやすくなるような体位はないということですね。また、性交の後、しばらく横になっていたほうがよいのでしょうか?
- Dr.)
- いいえ。元気な精子は射精後2分以内に頸管粘液を通過し、約5分後には卵管に到達しているといわれています。性交の後、横になったり、安静にしていたりする必要はありません。
- 細川)
- そうなのですか。それに関して、女性がオーガズムに達したほうが妊娠しやすいのかどうかについても気にされる方が多いようです。
- Dr.)
- 実際にはよく分かっていません。ただ、興味深い研究があります。それは、女性の膣の奥に動きを追跡できるような小さな粒子を置いて観察したというものです。
- 細川)
- 小粒子を精子の動きに見立てたわけですね。
- Dr.)
- そうです。その結果、卵胞期には2分以内に卵管に到達し、主席卵胞のある側の卵管にだけ認められるというのです。
- 細川)
- 排卵後の卵子が取り込まれる側の卵管にだけ移動したということですね。
- Dr.)
- そうなのです。さらに、卵管中の小粒子の数は主席卵胞が大きくなるにしたがって増加し、性交やオーガズムの時に分泌されるオキシトシンというホルモンの投与によって更に増加したそうです。
- 細川)
- そうなのですか!
- Dr.)
- 興味深いですね。このことから、子宮や卵管は精子と卵子が出会うことをサポートする働きがあって、オーガズムによってその働きが促進されるのではないかと考えられます。
- 細川)
- オーガズムによって増加するオキシトシンが一役買っているかもしれないのですね。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
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