ドクターにインタビュー
vol.04
【1】体外受精について知っておいて欲しい、知っておくべきこととして
浅田義正 先生(浅田レディース名古屋駅前クリニック院長)
【1】体外受精について知っておいて欲しい、知っておくべきこととして
- 細川)
- 本日は、体外受精の病院選びについて、お話しをお伺いできればと思っています。
- Dr.)
- まず、皆さんに知っておいていただきたいのは、 医療のレベルは「どこも同じ」ではないということです。 特に、体外受精や顕微授精は、保険診療ではありませんので、 何の基準もなく、厚生労働省が保障した薬剤、機材、培養液などもありません。 また、技術レベルだけではなく、治療方針、すなわち、考え方もさまざまです。 いわば、いろいろな流儀、いろいろな流派の 体外受精や顕微授精が施されているというのが現実なのです。
- 細川)
- であればこそ、高い技術を有するだけでなく、自分たちにあった先生や病院との出会いは、 益々、大切になってくるというわけですね。
- Dr.)
- そうです。医療についての正しい情報を得て、患者さんご自身で判断し、 その上で、どこで、どのような治療を受けるのか選択してほしいですね。
- 細川)
- それでは、どんな基準や目安で病院を選べばいいのか、 選ぶべきなのかについて教えていただければと思います。
- Dr.)
- そのために、まずは、体外受精とはどのような治療法なのか知っておく必要があります。 体外受精の一番の特徴は何でしょうか? それは、卵子を体外に採り出して、精子と受精させ、 3~5日間育てるということです。 要するに、受精や受精卵から胚への発育が、 "女性のお腹の中"でおこるのか、"クリニックの培養室の中"でおこるのか、 ここが、体外受精とタイミング法や人工授精などの一般不妊治療との最大の違いだということです。
- 細川)
- "女性のお腹の中"か、"培養室の中"かの違いということですね。
- Dr.)
- そうです。 ですから、体外受精において求められる技術とは、 質の良い卵子を、出来るだけストレスなく体外に取り出し、 女性の生殖器官内に近い環境で培養する技術なのです。 そして、それはとりもなおさず、体外受精の成功の鍵になるというわけです。 このことを理解すれば、 病院を選ぶポイントも自ずと見えてくるのではないでしょうか?
- 細川)
- 質の良い卵子を取り出す技術、そして、培養技術というわけですね。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方