ドクターにインタビュー
vol.08
【1】まずは、妊娠する力を取り戻すことから
出居 貞義 先生(大宮レディースクリニック院長)

【1】まずは、妊娠する力を取り戻すことから
- 細川)
- 出居先生のクリニック(大宮レディスクリニック)では、出来るだけ自然に近い妊娠を目指して、 まずは、妊娠する力を取り戻すために生活習慣や食生活の指導に力を入れておられますね。
- Dr.)
- はい。ここ数年、妊娠しやすさを検査(※)してみると、
年齢以上に卵巣機能が低下しておられる患者さんが、驚くほど多くなっています。
※FSH(卵胞刺激ホルモン)やAMH(アンチミューラリアンホルモン)の測定による。 - 細川)
- 実年齢以上に卵巣年齢が高くなっている方が多いと。
- Dr.)
- そうです。 女性の月経3日目のホルモン値が基準を満たす方は30人に1人くらいです。 また、卵巣年齢を知る目安となる、AMH(アンチミューラリアンホルモン)値も 9割の方が標準よりも低いのです。
- 細川)
- 9割ですか。
- Dr.)
- つまり、ほとんどの不妊患者さんは、東洋医学で言うところの「未病」の状態、 すなわち、妊孕性が下がっている状態だと言えるのです。
- 細川)
- 表面的には健康そのものでも、妊娠する力が低下している状態ということですね。
- Dr.)
- はい。そして、適切な治療法という観点から言えば、 もしも、ホルモン異常や卵管閉塞、男性不妊が原因であれば、 排卵誘発剤や人工授精、体外受精が大変有効です。 ところが、卵巣年齢が高くなってしまっている患者さんは、 本来持っている妊娠する力が低下しているわけですから、 そこが回復しなければ、いくら治療に励んでもなかなか妊娠しないわけです。
- 細川)
- まずは、妊娠する力を取り戻すことから始めるのが正しい順番だというわけですね。
- Dr.)
- そういうことです。
- 細川)
- ところで、なぜ、年齢以上に卵巣年齢が高い女性が増えているのでしょうか?
- Dr.)
- ストレスや睡眠不足などのライフスタイル、 また、たとえば、タバコや食品添加物、悪い油など、 私たちの生活を取り巻く環境的な要因から大量の活性酸素が発生します。 ただし、私たちの体内には、活性酸素の害を消去する仕組みが備わっているのですが、 そのレベル以上の活性酸素が発生すると、卵子の遺伝子を損傷し、 質の低下を招いているのではないかと考えられます。 また、このことは精子についても例外ではありません。
- 細川)
- 現代の社会に特有な食生活やライフスタイルが根本原因というわけですね。
- Dr.)
- そうです。ですから当院では、最先端の治療も行いますが、 まずは、食生活や生活習慣の改善をお願いし、 妊娠する力を取り戻すことから始めているというわけです。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方