ドクターにインタビュー
vol.08
【4】低たんぱく血症、低コレステロール血症、ビタミンB6、そして、亜鉛不足
出居 貞義 先生(大宮レディースクリニック院長)

【4】低たんぱく血症、低コレステロール血症、ビタミンB6、そして、亜鉛不足
- Dr.)
- 卵の細胞増殖に必須であるにもかかわらず、 不妊患者さんに不足しがちな栄養素は鉄だけではありません。 意外に思われるかもしれませんが、 低たんぱく血症、低コレステロール血症の患者さんが少なくありません。
- 細川)
- たんぱく質やコレステロールが不足している患者さんが多いと。
- Dr.)
- たんぱく質は、細胞の材料であり、さまざまな代謝を進める酵素の原料になり、 さらには、栄養素の運び屋でもあるわけですから、細胞増殖の根本で働いています。 また、コレステロールについては、世間では悪者扱いですが 女性ホルモンの材料でから生殖活動においてはとても重要です。
- 細川)
- いずれも細胞分裂、増殖のベースで重要な役割を担っているのですね。
- Dr.)
- 次は、ビタミンB6。 ビタミンB6は、消化吸収されたアミノ酸が必要なたんぱく質に再合成される際に必要な とても大切なビタミンなのです。 もしも、ビタミンB6が不足すると、酵素やたんぱく質が合成できないため代謝がうまくいかなくなりますので、 よい卵の発育が阻害されるおそれが出てくるわけです。
- 細川)
- これも根本の役割と言えますね。
- Dr.)
- とても重要な役割を担っているにもかかわらず、 精製食品や加工食品を食べることの多い現代では十分に摂りづらいビタミンです。
- 細川)
- なるほど。
- Dr.)
- そして、亜鉛ですね。 亜鉛は、男性にとっても、女性にとっても、生殖活動にとても重要なミネラルであることは、 比較的、よく知られていると思います。 細胞が分裂する時の核酸の代謝に関与しています。
- 細川)
- このミネラルも細胞の増殖に不可欠な役割を担っているわけですね。
- Dr.)
- はい。そして、エストロゲンやピルを服用したり、食事を摂ると亜鉛濃度は低下し、 反対に空腹時に上昇します。 飽食の時代と言われている現代には多くの方が亜鉛欠乏に陥り、 いつもお腹を空かせている発展途上国で多産であることは頷けるのではないでしょうか。
- 細川)
- とても興味深く、また、考えさせられるお話です。
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ドクターにインタビュー
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