ドクターにインタビュー
ストレスフリーの不妊治療を目指して 〜不妊治療を経験した女医だからこそ、わかること、言えること、できること
田村秀子 先生(田村秀子婦人科医院院長)
ドクターに訊く、今回のテーマは、不妊治療につきものと言われるストレスといかにつきあうかについてです。
不妊治療を受けている読者を対象としたアンケートによると、不妊治療の悩みの一番は、「精神的な苦痛」でした。不妊治療で感じる精神的な苦痛は、時として、大きなストレスになって、皮肉なことに、治療成績を低下させてしまいかねません。
一方、ストレスの原因は、一概には言えません。それこそ、患者さんの数だけあると言っても過言ではないでしょう。ただ、不妊治療の特殊なところが正しく理解されていなかったり、さまざまな誤解や思い込みが、不必要に悩みや心配を大きくしたりしているケースが少なくないようにも思います。それにもかかわらず、頑張って通院している方が少なくありません。
その原因として、不妊治療を始めるにあたって、どんな検査や治療を受けるのかについては、十分に説明されていても、現実に女性が感じる不安や悩み、苦痛を軽減するような情報や取り組みが不十分なところがあるのかもしれません。
そこで、自らも不妊治療を受けてお子さんを授かった経験をお持ちの不妊治療医でいらっしゃる、京都の田村秀子婦人科医院院長の田村秀子先生にストレスに負けない不妊治療という観点でお話をお伺いしました。
vol.09 インデックス
京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学院修了後京都第一赤十字病院勤務。平成3年、自ら治療し、妊娠13週での破水を乗り越えてできた双子の出産を機に、義父の経営する田村産婦人科医院に勤務して不妊部門を開設、平成7年 京都分院として田村秀子婦人科医院を開設。平成15年8月現地に発展移転。現在、自院、田村産婦人科医院、京都第二赤十字病院の3施設で不妊外来を担当。専門は、生殖内分泌学 医学博士。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
- 第25回 精索静脈瘤と男性不妊 〜精子の質を高めてパートナーの治療成績の改善を図る
- 第24回 子宮内膜症と不妊治療
- 第23回 納得のいく選択や決断のための“情報共有”について考える
- 第22回 老化促進物質AGEをターゲットにした不妊治療
- 第21回 不育症を正しく理解する~不妊症と不育症はひと続き
- 第20回 栄養と妊娠力
- 第19回 40代の不妊治療について考える
- 第18回 不妊治療の終結について考える
- 第17回 栄養と生殖機能の関連研究の第一人者に聞く
- 第15回 オーダーメイドの不妊治療とは?~あるべき不妊治療を考える
- 第14回 30代後半、40代からの不妊治療
- 第13回 不妊治療には、なぜ、“対話と物語”が大切なのか?
- 第12回 妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる
- 第11回 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
- 第10回 クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
- 第09回 ストレスフリーの不妊治療を目指して
- 第08回 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す
- 第07回 酸化ストレスと男性不妊
- 第06回 質のよい卵を育むための生活習慣
- 第05回 不妊治療でなかなかよい結果が得られないとき
- 第04回 体外受精の後悔しない病院選びについて
- 第03回 ちゃんと知っておきたい薬のこと
- 第02回 妊娠しやすい夫婦生活とは?
- 第01回 不妊予防という考え方