ドクターにインタビュー
vol.10
クラミジア感染症と不妊 ~検査と治療についての正しい知識
高橋敬一 先生(高橋ウイメンズクリニック院長)
【1】クラミジア感染症の症状について
感染してもあまり症状がでないのが特徴です
- 細川)
- クラミジア感染症にはどのような症状がでますか?
- Dr.)
- クラミジア感染症の一番の特徴は、あまり症状が出ないこと、また、出たとしても軽いことです。 症状としては、女性の場合は、おりものが増える、おりものの臭いが強くなる、下腹部痛など、また、男性の場合は、分泌物が増える、違和感などがあります。 ただし、いずれも軽いもので、感染しても、女性で80%、男性で50%は症状が出ない、無症状です。
- 細川)
- 感染してもわからないことが多いということですね。
- Dr.)
- そうです。そのことが感染拡大の原因となり、クラミジア感染症が性感染症の中でも最も多いと言われているゆえんです。 そのため、本人もクラミジアに感染しているという自覚がないまま、放置されることになるので、クラミジア菌が子宮頸管から子宮内膜、卵管、さらにはお腹の中へと広がり、その後遺症が不妊の原因になるのです。
- 細川)
- 症状がないことで治療の機会を逸してしまうわけですね。
- Dr.)
- そういうことです。これがこの病気のやっかいなところです。
- 細川)
- 予防できるのでしょうか?
- Dr.)
- クラミジアに限らず、性感染症の予防法としてはコンドームを使用することです。ただし、射精時だけではなく、挿入前からつけることが大切です。
----- この章のポイント -----
・クラミジア感染症は感染してもほとんどのケースは無症状である。
ドクターに訊く
ドクターにインタビュー
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