妊娠前からのカップルの健康状態は、妊娠しやすさだけでなく、妊娠後の胎児の成育、妊娠や出産の合併症のリスク、出生児の心身の健康、さらには、成人後の生活習慣病発症リスクにまで関連することが、最近の研究でわかってきました(1)。
そのため、プレコンセプションケア、すなわち、妊娠前からのカップルの体重や栄養状態の適切な管理がとても重要になってきます。
妊活カップルや不妊治療患者さんにとって、食事や生活習慣の改善は、「自分で出来ること」として高い関心を持っていますが、このインターネット時代、特に昨今のSNSの普及で、日々、多くの妊活情報に触れられるようになりました。
ところが、インターネット上の情報は玉石混交でもあり、なにが正しくて、なにが間違っているのか、判断が難しく、かえって混乱を招いてしまいかねない状況です。
また、不妊治療クリニックにおいてもプレコンセプションケアへの関心は高まっているものの、特に、患者さんへの適切な対応や情報提供は、まだまだ、十分とは言えません。
そんな中にあって、春木レディースクリニックでは、2014年7月から管理栄養士による栄養カウンセリングを開始され、これまで栄養に関するさまざまな相談に対して、専門家が個々の患者さんにきめ細かく対応されています。
その結果、患者さんの不妊治療に伴う不安や心配が軽減され、患者さんの治療環境の向上に寄与しています。
そこで、春木レディースクリニックの栄養カウンセリングは、実際、どのように行われているのか、栄養カウンセリングを担当されている管理栄養士の花田尚香さんにお話しをお伺いしました。
大学卒業後、管理栄養士資格取得、2018年7月 不妊カウンセラー資格取得、2021年2月、公認心理師資格取得(2021年3月登録)。
化粧品会社、食品会社、保育所栄養士などを経て、春木レディースクリニックに入職。栄養カウンセリングを行うかたわら、特定保健指導における生活習慣病の予防、専門学校での栄養士・調理師の育成にも関わり、広い分野で活躍している。また、調理師、保育士、社会福祉士、FP技能士などの資格ももち、人の一生を通じた健康のアドバイザーとなれるよう日々自己研鑽を続けている。