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□■□■□ 2003年09月27日発行
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□■□ ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
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◇ 《毎週土曜日配信》 VOL.004
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http://www.nature-g.com
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》》》》》》》「自然療法による不妊改善」が、テーマです《《《《《《《
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受精→着床→妊娠はとても複雑な過程をたどります。このプロセスのどこ
かがうまくいかなくなると、なかなか妊娠出来ません。不妊症になるおそれ
があります。
まずはこの状態を病気と捉えずに、たまたま、うまくいかないところを自
然な療法によって、本来、私たちに備わっている生殖能力を取り戻すことに
チャレンジすることを、私たちは応援させて頂きたいと考えています。
皆さんからのご感想、ご意見、または不妊改善に関するご相談や体験談等
をお寄せ下さい。お待ちしています。下記メールアドレス宛にお送り下さい。
◆メールアドレス:info@nature-g.com
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皆さん、今晩は。いつもご購読ありがとうございます。また、この号から
購読を始められた方、数あるメールマガジンの中から当マガジンを選んで頂
いて感謝いたします。よろしくお願いいたします。
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「妊娠する力」を左右するもの
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現在人は、ほんの100年前には存在しなかったさまざまな化学物質に囲
まれて生活しています。見方を変えると、私たちは日々さまざな化学物質汚
染の攻撃にさらされて生活していると言えます。
日頃食べている加工食品には、防腐剤や着色料等の添加物、野菜や果物に
は残留農薬やワックス、肉類には抗生物質、魚には水銀やダイキシン等に汚
染されています。日常の生活空間では、住宅の建材から発生する揮発性化学
物質や殺虫剤、洗剤、ダニ等と常に接触しています。戸外では、排気ガスや
工場からの煤煙、公園や公共施設で散布されている農薬や殺虫剤等にさらさ
れています。まさに数え挙げればきりがない状態です。
これらの化学物質による汚染が不妊症の原因なのでしょうか?断定は出来
ないが、状況証拠が揃い、限りなくクロに近い灰色、と言えるのではないで
しょうか。特定の化学物質が不妊症の原因になっているかを調査しようにも、
人体実験が不可能なこと、原因と結果の現象が起こるタイムラグが長期間に
渡ること等の理由から、実証することが出来ませんが、机上の論理ではクロ
です。
妊娠力を高めるために、そして、将来生まれ来る子供の生きる未来のため
にも生活環境の中の危険因子に関する最低限の知識や正しい認識をもって、
自己防衛に努めましょう。
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妊娠力を左右するもの 《その3》 生活環境中の化学物質
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環境ホルモン、遺伝子組み換え食品、家庭内化学物質など。普段の生活で、
職場で、日常で知らず知らずの内に、摂取、摂取している汚染化学物質です。
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環境ホルモン
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そもそも環境ホルモン等の化学物質が生殖機能に多大な影響を及ぼすこと
が発覚したのは、野生動物の生殖異常の実態が明らかになったからです。環
境ホルモンという名前やその生き物への影響の恐ろしさを世に知らしめるこ
とになったのは、かのレイチェル・カーソンの「沈黙の春」やコルボーン博
士らの「奪われし未来」等の本による告発からでした。
「奪われし未来」では、例えば、アメリカはフロリダのアポプカ湖で19
80年に湖岸の化学会社で殺虫剤の流出事故があって以来、水質検査で問題
のないレベルまで水質が元通りになってからも、わにのメスが産んだ卵の約
8割が孵化せずに死滅し、孵化した子供の内の半数が生後10ほどで死んで
しまい、オスの方はと言えば、約6割のペニスが異常に萎縮しているという
驚くべき調査結果が報告されています。
フロリダのわにの事例にとどまらず、90年代に入って世界中のあちこち
で、生殖に関する異常現象が起きているようです。雌雄同体化した魚、メス
同士でつがいをするカモメ、子を産まなくなったミンク等。日本でも多摩川
のコイには精巣異常、雌雄同体化が観察されているようです。
人間の場合は、世界各国で、ヒトの精子数の減少が報告されています。帝
京大学医学部のチームの報告では、成人男子34人の精液検査でWHOの基
準を満たしていたのはたった1人にすぎなかったそうです。また、停留精巣、
精巣がん、子宮筋腫、子宮内膜症等が急増しています。
どうもこれらの生殖機能異変の原因が環境ホルモンではないか、という見
解が世界の科学者の間で指摘されつつあるのです。
環境ホルモンとは、生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質のことで、
簡単に言いますと、環境中に放出された化学物質が、体の中に入り、人間が
持つホルモンと同じような働きをしたり、ホルモンの働きのじゃまをしたり
するものです。約72種類の化学物質があると言われています。ところが、
私たちの身の回りには数万種類の化学物質が存在しています。たまたまホル
モン撹乱作用が確認されたと報告されているものが70数種類であると言え
ます。今後さらに追加されていくでしょう。以下はその一部で代表的なもの
です。
●日常の生活用品(合成洗剤や塗料、化粧品、プラスティック添加物)
アルキルフェノール類やビフェノール化合物の一部、フタル酸化合物等
●ダイオキシン
●農薬(除草剤、殺虫剤)
DDT、エンドサルフィン、メトキシクロル、ヘプラクロル、トキサフェ
ン、ディエルドリン、リンデン等
●医薬品(合成ホルモン)
DES、エチニルエストラジオール(経口避妊薬)
私たちの身近なところでは、プラスティック容器やラップで包んだ食品を
電子レンジで加熱した場合、ビスフェノールAという化学物質が溶け出し、
体内で女性ホルモン様の働きをする内分泌かく乱物質とも呼ばれます。
環境ホルモンとされている化学物質の中には、PCBやDDTなどのよう
に既に製造禁止になっているものもありますが、いまだに食品中から相当濃
度検出されています。そして、ビスフェノールAやフタル酸化合物など日常
の生活用品の中に多用されているものもあります。また、ダイオキシン類の
ほとんどは、食物を通して身体に入ってくると言われています。
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環境ホルモンをどのように考えるべきか
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海洋汚染とは無縁な北極海のアザラシの体内から環境ホルモンが検出され
たり、50メートルプールに目薬を1滴たらした程度の濃度でもホルモン撹
乱作用を起こすに充分なほど微量で作用することなどを思うと環境ホルモン
問題の途方もない大きさに気が遠くなるような感覚に捕われます。
ところが、環境ホルモンについては未だ研究途上というところが多いもの
の、男性の精子減少の原因の最有力候補であり、女性の子宮内膜症や子宮筋
腫、乳ガンの増加においても環境ホルモンが原因ではという疑いが年々強く
なっています。
であれば、後悔しないためにも、私たちで実行できる防衛策を実行してい
くべきではないでしょうか。
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実行可能な環境ホルモン防衛策
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◎有機農産物、食品を選択する----------------------------------------
デンマークの研究では食べ物の25%以上を有機食品にしている男性は、
1ml中の精子数が約1億、普通の食品を食べている人は6千万しかなかっ
たという報告があります。本物の有機産物を食べることは化学物質の摂取を
避ける最も有効な方法です。
◎安全な食器を使う--------------------------------------------------
プラスティック製の食器はほとんどが環境ホルモンのビスフェノールAを
原料とするボリカーボネート製です。熱湯や油脂を入れるとビスフェノール
Aが溶け出します。ガラスや陶磁器、漆器、天然木に漆やみつろう等で加工
した箸など安全な食器を使いましょう。
◎塩ビ製品を使わない------------------------------------------------
塩ビ製の玩具などからも環境ホルモン作用やフタル酸化合物が溶け出しま
す。プラスチックなら不安のないポリエステル製にしましょう。
◎スチロール製のカップやコップもやめる------------------------------
発砲スチロールの原料のスチレンには、発ガン性と環境ホルモン作用があ
り、熱湯などを入れると容易に溶け出します。アウトドアやイベントでもス
チロール製のカップやコップややめましょう。
◎化粧品は本物の無添加、自然化粧品を使う----------------------------
一般の化粧品には、ブチルヒドロキシアニソール(酸化防止剤)、アルキ
ルフェノール(界面活性剤)などが使われています。いずれも環境ホルモン
作用だあります。また、成分を公開していない「自然派」化粧品や、表示義
務のある成分は使っていないだけの「無添加」化粧品が多くあります。偽物
の自然派、無添加化粧品には注意しましょう。
◎魚の料理法--------------------------------------------------------
うろこ、えら、内臓は取り除く。頭も切り取る。海の魚は塩水で、淡水魚
は水でよく洗います。仕上に熱湯をかけたり、湯をくぐらせたりして、化学
物質を取り除きましょう。あと、魚介類の種類と産地にこだわりたいもので
す。遠い海にいるサンマ、マグロ、カツオ、脂肪の少ないイカやタコ、エビ
などは比較的汚染が少ないようです。
◎肉、卵、乳製品----------------------------------------------------
ダイオキシン類は脂肪にたまり易いので、なるべく脂肪を取り除きましょ
う。下ゆでをして脂を出してから調理します。また、内臓の常食は避けた方
がよさそうです。
また、調理による除去にも限界がありますので、必要以上に肉や魚を食べ
過ぎないことの方が大切かも知れません。
◎食物繊維を多くとる------------------------------------------------
食物繊維を含む食品は、大腸がんや動脈硬化の予防んいつながると言われ
ていますが、ダイオキシンなどを体外に排出するはたらきもあります。
体内に蓄積されているダイオキシン類は、少量ずつだが肝臓で代謝されて
腸に排出されています。ところが、再び、小腸から吸収されて体内に戻って
しまうという繰り返しが行われているのです。ところが、小腸で食物繊維と
出合うと、ダイオキシンは食物繊維に吸着され、便として体外に排出されま
す。
また、ビタミン、ミネラル等の栄養素を充分に摂取することで、本来、体
に備わっている添加物や化学物質などの不要な物質を解毒、排出する働きを
助けます。
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遺伝子組換食品
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遺伝子組み換え食品については、拡がりに反対する世論が徐々に盛上がっ
ているようです。遺伝子組み換え食品の生殖機能への悪影響は、まずは昆虫
からあらわれています。遺伝子組み換えじゃがいもの葉を食べるアリマキを
えさにするテントウムシはほとんど卵を産まなくなると報告されています。
自然に対しての人為的な操作は思わぬ結果をもたらすようです。
対策としては、食品や食材を購入する際に食品のラベルに注意するしかあ
りません。これも生産者の顔の見える有機作物を食べていれば全く心配には
及びませんが、全てという訳にはいかないでしょう。
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家の中の化学物質
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本来、我が家は最も安全で落ち着ける場所であるはずです。ところがシッ
クハウス症候群という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。住宅
の新築や改装工事後、住宅建材から室内に発生する揮発性化学物質やダニア
レルゲンが原因で体調不良や健康障害を引き起こす事です。まだ病気として
の定義やメカニズム、治療法も解明、確立されていないようです。
アメリカで1991年に発表された研究では、原因不明の不妊症や不育症
に何年も悩まされる女性の住まいを調査したちころ、カーペットや皮製装飾
品、木材保存剤からどこにでもある2つの化学物質が高濃度で検出される傾
向があるとの報告がなされています(1)。
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参考論文
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(1)Gerhard, I.,et al."Prolonged exposure to wood preservative
induces endocrine and immunologic disorders in women",American
Journal of Obstetrics and Gynecology, vol.165(2)(1991):487-8
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読者からのメール予告
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次号から誌上カウンセリングをスタートいたします。実は、膨大なご相談
のメールを頂いております。その中で皆さんにもご参考にしてもらえるよう
なテーマの問答を許可を頂いてご紹介していきます。
頂いたメールに関しては、ほとんどのメールに対して直ぐにお返事が書け
ない状態です。お許し下さい。ただ、時間はかかっても必ず返信するように
しています。皆さんに率直なご意見やご要望が今後のメルマガの編集にとて
も助かります。よりお役に立てるメルマガを目指していますので、どしどし
お寄せ下さい。お待ちしています。
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▼編集後記▼
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さまざまな化学物質汚染に関しては、環境問題と相俟って今後も大変な問
題です。これらの化学物質の不妊への影響は、本文でもお話しましたが、確
定的ではありません。ところが、盛んに嫌疑がかけられているのです。ここ
は疑わしきは排除する、ということでしょう。
目出たく妊娠されてからもこの問題は深刻です。妊娠中にこれら化学物質
が体内に入ると容易に胎児に侵入してしまいます。その影響は測り知れませ
ん。いつどんな形で影響があらわれるか、誰にも分かりません。
最後までお読み頂いてありがとうございました。皆さんのご健康と幸運を
お祈りしています。
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妊娠しやすいカラダづくり LCN [Life Care News] No.004
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【発行】 株式会社ライフケアマネージメント
【編集】 細川忠宏
【監修】 荻田浩司(内科医・医学博士)
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