メルマガ

VOL.096 アレルギーと不妊の関係とは?

2005年03月19日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■□■□                    2005年3月19日発行  
◆◇◆◇◆
□■□■□     ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
◇◆◇◆◇        《毎週土曜日配信》
■□■□■                        VOL.096
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは。
"妊娠しやすいカラダづくり"メールマガジン版です。
いつもお読み下さってありがとうございます。

今週の更新情報は以下の通りです。

--------------------------------------------------------------------
            ★今週の更新情報★
  http://www.akanbou.com
--------------------------------------------------------------------
2005年3月19日 最新ニュース
ダイエット薬がPCOSに効果的
http://www.akanbou.com/news/news.031901.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月18日 Q&A
今の治療をこのまま続けるのが不安
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005031801.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月17日 妊娠報告
マカを、一度は試してみるべき
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2005031701.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月17日 リンク追加
「鍼灸院陽和堂」
http://www.akanbou.com/link/main.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月16日 最新ニュース
初期であれば子宮ガン治療後に妊娠も可能
http://www.akanbou.com/news/news.031601.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月15日 Q&A
不妊原因と自覚症状
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005031501.html
--------------------------------------------------------------------
2005年3月14日 Q&A
片頭痛と不妊、薬の関係は?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005031401.html
--------------------------------------------------------------------

陽和堂(ひよりどう)さんは、大阪市北区の鍼灸院です。
http://www.eonet.ne.jp/%7Ehiyorido/index.htm

鍼灸による妊娠しやすいカラダづくりに取り組んでおられます。

カラダづくりという観点からも効果的なのですが、
例えば、体外受精と併用した場合に、治療の成功率が上昇することも、
ヨーロッパで報告されたりしています。

妊娠のためでなくて、
妊娠中に起こりやすい不快な症状で、
産婦人科でも対応しきれないようなことでも、
鍼灸が効果的なことがあるようです。

ちょうど、3月17日に報道されていましたが、
http://today.reuters.com/news/newsArticle.aspx?type=healthNews&storyID=2005-03-18T000344Z_01_N17491052_RTRIDST_0_HEALTH-HEALTH-PREGNANCY-DC.XML

妊娠中、腰痛、それもお尻の方や恥骨等などが痛むことがよくあります。
それは、胎盤から分泌される大量のホルモンが、
骨盤内の筋肉やじん帯に影響を与えることで起こるそうなのです。
通常は、治療というよりもベルトをする程度なのだそうですが、
スウェーデンの大学で実施された386名の妊婦を対象とした試験では、
鍼灸と運動が他のどんな治療よりも痛みが改善されたとのことです。

19日の最新ニュースでも、
PCOが、ダイエット薬で改善されたという報告があり、
たとえ、生殖器官の問題であっても、
カラダ全体をみることが大切であることがよく分かります。

さて、くるぞ、くるぞと盛んに脅かされていた"花粉症"ですが、
ここ数日、本格的に飛散しているようです。

とにかく、やっかいな花粉症ですが、
なんと!不妊症との関係も取り沙汰されています。


━[TOPICS]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      花粉症の季節にアレルギーと不妊の関係を考える

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原因が今、ひとつ、はっきりしない、
近年、増加傾向にあって、
いまや、多く見積って月経のある女性の10人に1人にみられ、
程度によっては、不妊の原因にもなっている・・・、
そうです、子宮内膜症です。

なんと、この子宮内膜症が、
アレルギー反応で発生している可能性が高いと言われているのです。

2003年に日本産婦人科学会で発表されたのですが、
子宮内膜症の発症にアレルギー反応が関与している可能性を、
動物実験によって確かめたり、
子宮内膜症の組織内ではアレルギー反応にかかわる"肥満細胞"が、
異常に多いことを発見してのことです。

そして、実際に、アレルギーを抑える薬で、
内膜症の症状が緩和されることを確認しています。
さらには、子宮内膜症の人には、
花粉症やぜんそくなどのアレルギ−疾患を併せ持つ人が多いのだそうです。

アレルギー反応ということであれば、
女性であれば、誰でも毎月やってくる月経なのに、
要するに条件は同じなのにもかかわらず、子宮内膜症になる人もいれば、
ならない人もいることの説明もつきそうです。

----------------------------
子宮内膜症の根治療法の可能性
----------------------------
子宮内膜症のやっかいなことの一つには、
薬で生理を止めて進行を抑えたり、
内視鏡手術で病変を取り除いた場合でも、
その後、再発してしまう可能性が大変高いことが挙げられます。

要するに、いずれの治療も"対症療法"だからです。

ですから、明確に、子宮内膜症が不妊の原因になっている場合の不妊治療は、
その程度にも、もちろん、よりますが、
体外受精に頼らざるを得ないのが現状です。

ところが、子宮内膜症がアレルギー反応によるものであれば、
"根本的に"発症しにくくする対策が可能になります。

根本的な対策が、上手くいけば、自然妊娠できる可能性が高まったり、
体外受精の成功率が向上することが期待出来ます。

------------------------------------
アレルギー反応への根治対策は、"食"
------------------------------------
ところで、花粉症は、
スギ花粉がカラダに入ることで起こるカラダの免疫反応の結果、
起こる症状です。

ここで、注目しなければならないのは、
誰に対しても、同じように、スギ花粉がカラダに入っても、
症状の出る人と出ない人がいる、
また、症状が出る人にも軽度の人と重度の人がいる、という事実です。

女性であれば、毎月、生理があるのに、
子宮内膜症が発症する人と発症しない人がいる、
また、症状が出る人にも軽度の人と重度の人がいるのと全く同じです。

この違いが、一般に言うところの"体質"、
いわゆる、"アレルギー体質"なのですが、
この体質の違いは、遺伝的なもので、
どうにもならないものなのでしょうか?

全て、遺伝によるものであれば、
話しはここで終わらざるを得ないのですが、
決して、遺伝によるものだけではなく、
後天的なものも大きいのです!

そして、この体質を転換することはある程度までは可能です。

でなければ、子宮内膜症や花粉症、要するに、アレルギーの症状が、
環境の変化によって、急に発症し出すとか、
住む場所が変われば症状が出なくなるということは説明がつきません。

それでは、何が、私たちをアレルギー体質にさせるのでしょうか?

もちろん、複合的で、犯人を一つに特定することは不可能ですが、
大きく影響を及すのは、食事です。

具体的には、"脂肪の摂取バランス"と、
"野菜の摂取量"にあると考えられます。

----------------------------------------
アレルギー症状が発症するメカニズムとは?
----------------------------------------
花粉症の起こる仕組みをごくごく、簡単に知ることで、
アレルギ−反応の大まかなメカニズムをつかんでみることにしましょう。

・花粉がカラダの中に入る。
      ↓
・抗体が作られる。
      ↓
・抗体が鼻の粘膜の"肥満細胞"にくっつく。
      ↓
・ヒスタミンが"肥満細胞"から出る。
      ↓
・ヒスタミンが神経や血管に作用して症状が発症する。

発症するかしないか、また、症状の程度は、
花粉に対してのカラダの反応度合い、
敏感度の違いによるものと考えられます。

------------------------------------
犯人は、"エイコサノイド"のバランス
------------------------------------
この違いの原因の一つとして考えられるのが、
エイコサノイドという物質なのです。

エイコサノイドというのは、いわば、ホルモンのような働きをする物質で、
カラダの色々な働きを調節するという作用をもっています。
例えば、免疫力を強めたり、弱めたり、
炎症反応を強めたり、鎮めたり、
要するに、アレルギー反応を強めたり、弱めたり調節するのです。

それでは、どのようにそれらの働きを調節しているのでしょうか?

実は、このエイコサノイド、いろいろな種類があって、
それら、一つ一つが違った働きをします。
簡単に言いますと、アレルギー反応を強めるエイコサノイドもあれば、
アレルギー反応を弱めるエイコサノイドもあって、
カラダの中にどちらのエイコサノイドの量が多いかによって、
体質が決まるのです。

ですから、一方のエイコサノイドの量が多い、
要するに、エイコサノイドのバランスが悪いと、
調節がうまくいかなくなって、
量の多いエイコサノイドの働きばかりが、
カラダに出るようになるということになってしまうのです。

いかがでしょうか?

花粉症の人は、アレルギー反応を強めるエイコサノイドの量が多過ぎ、
アレルギー反応を弱めるエイコサノイドの量が少な過ぎるのです。

子宮内膜症や花粉症の発症の根本原因は、
遺伝もありますが、
体のエイコサノイドのバランスが悪いことも大きな要因になっているのです。

--------------------------------------------
エイコサノイドのバランスは脂肪の摂取バランス
--------------------------------------------
いよいよ、本丸に攻め入ります。

アレルギー反応を根本的に改善するためのは、
エイコサノイドのバランスを整えれば良いのです。

このエイコサノイドのバランスは、
遺伝によって決まっている訳でなくて、
どんなものを食べているか、によって決まるのです。

もっと、詳しく言えば、
どんな種類の"脂肪"を食べているかによって、
エイコサノイドのバランスが決定しているのです。

なぜなら、エイコサノイドの材料は脂肪酸だからです。
食事から摂取したさまざまな脂肪酸が体内で代謝して、
さまざまなエイコサノイドになるのです。

つまり、体内のエイコサノイドの比率バランスは、
その材料になる脂肪酸の摂取バランスとイコールなのです。

--------------------------------------------
どんな脂肪酸がどんなエイコサノイドを作るのか
--------------------------------------------
それでは、どんな脂肪酸が、どんなエイコサノイドの材料となるのか、
大雑把ですが、みてみましょう。

★アレルギー症状を強めるエイコサノイドの代謝経路

オメガ6系リノール酸  
(サラダ油、紅花油など)

    ↓

アラキドン酸

    ↓

プロスタグランジンG1・H2
ロイコトリエンB4・C4・D4・E4

    ↓

アレルギー症状を強める

★アレルギー症状を抑えるエイコサノイドの代謝経路

オメガ3系リノレン酸
(亜麻油油、シソ油など)

    ↓

エイコサペタエン酸

    ↓

プロスタグランジンG1・H3
ロイコトリエンB5・C5

--------------------------------------------
アレルギー症状を改善する脂肪酸の取り方とは?
--------------------------------------------
かなり、明確になってきましたね。

オメガ6系の油をとり過ぎて、
オメガ3系の油が少ない人が、アレルギー体質になりやすいのです。
要するに、アレルギーの症状が出やすい人ということが出来ます。

★"バランス"が命

オメガ6系のリノール酸には、
ポテトチップス、クッキー、ケーキ等のスナックや洋菓子類、
マーガリン、ドレッシング等の油脂系調味料類、
ミルク、卵、肉類、
そして、ファーストフード、揚げ物等の料理です。
リノール酸の代表的な油は、サフラワー油、菜種油、コーン油です。

反対にオメガ3系のリノレン酸には、
亜麻仁油、シソ油、えごま油、
魚介類、海藻類、大豆や大豆加工食品(豆腐、納豆等)、
野菜(根菜類、冬野菜)、ナッツ類、精製していない穀物類等です。

気を付けないといけないのは、
オメガ6系が全てダメで、
全て、オメガ3系にしなければならないという訳ではなく、
"バランス"が重要です。

現代人の特徴として、
オメガ6系を取り過ぎていて、
オメガ3系が不足しているのが問題なのです。

-------------------
ヒスタミンを抑える
-------------------
これまでのお話は、
カラダの側のアレルギーの発症度合いにスポットを当てました。

今度は、アレルギーを発症させる側にスポットを当ててみます。
「アレルギー症状が発症するメカニズムとは?」のところを、
もう一度、ご覧下さい。

そうです、"ヒスタミン"という物質です。

このヒスタミンを抑える働きをしてくれるのが、
ポリフェノールとよばれる植物性化学物質なのです。

こっちは単純です。

ポリフェノールにはさまざまな種類があるのですが、
花粉症対策で活躍している"甜茶"や"シソ"にも多く含まれます。

そして、多くの種類のポリフェノールを効率的に摂取する方法は、
とにかく、いろいろな種類の野菜を食べることに尽きます。

--------------------------------------------------
子宮内膜症や花粉症の症状をできるだけ軽くするために
--------------------------------------------------
まとめます。

肉やファーストフード、加工食品、
スナック菓子やマーガリン等を取り過ぎないこと、
青魚や海藻類、大豆、玄米や胚芽米等の無精製の穀物、
亜麻仁油を積極的にとること。

そして、毎日、いろいろな種類の野菜をたくさん食べることです。

私たちが、毎日食べているものこそが、
私たちのカラダを構成しているものです。

もっと言いますと、食べているものしか、
カラダを構成するものになりません。

何をどう食べるかによって、
例えば、アレルギーが出やすくもなり、
出にくくもなるのです。

本当に、単純な理屈ですね。

-----[PR]---------------------------------------------------------

★オメガ3系の代表的なオイル"亜麻仁油"

毎日、ドレッシングに使うか、飲んで下さい。
http://www.nature-g.com/shohin/flora/01.html

カプセルタイプはサプリメント的に。
http://www.nature-g.com/shohin/flora/02.html

-----[PR]---------------------------------------------------------

★妊娠を意識している方の花粉症対策

薬が飲めない方に、
一石二鳥(花粉症を抑え、母乳の出が良くなる)のハーブです。

■ネトル(イラクサ)
http://www.nature-g.com/shohin/eclectic/02.html

●使い方

花粉症対策に使用する場合は、3カプセル程度を飲んでみて下さい。
症状を2〜3時間の間、軽減させることが出来ます。

効き方は、個人差がありますので、
まずはお試し下さい。
数分から20分くらいで効果が実感出来るはずです。

効果が薄れてきたら、また、飲んで下さい。

花粉症のお薬(抗ヒスタミン剤)などは、
飲み過ぎると重大な危険を及す場合があったり、
妊娠を意識した方にはお勧めできません。

ネトルは、抗ヒスタミン剤のように眠くなったり、
だるくなったりしません。
また、妊娠中でも安全で、大丈夫です。
むしろ、鉄分等のミネラルが豊富で、
母乳の出が良くなる等の恩恵を受けることが出来ます。

--------------------------------------------------------------------
●上記の亜麻仁油やネトルに関するお問合せはメールにて、
info@nature-g.com

━[Q&A]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       
   Q&A  皆さんからのご質問やご相談をお寄せ下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★Q&Aトップ
http://www.akanbou.com/qa/main.html
★ご質問・ご相談専用フォーム
http://www.akanbou.com/qa/form.html

━[妊娠報告]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
      読者の皆さんからの妊娠報告をお待ちしています!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★妊娠報告トップ
http://www.akanbou.com/houhoku/main.html
★妊娠報告専用フォーム
http://www.akanbou.com/houhoku/form.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今週は、花粉症が本格化してきたこの時期だからこそのテーマです。

イタリアの研究で、野菜や果物を多く食べる女性には、
子宮内膜症が少なく、
食事に肉の割合が多い女性は、
子宮内膜症になりやすいと報告されており、
今回のお話を裏付けています。

花粉症が猛威を奮うこの季節に、
食生活を見直しましょう。
でないと、のど元過ぎればなんとやら、になりかねません。

--------------------------------------------------------------------
★「妊娠しやすいカラダづくり」のバックナンバーはこちらから
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
====================================================================
妊娠しやすいカラダづくり No.096
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎ご意見、ご希望は下記メールアドレス宛にお願いいたします。
info@akanbou.com
--------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。配信の停止は下記のページから手続き下さい。
http://www.mag2.com/m/0000116311.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【編 集】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━