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VOL.108 基礎体温で何がわかる?

2005年06月11日

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           妊娠しやすいカラダづくり 
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 2005/6/11 #108  
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関する様々な情報を、出来る限り客観的な視点で提供します。
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みなさん、こんにちは。
いつもお読み下さってありがとうございます。

最新ニュースでご紹介していますが、
オーストラリアで実施された動物学者による試験結果には、
驚かされました。

2人の男性と女性のポルノを見た男性の方が、
女性だけのポルノを見た男性よりも、
より元気な精子を射出したというのです。
http://www.akanbou.com/news/news.061101.html

動物には、他の雄の精子との競争に勝とうとする本能が、
プログラムされているそうで、
今回の試験結果は、その本能が人間にも備わっていることを、
示唆するものだそうです。

そう言えば、有名な「精子戦争」という本を書いたイギリスの進化生物学者、
ロビン・ベイカー博士が、その著書で書いていたことを思い出しました。

それは、「女性の体が二人以上の男性から精子をとりこむと、
それぞれの精子たちは卵子を受精させるという"手柄"を競って闘う。
戦闘の様相は、まさに実戦さながらだ。」とあります。

ただ、動物ならまだしも、人間の場合には、
自分の奥さんが、自分以外の男性の精子をとりこむことは、
まずは、有り得ません。

ところが!、です。

本能にプログラムされた精子のメカニズムが、
働いてると思われるケースがあるというのです。

それは、前回の性交渉以降、
性的パートナーと一緒に過ごした時間が少ない時ほど、
男性はより妊娠させやすいような質の高い精子を放出するというのです。

お分かりでしょうか?

解説しますと、一緒に過ごした時間が少ないほど、
パートナーが不倫をしている可能性が高くなるので、
不倫相手の精子に打ち勝つように、
そんな時ほど、質の高い精子を射出するということです。
もちろん、無意識に、です。

いかがでしょうか?

妊娠を希望されるカップルには、
いつも、仲良く!なんて、お話ししてきた訳ですか、
いわゆる、生物学的な見地から言いますと、
出張等で、しばらく家をあけてから、
少し、奥さんを疑いながら(スミマセン!)、
頑張ってみるのも、もしかしたら、良い結果を招くかもしれませんね。

そんなニュースも含めて今週は毎日更新でした。


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            ★今週の更新情報★
  http://www.akanbou.com
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2005年6月11日 最新ニュース
ライバルの存在が精子を元気にする
http://www.akanbou.com/news/news.061101.html
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2005年6月10日 最新ニュース
双子の姉妹から卵巣提供受け出産
http://www.akanbou.com/news/news.061001.html
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2005年6月9日 最新ニュース
体外受精の出生児は背が高い
http://www.akanbou.com/news/news.060902.html
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2005年6月9日 最新ニュース
妊婦ダイエット、子は肥満
http://www.akanbou.com/news/news.060901.html
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2005年6月8日 妊娠報告
3回目のICSIで
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2005060801.html
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2005年6月7日 Q&A
不妊治療を受けるべきか迷っています。
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005060701.html
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2005年6月6日 Q&A
二人目不妊でしょうか?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005060601.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


━[妊カラベーシック]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       基 礎 体 温 表 に つ い て 

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今週は、"基礎体温表"について、です。

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排卵があるのかどうか、それが大問題だ
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子供を望んでいるにもかかわらず、なかなか、妊娠しないとなると、
確率の問題なのか、それとも、何か問題があるのか、
まずは、このどちらなのかが気になるところです。

確率の問題というのは、
どこも問題はないのだけれども、
たまたま、それまで妊娠しなかっただけということ。
なにせ、何の問題のないカップルでも、
1周期当たりの妊娠率は20数%なのですから、
十分にあり得る話ではあります。

ところが、どこか問題があって、
妊娠出来ないのであれば、
そのうちに妊娠するさ、なんて悠長なことは言ってられません。

畑に種がまかれていないのに、
毎日、水や肥料をやって、
芽が出るのを今か今かと待つなんて、滑稽なものです。

そうです、まずは、"排卵"があるのかどうか、
それが大問題なのです。

そして、それを確かめることから、
不妊検査が始まるのです。

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基礎体温表で排卵の有無が、ほぼわかる、これが重要だ
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基礎体温を毎朝計って、基礎体温表をつけることで、
排卵の有無が、"ほぼ"分かるのです。

このことは、実はとっても重要なことです。
なぜなら、排卵は、妊娠の"絶対条件"なのですが、
そのプロセスは卵巣で進行するもので、
目で直接、確認出来るものではないからです。

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基礎体温表は、自分で出来る不妊検査
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生殖サイクルに伴って起こる生殖ホルモンの分泌や、
卵巣の働き、子宮の変化を、
少し、詳しくなってしまいますが、理解しておくのが良いと思います。

女性の正常な生殖周期というのは、
以下の卵胞期、排卵、黄体期、月経の4つのステージが繰り返されます。

【卵胞期=低温期】

月経終了後、脳の視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用で、
脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣をめがけて分泌され、
卵巣にある原始卵胞が、その作用によって、大きく育ち、成熟します。

大きくなった卵胞からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌を始め、
それによって、子宮内膜が厚くなっていきます。

【排 卵】

卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌がピークになることによって、
脳下垂体から、もう一つの性腺刺激ホルモンである、
黄体形成ホルモン(LH)の急速な分泌を促し、
成熟した卵胞から卵子が放出されます。
これが、"排卵"です。
放出された卵子は、卵管采によってキャッチされ、卵管に入ります。

【黄体期=高温期】

黄体形成ホルモン(LH)は、
また、卵子を放出した後の卵胞を、黄体へと変化させ、
黄体からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と供に、
大量の黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。
黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くすることで、着床環境を整えます。
この黄体ホルモンは、また、脳に働き、体温を上昇させます。

【月 経】

受精卵の着床が起きなかった場合は、
黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌は急減し、
血液の供給が止まり、子宮内膜ははがれ落ちます。
月経です。
基礎体温は低温になります。

生殖サイクルの中での生殖ホルモンの分泌状況や卵巣の働き、子宮の変化は、
だいたい、基礎体温に反映されます。

ですから、基礎体温表は、生殖機能が正常に働いているかどうかを、
おおざっぱではありますが、モニターすることが出来るわけです。

基礎体温は、自分でできる不妊検査と言えます。

ただし、あくまでも大雑把ですし、
例えば、排卵をほぼ確認出来たとしても、
放出された卵子が卵管采から卵管に取り込まれたかどうかまでは、
基礎体温表からは確かめようがありません。

具体的なチェックポイントを挙げていきましょう。

★基礎体温が二相性を示せば、ほぼ排卵があると考えて良い。

月経が始まってから約2週間低温が続き、
その後、約2週間ほど高温が続いたあと体温が下がり、
また、月経が始まるのを"二相性"を示していると言います。

ホルモンバランスが良い状態です。

このように基礎体温が二相に分かれている場合は、
排卵していると考えれます。

これは、排卵後に分泌される黄体ホルモンに、
体温上昇作用があるためです。

★おおよその排卵日の予測ができる。

基礎体温の低温期の最後に体温が下がる日があれば、
その前日から高温期の初日にかけてのどれかが、
排卵日であると考えられています。

人によっては、低温期の最後に体温が下がらない人もいますし、
すぐに高温期に移行する人もいれば、
何日かかかって移行する人もいますので、
排卵日を正確に特定することは出来ません。

あくまでも、"おおよそ"の予測でしかないことを理解下さい。

★低温相のみのパターンは排卵がない。

基礎体温が低温期のみということは、
体温を上昇させる黄体ホルモン(プロゲステロン)が、
分泌されていないということですから、
排卵がおこっていないと考えなくてはなりません。

★ダラダラと低温期から高温期に移行する場合は排卵日が特定出来ない。

低温期から高温期への移行にメリハリがなく、
ゆっくりと上昇しているようなケースでも、
排卵が起こっているもの考えられますが、
排卵日の特定が出来ません。

黄体機能不全の可能性もあります。

★低温相が長い場合でも排卵が起こっているが回数が少なくなる。

低温期が長くても、高温期の長さが正常であれば、
排卵があると考えれます。

ただし、全体の月経周期が長くなると、
排卵の回数が少なくなることから、
妊娠するチャンスもそれに伴って低くなることになります。

★高温期が短い、高温期の途中で体温が下がる場合は黄体機能不全の疑い。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、基礎体温を上昇させ、
高温期を持続、安定させます。

高温期が8〜10日と短かったり、
途中で体温が下がり、不安定な場合は、
黄体ホルモンが十分に機能していない可能性があります。

★高温相が3週間以上続く場合はほぼ妊娠していると考えれます。

この通りです。

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基礎体温表の信頼性は?
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結論から言いますと、基礎体温表で把握出来るのは、
あくまでも、大雑把な状況であることを理解しておく必要があります。

★一概には言えないケースも多々ある

基礎体温が二相性を示しているのにもかかわらず、
排卵していないことも可能性としては有り得ます。

逆に、高温期が10日以下であったり、
理想的な形ではないにもかかわらず、
普通に妊娠する場合も多く見受けられます。

★デリケートな基礎体温

基礎体温は生活環境や習慣、体調や精神状態の影響を受けてしまいます。

★3ヶ月以上の基礎体温の傾向をみる

たとえ、毎日つけていたとしても、1ヶ月程度であれば、
正しく把握することが難しいものです。
最低でも3ヶ月くらいの期間の傾向をみる必要があります。

★排卵日の正確な特定は困難

排卵後の卵胞から黄体ホルモンが分泌され、
それによって、体温が上昇するので、
基礎体温の上昇が確認された時点は、
既に排卵が起こった後ということになります。

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それでは、基礎体温表とは?
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自分の卵巣や子宮の状態をある程度、セルフでモニター出来る方法であり、
重要な不妊検査であることは間違いありません。

ところが、基礎体温表のパターンによって、
妊娠の可能性を一概に決めつけてしまうのも危険であるように思います。

あくまで、排卵や妊娠を自分で確認する有力な手段であること、
そして、治療を受ける際に医師へ提供する重要な情報の一つです。


------[参考文献]--------------------------------------------------

「不妊治療ガイダンス」 荒木重雄 編著 医学書院
「よくわかる不妊治療」 辰巳賢一著 テンタクル


━<今日から実践できる妊娠術>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

         "妊カラ"ウィークリー【6】

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"妊カラ"ウィークリーです。

先週のパイナップルのお話への反響もまた、大変、大きかったようです。
野菜や果物は万遍なく食べましょう。

さて、今週は、血液の巡りを良くする食品10選のその3です。

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        「血液の巡りを良くする食品10選」 

            〈その3〉青魚

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血液サラサラのためには、魚を週に3回以上食べると良いと言われるのは、
魚に含まれるオメガ3脂肪酸のおかげであることは、
多数の研究結果が物語るところです。

特に青魚、いわし、あじ、さば、鮭などが、
オメガ3脂肪酸を豊富に含みます。

例えば、オーストラリアの研究では、
31名の男性を対象に、いわし、または鮭を1日に140グラム食べると、
出血時間が11%延びることを明らかにしています。

また、ハーバード大学では、缶詰のツナ(まぐろ)を、
1日に182グラム食べることで、
4時間後には、なんと、アスピリンを摂取したのと同じ血流改善効果が、
確認されたとのことです。

青魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、
代謝されて血管を拡張させたり、血液を固まりにくくする物質を生成したり、
血液中に多く含まれてくると、
細胞に入って細胞膜を構成するようになって、
細胞がより流動的に、より柔軟になります。

要するにしなやかになるので、
赤血球の場合は、変形能力が高まり、
狭い血管でも変形して通り抜けることができるようになるのだそうです。

このような働きの恩恵は計りしれないものがあります。

妊娠の成立への貢献はもちろんのこと、
その後の母体と胎盤の間の血流が良くなることは、
流産の防止、そして、やがて、生まれくる子供の脳や体の健康状態をも、
大きく作用するのですから、正しく食べることは本当に大切なことです。


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 希望するテーマやご質問があれば、どしどし、メール下さい!
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━[妊娠報告をお願いします]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
皆さんからの妊娠報告をお待ちしています
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http://www.akanbou.com/houhoku/main.html

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■編集後記 
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Q&Aへの回答が遅れ気味です。
大変お待たせして申し訳ありません。

回答の専門家チームの体制を整えて臨むようにします。

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妊娠しやすいカラダづくり No.108
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【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【発行責任者】細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【編 集】 酒井奈緒
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
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