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VOL.149 患者であると同時に消費者でもあるということ

2006年04月06日

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           妊娠しやすいカラダづくり
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2006/4/6 #149
━不妊に悩むカップルを応援します!━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.akanbou.com
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みなさん、こんにちは。
いつもお読み下さってありがとうございます。

このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

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当メルマガを配信する(株)パートナーズは、
社員研修のため、3月29日から4月4日の期間を休業とさせて頂いたため、
「妊娠しやすいカラダづくりVOL.149」は、
予めお知らせした通り、5日遅れの配信とさせて頂きました。

この号はイギリス・ロンドンへの社員研修レポート(1)をお送りします。

---[INDEX]--------------------------------------------------------
 
01 今週の更新情報
02 妊カラニュース:「赤ちゃんが欲しい」取材協力他
03 社員研修レポート:患者であると同時に消費者でもあるということ

---[CONTENTS]-----------------------------------------------------

━01━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今週の更新情報
http://www.akanbou.com
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2006年3月28日 妊娠報告
今回もダメだと思っていたら・・・
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2006032801.html
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2006年3月28日 Q&A
入浴後に膣からお湯が
http://www.akanbou.com/qa/qa.2006032801.html
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2006年3月27日 妊娠報告
二人目がなかなか授からず
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2006032701.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


━02━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
             妊カラニュース
20060405
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★「赤ちゃんが欲しい No.27」の記事に取材協力しました。
http://www.ashitaba.net/

主婦の友社の「赤ちゃんが欲しい」のNo.27号の特集記事、
「妊娠できる!?」ウワサを検証33 に、
取材協力させて頂きました。

食べ物や生活のことから、おまじないまで、
妊娠によいとされていることを検証するという内容です。

また、同じ号で、Q&Aの回答をお願いしています、
梅ヶ丘産婦人科院長の辰巳賢一先生が、
特集記事「不妊治療にほんとうに必要な検査は」を監修しておられます。

最新の検査に関する情報が大変分かりやすく、まとめられていて、
とても参考になると思われます。

★Q&Aへの回答について
http://www.akanbou.com/qa/main.html

多くの方々から、Q&Aへのご相談を頂いておりますが、
社員研修によるお休みもあって、
回答に時間がかかっております。

今後、回答のキャパシティを増強する予定で、
全てのご相談をサイトに公開するべく計画中です。

ご迷惑をおかけしますが、順次、回答してまいります。

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上記の内容についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


━03━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       社員研修レポート(1)
           VOL.149
  患者であると同時に消費者でもあるということ
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3月末から4月初めにかけて、
社員研修として、ロンドンを中心にイギリスへ行ってまいりました。

イギリスと言えば、世界で初めて体外受精に成功した国なので、
不妊治療に関する国の取り組みについては、やはり、一日の長があります。

人類はじまって以来、"子供を授かる"という、
それまで、神の領域とされていたプロセスに、
一部なりとも、初めて、人間が介在し始めた訳ですから、
実際にやってみなければ分からないことがたくさんあって、
そういう意味で、先行し、様々な経験を積んだイギリスの取り組みには、
教えられるところが多々あるからです。

現に、Human Fertilisation Embryology Authoority(HFEA)、
http://www.hfea.gov.uk/Home
直訳すると、ヒト受精・発生学委員会という、
不妊治療や胚の研究を管理、監督するイギリスの準政府機関の政策を、
日本の厚生労働省は、これまで、常にモデルとしてきました。

そのHFEAの今年の年次総会が、3月29日にロンドンで開催されました。

現在のイギリスの不妊治療を取り巻く環境はかつてないほど変化していて、
それに伴って、管理監督する立場の政府は、
現状に相応しい法規制への改正を検討しています。
また、治療を受ける側の患者は、
ますます、自分たちに相応しいクリニックや治療を求めて、
消費者的な考えを身につけるようになってきていると言います。
そして、治療を提供する側の医療機関は、
例えば、高い妊娠率を維持しながら、同時に多胎妊娠を減らすような、
質の高い生殖医療に焦点を当てているようです。

そんな変化を反映して、
今年の年次総会での講演のテーマは以下の4つでした。

・消費者としての患者
・新しい生殖医療技術
・将来に相応しい規制とは
・多胎妊娠をいかに減らすか

読者の皆さんに参考にして頂けるような視点で、
今回と次号の2回に渡って、レポートしてみたいと思います。

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   患者であると同時に消費者でもあるという認識が必要な時代
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「消費者としての患者」のテーマで講演した1人が、
アメリカのハーバードビジネススクールのデボラ・スパー教授です。
http://dor.hbs.edu/fi_redirect.jhtml?facInfo=bio&facEmId=dspar&loc=extn

彼女は、アメリカの生殖技術の行き過ぎた商業主義を批判して、
アメリカで大変な話題になっている「TEH BABY BUSINESS」の著者です。

アメリカは、全ての生殖医療について、ほとんど規制がありません。
最近も、卵子バンクから卵子を購入して、
妊娠、出産に至ったニュースが報道されていましたが、
デボラ・スパー教授は、その著書で、生殖医療の活用と倫理の問題を、
バランスよくとらえ、政府の規制が必要であることを説いています。

以下に教授のインタビューのダイジェストをご紹介します。

★患者であると同時に消費者でもあるということ

子供を切望して、不妊治療に高額な費用をかける方々は、
体外受精等の高度な生殖医療を"商取引"としてとらえないと、
無駄な出費になってしまう恐れがあります。

保険外の診療(イギリスではプライベート治療)を受けようとする人々は、
自分たちは、患者であると同時に消費者であるとの認識が必要です。
さもないと、さほど意味のない治療に、
高額な出費をしてしまいかねないからです。

★立場の弱い宿命にあるということ

不妊に悩むようになると、目的を果たすためには、
ある程度の出費も覚悟してでも治療に臨むのは、人情というもの。

ただし、そんな方々は、
巨大なマーケットに成長した、
"体外受精産業の顧客"という側面があるということを、
冷静に、知っておく必要があります。

そして、"患者"という意識だけでは、
大変、弱い立場にあると言わざるを得ない、
ほとんど、これは、宿命的なものです。

医師は、さまざまな検査を通じて、
"適切な"薬や治療を提案するのが普通ですが、
患者としては、とにかく、妊娠できる可能性があるのであれば、
その可能性に賭けたいという気持ちで一杯だからです。

そんな中で、誰が、その薬や治療が、"適切な"ものかどうか、
判断することが出来るでしょうか。

決して、医師が悪徳あるとか、患者が頼りないとか、
そんなことを指摘して、非難している訳ではありません。

とにかく、患者は弱い立場にある、
そして、高額で、成功率の低い治療に純粋な望みを託さざるを得ない、
ただでさえ、長い不妊の期間を経験し、
精神的にまいっているかもしれないところに、
そんなリスクを抱えざるを得ない、
そんな、不妊治療の宿命があるということを言いたいのです。

★高額な費用がかかっているにもかかわらず・・・

イギリスでは、体外受精の70%は、
プライベートクリニックで実施されています。

---[解説]---------------------------------------------------------

イギリスは、基本的には不妊治療を含めた医療費は無料です。
各地域にGPと呼ばれるかかりつけ医がいて、
まずは、ここに登録して、診察を受けます。
そして、必要とあらば、GPの紹介状をもって、
それぞれの専門医に診てもらうことになります。

不妊治療についても無料で、
体外受精も1回までは無料で受けることが出来ます。

ただし、不妊治療に限らず、専門医の診察、治療を受けるのに、
数カ月間も待たされることは当たり前で、
タイムリミットのある不妊治療では、
何ヶ月も順番を待つことは困難なこともあって、
上記のように、7割の体外受精は、
プライベート、すなわち、保険外の自由診療を受けているようです。
プライベートクリニックは日本同様、すぐに診てもらえますが、
保険外ですから、高額な費用がかかります。

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プライベートクリニックでは、
体外受精を1周期受ける費用として、
55万円から88万円程度、
もちろん、この費用には検査や薬、注射等の費用は含まれていませんから、
さらに、約20万円は必要となります。

問題は、これほどの高額な費用がかかるにもかかわらず、
不妊治療医にも、患者にも、
体外受精等の高度な不妊治療は、
医療であると同時に、ビジネスであることを認めたがらないことにあります。

★自分たち、そして生まれくる子供を守るために

私たちは、不妊治療を受ける患者の方々を、
人間的な観点からとらえがちです。

ところが、同時に消費者でもあるのに、そのように振る舞っていません。

もちろん、子供は授かるもので、
お金で買うものではないことは当然のことですが、
私たちは、感傷的な気持ちを抑えて、
私たちややがて生まれ来る子供を守るために、
治療を商取引としてとらえることが必要なのです。

誰だって、マーケットに行けば、
理性的、合理的な振る舞いで買い物をするはずです。

そうです、大切なのは、理性的、合理的な選択や判断なのです。

★治療にかかる費用明細とその成績を明確にすること

不妊治療にかかる全ての費用の明細とその成績を、
明確にオープンにしているクリニックは、どれくらいあるでしょうか?

当局は、体外受精の費用的な側面の規制を強化すべきで、
患者は、全ての必要なコスト、
そして、治療成績を知ることが出来るようにならなければなりません。

消費行動という観点から見れば、
最終的にどれくらいの費用がかかるのか、
そんな見通しもなく、不妊治療の旅に出発することは、
とても、恐ろしいことと言わざるを得ません。

そして、現在の状況が続けば、
将来的には、お金持ちしか、
高度な不妊治療を受けることが出来なくなってしまいかねません。

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稚拙な訳文のため、スパー教授の真意が伝わっているかどうか、
ちょっと、心もとないのですが、
私たちは、クリニックの治療成績の情報公開がなされているイギリスでさえ、
患者が、消費者の意識を持つことの大切さを強調されていることに、
本当に意外で、驚きました。

また、おりしも、ロンドンでは、
結局、不妊治療医の言い分が認められたのですが、
著名な医師が、患者が望まない、不必要な治療を強要したとして、
イギリスのGMCという医療監査委員会の調査を受けたことが、
話題になっていました。

》》消費者の目=後悔しない選択

さて、スパー教授は、繰り返し、患者であることと同時に、
消費者であることの大切さを説いています。

それは、合理的で理性的な選択や判断のためであると言います。

このことは、とりもなおさず、
先の見えないトンネルに例えられる不妊治療に、
自分たちで明かりを灯すこと、すなわち、自分たちの見通しを持つことで、
そして、そのことは、最終的には、
"後悔しない選択や判断"を意識しているものと思われます。

読者の皆さんの参考になれば幸いです。

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皆さんからの妊娠報告をお待ちしています
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■編集後記 
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イギリスで、好物のフィッシュ&チップスを食したところ、
フィッシュが、なんと、タラではなくて、
サケが使われているのにビックリしました。
なんでも、タラの漁獲高が急減したためだそうです。
なんか違う、という感じで、
残念で、残念で、今回の出張の唯一の心残りでした。

次号では、社員研修レポート(2)と、
40代で妊娠を目指すということの最終回をお送りする予定です。

今回の配信が遅れましたことをお詫び申し上げます。

また、レポートについてのご感想やご意見等もお聞かせ頂ければ幸いです。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]   No.149
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・自社配信: 945部
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・合計部数: 5,744部(4月5日現在)
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【発 行】 株式会社パートナーズ内
      妊娠しやすいカラダづくり事務局
【責任者】 細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)
荻田浩司(医師・医学博士)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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