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VOL.192 真の敵を見極める

2007年02月04日

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           妊娠しやすいカラダづくり

  2007/2/4 No.192
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

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》今週のコラム:真の敵を見極める
》今週の更新情報
》連載企画:ホルモンバランスを整える自然な方法 第3回
》妊カラ実践セミナー:不妊改善のためのサプリメント活用術(4)
》編集後記

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             今週のコラム
              VOL.192
            真の敵を見極める
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前号では、ホルモンバランスを整える自然な方法として、
まずは、血糖値を安定させる食べ方をご紹介しました。

皆さんからのメールの多さ(今日までに15通)に驚くとともに、
何を、どう食べるべきか、についての関心の高さが伺え、
その関心は、決して、妊娠のためというだけでなく、
その先の育児や家族のためにという思いも垣間見ることが出来ました。

さて、192号のコラムで、
「What(何を)ではなく、How(どのように)が大切」だと話しましたが、
例の納豆ダイエット騒動を持ち出すまでもなく、
食生活においても、全く、その通りです。

この観点から"血糖値を安定させる食べ方"を一言で言ってしまうと、
『加工度・精製度の高い部分的な食品は食べない』ということになります。

要するに、食べ物は、出来るだけ自然の状態に近いままに食べる、
そして、食べ物全体を食べるということになるでしょうか。

考えてみますと、
食べ物を本来の自然な状態で食べることは、
血糖値を安定させる食べ方だけではなく、最高に健康的な食べ方です。

そもそも、人間が、進化の結果、人間になった頃というのは、
全ての食べ物を自然に近い状態で、
そのまま、全体を食べていたことでしょう。

ですから、私たちの遺伝子は、そんな食べ方こそが、
私たちの身体の機能が最高の状態で働くように、
プログラムされているはずです。

要するに、人間は、そのように出来ているということです。

そして、ずっと、そんな食べ方をしていたところに、
この、ほんの数十年の間に、
食べ物を精製して、加工して、本来の状態からは、
随分とかけ離れた状態にしてしまい、食べるようになりました。

その結果、人間の生存や健康にプラスためになるように、
本来的に備わったさまざまな素晴らしい機能が、
皮肉にも、マイナスに働くようになったわけです。

たとえば、血糖値をコントロールする機能は、
限られたエネルギーを効率的に使って、
人間の活動が支障をきたすことがないためのものだったはずです。

ところが、そんな素晴らしいシステムが、
悲しいかな、生殖ホルモンのバランスを崩して、
大切な生殖能力を低下させる犯人になってしまっているのです。

人間をつくった大きな力が、
"よかれ"と考えて、
人間に与えた生きるための機能やシステムが、
皮肉にも、私たち、人間の手によって、
自分たちを苦しめるシステムにしまっていると言えなくもありません。

いかがですか?

妊娠しやすいカラダづくりのために何をどう食べるべきか、
難しい理屈や理論は全く不要です。

食べ物は、出来るだけ、本来の自然な状態のまま、
そして、全体を食べればよいのです。
加工度・精製度の高い食品を食べないという視点のほうが、
分かりよいかもしれません。

加工度・精製度の高い食品、
例えば、ファーストフードや缶詰、
インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品、
さらには、スナック菓子、精製した塩や砂糖、白米等を食べないこと。
加工・精製の究極とも言える味の素などの化学薬品は、もちろん、ノーです。

また、全体を食べるということは、
たとえば、果物の皮をむかないとか、
小さい魚だったら、丸ごと食べるということです。

この原則にそって、あとは、日々、ご自身で考え、工夫してみて下さい。

私たちの生殖能力を低下させている本当の敵がみえてきませんか?

どうやら、私たちは、発想を大きく転換することが必要なようです。

自分や家族のカラダの大切な機能を守れるのは自分だけです。
煽られたり、騙されないように、頑張って、闘いましょう!

オールアバウトの不妊治療のガイドでいらっしゃる池上さんは、
http://allabout.co.jp/children/sterility/
以前、こんなことをおっしゃっていました。

『南太平洋の無人島で生活すれば、
 現代の不妊の悩みのほとんどは解決するんでしょうね』と。


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             今週の更新情報
            http://www.akanbou.com
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2007年2月1日 妊娠報告 
これで治療は終わりにしようと思った矢先に
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007020101.html
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2007年1月31日 Q&A
流産を繰り返し、辛いです
http://www.akanbou.com/qa/qa.2007013101.html
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2007年1月30日 Q&A
帝王切開や肥満は不妊の原因になりえますか?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2007013001.html
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2007年1月29日 妊娠報告 
不妊治療を休み、気分を変えて
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007012901.html
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2007年1月29日 Q&A
MRI検査の妊娠や胎児への影響は?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2007012901.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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     連載企画:ホルモンバランスをととのえる自然な方法
       
          第3回 ストレス対策(前半)
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■前回のポイントのまとめ

生殖ホルモンのバランスに大きく影響を及ぼすのが、
インスリンという血糖値調節ホルモンです。

本来、インスリンは血糖値を下げる働きをするのですが、
血糖値を急激に上昇させるような食べ方を繰り返すことで、
インスリンの効き目が悪くなって、
インスリンの血中濃度が高い状態になると、
生殖ホルモンのバランスが崩れてしまうからです。

血糖値を安定させるためには、
そのためには、出来るだけ加工度・精製度の高い食品を出来るだけ避け、
自然な状態に近い形で、全体を食べるような食生活を送ることが大切です。

■今回のテーマ「ストレス」

妊娠しやすいカラダづくりにおいて、
ストレスは、最も、やっかいな難敵かもしれません。

それは、なんていうか"見えない敵"ですからね。

ストレスというのは、
その程度や実態を数値的に計量できませんから、
ストレスが、どの程度、不妊の原因になるのかは、
科学的、論理的に証明できないわけです。

ところが、ところがです。

おそらく、ストレスは直接的な不妊原因にはなりえませんが、
間接的には、大きく生殖能力を低下させていることは、
疑いようがありません。

たとえば、ストレスで月経サイクルが乱れるなんてことは、
ほとんどの女性が経験的に知っていることですし、
不妊治療を休憩したり、止めたりした途端、
妊娠することがよくあることは、
ほとんどの不妊治療医が経験的に知っていることです。

また、最近は体外受精における移植時の精神状態が、
その後に妊娠率を左右するという研究報告が、
いくつか発表されたりしています。

ですから、直接的不妊原因を治療したり、排除するだけでなく、
ストレス対策は、不妊の改善にはとても重要になってきます。

★己を知り、敵を知れば、百戦危うからず!

確かに、見えないストレスは、大変な難敵ではあるのですが、
全く、やりようがないわけではありません。

考えてみれば、ストレスって、
何をどう頑張れば分からないことが最も辛いことだと思います。
そして、ともすれば、頑張れば、頑張るほど、
泥沼にはまっていくようなところがあるような気もします。

ところが、繰り返しますが、やりようはあるとも思うのです。

結論から言えば、
正しい知識と適切な方法があれば、
十分に闘えます、そして、克服することは可能です。

私たちは、ストレス対策を前半と後半に2部構成にしました。

具体的な作戦は、「己を知り、敵を知ること」です。

まず、前半では、敵を知ること、
そして、次号の後半では、己を知ることにします。

これで、頑張れるようになると思います。

★ストレス反応とは、本来は、闘争・逃走反応のこと

ストレスと聞けば、
現代社会の専売特許のように思われているかもしれません。

それほど、現代社会では、ストレス反応は、
私たちの心身の健康を脅かすリスクになってしまったようです。

ところが、本来、人間に備わったストレス反応は、
自然界のリスクに対処するためのものだったのです。

それは、突然、獣に出会って生命の危機にさらされた時、
アドレナリンというストレスホルモンが大量に分泌されて、
血糖値を急上昇させ、血液を濃くします。

なぜなら、敵と闘うか、一目散に逃げるか、
いずれにしても、大変なエネルギーが必要になるので、
エネルギー源であるブドウ糖を増やし、
もしも、怪我をして出血したら、血液を凝固して、
大量出血を避けるためです。

ストレス反応が「闘争・逃走反応」と呼ばれるゆえんであるとともに、
そして、それは、本来は、人間の防御システムの要だったのです。

現代の獣、すなわち、現代の"敵"は、
仕事や上司、コンピューターでしょうか。

現代では、悪者にされがちなストレスですが、
本当は、私たちを守ってくれるとても有難いシステムであることを、
まずは、理解することがとっても重要です。

要するに、ストレス対策とは、
ストレスをなくしたり、軽減するというベクトルではなく、
本来の役割で働いてもらうように、いかに、付き合うかが要になるのです。

★ストレスが生殖能力に影響を及ぼすメカニズム

ストレスは、ホルモン系や自律神経系、そして、免疫系、
それぞれのネットワークを通じて、
それはもう、驚くほど多彩で多様なメカニズムで、
生殖能力に影響を及ぼします。

まずは、ストレス反応を司る司令塔と、
生殖システムを司る司令塔は、
どちらも、脳幹にある視床下部というところです。

ですから、過度のストレスがかかることで、
視床下部は、それに対する闘争・逃走反応に忙殺されてと、
生殖ホルモンの分泌が、
本来のリズムでなくなってしまう可能性が高まります。

ストレスの生殖ホルモンへのダイレクトな影響です。

★ホルモンのドミノ現象

次に、ストレスホルモンの代表選手はアドレナリンとコルチゾールです。

まずは、コルチゾール。

ストレスを感じると視床下部から副腎皮質を刺激して、
コルチゾールというホルモンを分泌させます。

コルチゾールは、筋肉などのアミノ酸を分解して、
肝臓でそのアミノ酸からブドウ糖を新たに作り出して、
血糖値を上昇させます。

なぜなら、遭遇した敵に対して、
闘争するにしても、逃走するにしても、
エネルギーが必要になるからで、
そのためにブドウ糖というエネルギー源を急遽用意するわけです。

もう1つのアドレナリンです。

ストレスを感じると視床下部は、
身体を奮い立たせるために、自律神経のうち、
交感神経を活性化させ、副交感神経を抑制します。

交感神経は、アドレナリンを分泌させ、
ここでも、血糖値を上昇させ、
また、血管を収縮させて、血圧を上昇させます。

そうです、闘争・逃走体勢をつくるためです。

このようにストレスが長引くことによって、
血糖値が常に高く、血流が悪い状態が慢性化し、
それに伴って、生殖機能が、
大きくダメージを受けることになってしまうのです。

★次回は己を知る(具体的なストレス対策法)

いかがでしょうか?

ストレスが生殖機能に影響を及ぼすメカニズムを、
ごくごく、大まかにみてみました。

まずは、敵を知るということです。

次回は、己を知ること、
すなわち、ストレスといかにうまく付き合えばいいのか、
その具体的、かつ、有効な方法を考えてみたいと思います。

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            妊カラ実践セミナー

       不妊改善のためのサプリメント活用術(4)
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http://www.nature-g.com/funin/supple.html
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実は、このコーナーへのメール、
要するに、適切なサプリメントへのご相談のメールを最も多く頂きます。
この1週間でも、100通弱いただいています。

とにかく、これまでの経験とない知恵を絞って、
必死で、それぞれに適切なアドバイスをさせていただいています。

それで、最近、私たちの仕事に(良い意味で)影響してもいるのですが、
不二家問題や納豆ダイエット騒動の影響を強く感じます。

それは、安全性や有効性への意識の高まりです。

私たちは、常々、妊娠前に摂取するサプリメントについて、
もっと、安全性に気を配る必要があることを強調してきました。

また、サプリメントといえども、
いいと言われているものであれば、
どんなものでも、飲めばいいわけではないことも、
事ある毎に、説明してきましたが、
http://www.akanbou.com/5step/step3/step3.html

はからずも、ですね。

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よくあるご相談事例からのワンポイントアドバイス
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▼体外受精の成功の確率を高くするためのサプリメントについて

体外受精のためという明確な動機がある場合、
考え方のポイントは、どんな目的でサプリメントを摂取するのかです。

割りに多くて、気になるのは、
質のよい卵が採れるようにと希望される方が多いことです。

率直に申し上げて、来月とか再来月に受ける治療で、
卵子の質を高めることをサプリメントに求めることはお門違いです。
サプリメントにそのような力はありません。

正しく理解すべきなのは、
確かに、じっくりと時間をかけて、取り組む場合には、
それなりに使えるサプリメントはありますが、
予定している体外受精において、質のよい卵子を採れるかどうか、
それぞれに最も適切な方法で卵巣を刺激できるかにかかっています。

私たちは、高度な治療において、
医師の腕の見せ所は、ここにあると考えます。

卵巣刺激法を誤って選択すると採れる卵もとれなくなってしまうからです。

ですから、そこは医師を信頼すべきであり、
何回移植しても成功しない場合は、転院することも考えるべくなのは、
そのような事情によるものです。

絶対に避けたいのは、
サプリメントが邪魔をするようなケースです。

それは、植物性エストロゲンが豊富なサプリメントを飲むことで、
かえって、医師がコントロールしているホルモン環境に、
マイナスの影響を及ぼしてしまうことです。

驚くほど多くあります。

植物性エストロゲンが豊富という理由だけで、
不妊によいとして勧められるサプリメントはたくさんありますが、
このような使い方は避けるべきです。

予定している体外受精のために使うサプリメントは、
ホルモン環境に一切影響を及ぼさないもので、
目的は、着床環境を向上させることに絞るべきです。

▼あなたに相応しいサプリメントとその使い方をご提案、販売します!

サプリメントであれば何でもいいというわけではありません。

最新の研究報告や私たちに経験に裏付けられた、
不妊改善のセルフケア法、
サプリメントの賢い選び方、上手な使い方を提案します!

↓以下のページからどうぞ
http://www.nature-g.com/funin/supple.html
↓どんなサプリメントがよいのか分からないという方、ご相談下さい。
http://www.nature-g.com/query/main.html

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編 集 後 記
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先日、某有名女流作家が、テレビの取材に、
朝食はサプリメントだけといって、
得意気に、数十個のカプセルや錠剤をみせていましたが、
それだけの種類のサプリメントにかかる費用が1ヶ月2万円とのこと。

私は、はっきり言って、アホだと思いました。

おそらく、その値段から考えて、ほとんどが合成、
あるいは、天然でも特定成分だけを抽出した製品であること、
そして、カプセル、錠剤化するために相当の添加物を使用していることは、
容易に想像がつきます。

いくら、女性心理の機微を小説で表現していても、
根本的な生命活動のメカニズムを、
勝手に都合よく、間違って解釈しているのであれば、
その作品の魅力も色あせてしまうようでした。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.192
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◎発行部数
・自社配信: 1,003部
・まぐまぐ: 5,208部
・合計部数: 6,211部(2月3日現在)
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http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
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【発 行】 株式会社パートナーズ内
[妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【編集長】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)
荻田浩司(医師・医学博士)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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