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VOL.236 妊娠しないということをどのよう受け止めるか

2007年12月09日

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          妊娠しやすいカラダづくり

  2007/12/9 No.236
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

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》今週の更新情報
》妊カラニュース:ファータイルレッスン1月期コースは定員となりました
》不妊サバイバルガイド 第3回 妊娠しないというのはどういうこと?
》妊娠しやすいカラダづくり編集室から
》編集後記

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           今 週 の 更 新 情 報
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2007年12月8日 妊娠報告
7回の人工授精、5回の胚移植の後、転院して1回目の胚移植で
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007120801.html 
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2007年12月7日 Q&A
主人の精子の数が減少したのは育毛剤の影響でしょうか?
http://www.akanbou.com/qa/qa.2007120701.html
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2007年12月6日 妊娠報告
4回目の人工授精で
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007120601.html
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2007年12月5日 妊娠報告
いつかはと自信を持ち、自然に任せ、楽しく生活することを心がけて
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007120501.html
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2007年12月4日 Q&A
友人からの妊娠報告に接して、このままだと心が壊れそうです
http://www.akanbou.com/qa/qa.matsumoto-009.html
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2007年12月3日 編集長コラム
何のための不妊治療なのかを考えさせられたこと
http://www.akanbou.com/column/main.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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            妊カラニュース
             2007/12/8
       ファータイルレッスンは定員となりました
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前号で、お知らせしたファータイルレッスンの2008年1月期コースは、
おかげさまで、すぐに、満席となりました。

本当にありがとうございました。

お申込みいただいた皆さんには、おって、詳細のご連絡を差し上げます。

また、その後も、キャンセル待ちのお申込みを続々といただいております。

よって、現在、クラスの数を増やす等の対策を検討しております。
来週中には、調整し、結論を出したいと考えていますので、
しばらく、お待ち下さいませ。

よろしくお願いいたします。

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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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          連載企画 「不妊サバイバルガイド」

第3回 妊娠しないということをどのように受け止めるべきなのか
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望んでいるにもかかわらず、
なかなか妊娠しない期間が長くなってくると、
誰しも、まず、思うことは、
"なぜ妊娠しないのだろうか・・・"ということだと思います。

意を決して、通院を始めて、
一通りの不妊検査を受けたにもかかわらず、
納得のいく答えが得られないままに、
気がつけば、治療が始まっていたなんいうことも少なくありません。

また、検査の結果、何も異常がないとなると、
"だったら、なんで妊娠しないの・・・"という新たな「?」が、
頭の中を占めることになってしまいます。

なぜ妊娠しないのかということは、
最も気になることであるにもかかわらず、
そのことについて、
あやふやな理解のまま、
治療を進めていかざるを得なかったり、
深く考えないままに、
"神のみぞ知る"ということで片付けてしまっていたりすることが、
少なくありません。

私たちは、「自分たちはなぜ妊娠しないのか」を、
自分たちなりに理解し、認識することは、
とても大事なことだと考えています。

なぜなら、このことをどのように受け止めるかについて、
初めにボタンを掛け違えたばかりに、
不必要な悩みを抱えてしまうケースを数多く経験してきたからです。

また、このことについて、
自分たちなりの認識をもっていなければ、
どんな治療を、いつまで続ければいいのかを判断することは、
とてつもなく、困難な作業になってしまいます。

くれぐれも誤解しないでいただきたいのは、
不妊の原因を突き止めるべきであると言いたいわけではありません。

原因を追究すると、
かえって、ストレスを大きくすることになりかねません。

私たちは、"妊娠しないということをどのように受け止めるのか"が、
不妊をサバイバルするうえで、
とても大切なことだと考えているということです。

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     妊娠しないということをどのように受け止めるべきなのか
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まずは、妊娠を妨げているもの、すなわち、不妊の原因という観点から。

★明確に不妊原因になるのは3つです

不妊に関する本をみてみますと、
たいていは、不妊の原因についての解説があります。

いろいろ書かれてはいるのですが、
これまで、妊娠しなかった原因はこれだ!と、
明確に不妊の原因として特定できるのは、実は、それほど多くはありません。

無排卵と両側の卵管の閉塞、そして、無精子症の3つです。

要するに、女性の側で、全く排卵がないというケース、
そして、左右両側の卵管が完全に塞がっているというケース、
また、男性の側で、精子が全くつくられていないか、
精子がつくられていても、射精された精液中に全く精子がいないケースです。

あと、敢えて言えば、全くセックスがない、
または、セックスできないというケースということになります。

これらのケースでは、自然妊娠は不可能で、
何らかの対策を講じなければ、妊娠が期待出来ません。

ただ、生殖医療の進歩のお陰で、
その程度にもよりますので、一概には言えませんが、
妊娠の可能性は期待できるようになりました。

このように、不妊原因が明確であるケースは、実は、少数派です。
専門家によると、せいぜい、10〜15%くらいのようです。

★妊娠率を下げる可能性のある要因はいろいろあります

不妊の原因とまでは言い切れないのですが、
妊娠の確率を下げる可能性のある要因は、いろいろあります。

もちろん、確率の問題ですから、自然妊娠の可能性はあります。

例えば、排卵しにくいというケース。

月経サイクル(低温期)が長い、バラバラであるため、
排卵の機会が少ないとか、排卵期が予測しづらいことで、
妊娠率が低くなってしまう可能性があるというケースです。

例えば、卵管が通りにくいというケース。

片側の卵管が閉塞していたり、
周期によっては、卵管が通りくくなってしまうため、
妊娠率が低くなってしまう可能性があるというケースです。

例えば、精子の数が少ないというケース。

精液中の精子の数や運動率は標準を下回ることから、
妊娠率が低くなってしまう可能性があるというケースです。

他にも、子宮内膜症や黄体機能不全、抗精子抗体等、
いろいろたくさんの要因があるようです。

このように、一口に不妊といっても、
決して、状況は、一様ではありません。

おそらは、最も多いのは、
この、妊娠率を下げる要因になる可能性のあるケースでしょう。

★妊娠率を下げる要因は"複数で、複合的で、変動的"です

排卵障害にしても、
内膜症や筋腫にしても、
乏精子症や精子無力症にしても、
一般的には、不妊の原因とされていますが、
実際には、本当に、それらが不妊の原因なのかどうかは定かではありません。

なぜなら、排卵障害を治療して、
毎周期、排卵がおこるようになっても、
あるいは、子宮内膜症を治療しても、
依然として、妊娠しないというケースは少なくないからです。

また、乏精子症や子宮内膜症と診断されたにもかかわらず、
自然妊娠するケース、これもまた、少なくありません。

要するに、不妊の原因は、
不妊検査から想定していたものと違うことが多いということです。

いったい、このことをどのように理解すればいいのでしょうか?

不妊の原因というものは、
先に挙げた、明確な不妊原因である3つのケースを除けば、
よく分からないことが多いということでしょう。

おそらく、妊娠率を下げる要因が複数存在し、
また、その要因が複合的の絡み合っていて、
さらには、それらの要因は周期によって、
その内容や程度が変動するのではないかと、
考えるのが自然ではないでしょうか?

また、このように認識しないことには、
頭の中が「?」だらけになってしまいますし、
悩みや不安は、際限なく、膨らんでしまうと思うのです!

ですから、妊娠の確率を低くしているものに対する治療やセルフケアは、
もちろん、大切な取り組みになるのですが、
あくまでも、犯人(不妊原因)を突き止めることにこだわるということは、
さほど意味がないことだと言えるのかもしれません。

かえって、ストレスを大きくしてしまいかねません。

いかがでしょうか?

少しでも、ご自身の状況を理解するきっかけになりましたでしょうか。

さて、今度は、妊娠率という観点から考えてみましょう。

★妊娠率から妊娠を妨げるものを考えてみると・・・

明確に不妊の原因になる3つのケースでは、
妊娠率は、悲しいかな、0%ということになりますね。

それでは、妊娠率を下げる可能性のあるというケースではどうでしょう。

間違ってはならないことには、
そもそも、ここで言う妊娠率は100%がベースにはなりえないことです。

どういうことかと言いますと、
何の問題もない若い男女はタイミングを合わせてセックスした場合でも、
周期あたりの妊娠の確率は、約25%とされているんですね。

ですから、ベースになる妊娠率とは25%で、
そこから、何らかの要因が存在することによって、
20%とか、15%、
場合によっては、5%くらいになってしまうということです。

ということは、不妊の原因や妊娠しづらくなる要因がなくても、
周期あたり75%は妊娠できないのです。

実は、普段、私たちが不妊の原因として意識して、想定しているのは、
25%の妊娠率を下げる要因やゼロにする原因なのです。

それ以外に、そもそも、全く異常がなくても、
75%もの確率で妊娠を妨げているものが存在しているのです。

このことは、往々にして、忘れがちです。

★妊娠に至らないのは、ほとんどは、単なる巡り合わせ

さて、それでは、75%もの確率で妊娠を妨げているのは何なのでしょう?

結論から言いますと、よく分からないということになります。

ですから、なぜ、妊娠に至らないのかは、
本当のところ、よく分からないということになるのですが、
おそらく、これまでの専門家の意見を集約してみますと、
例えば、卵子や精子、受精卵の染色体異常ということになるでしょうか。

要するに、たとえ、受精は成立したとしても、
だいたい、4回に3回の割合で、
染色体異常やその他の何らかの理由で、
途中で成長が止まってしまうということのようです。

そして、いわゆる"卵子の質"というのも、
この範疇として認識するべきなのかもしれません。

20代では100回に25回という割合が、
年齢が高くなるに従って、25回が23回、20回に、
そして、、30歳の後半になると、
それが、12、3回くらいになってしまうということでしょうか。

ということは、
妊娠に至らない最大の理由は、
"単なる巡りあわせ"であると言えます。

たとえば、体外受精を何回か受けて、
毎回、外見上、状態のよい受精卵を戻しているにもかかわらず、
なかなか妊娠に至らないとなると、
犯人探しの目は、当然、着床環境を疑うことになるのかもしれませんが、
確率的には、たまたま、
そのような巡りあわせだった可能性が高いのだということを、
頭に入れておく必要があると思います。

★妊娠しないということは・・・

妊娠しないということをどのように受け止めるのかは、
心の状態やその後の選択や判断に、少なからず、影響を及ぼすものです。

なぜ、自分たちは妊娠できないのか?

何が、悪いのか、
何か、知らずに、悪いことをしたからなのか、
または、何か、大切なことをしなかったからなのか、
さらには、自分には、その資格がないのだろうか・・・、
不妊期間が長くなれば、なるほど、
いろいろな感覚に囚われるかもしれません。

ところが、これまで、誰も、ミクロの決死隊になって、
身体の中で起こっている生殖活動を、直接、見てきた人はいないのです。

私たちには知りようもない創造主の意図、
そして、人間に備わった種の保存のメカニズム、
また、医学的に分かっていること、分かっていないこと、
さらには、治療で可能なこと、治療でも不可能なこと、
自分たちの出来ること、出来ないこと、
これらは、私たちの力では、ちょっと、どうにもならないことで、
ただただ、現実を受け入れざるを得ません。

たとえ、それが、とてつもなく辛く、悲しいことであっても、です。

★赤ちゃんを"待つ"ということ

つい先日、京都大学で、
皮膚の細胞に遺伝子操作することで、
生殖細胞になる可能性のある、
万能細胞をつくることに成功したというニュースが、
世界を駆け巡りました。

このような先端科学についての最新ニュース、
また、生殖医療によって、
それまでは、妊娠を諦めざるを得なかった夫婦でも、
子どもをもてる可能性が出てきたこを目の当たりにすると、
ともすれば、医療が子どもを授けるかのような錯覚に陥りがちです。

ところが、0%を20〜30%に出来ることはあっても、
決して、20〜30%を80〜100%にすることは、
先端医療をもってしても出来ないのですね。

依然として、畏敬の念をもって受け入れざるを得ない、
生命の誕生の神秘的な領域は、私たちの前に大きく広がっています。

妊娠に至らない最大の理由は、
単なる"巡りあわせ"なわけですから、
私たちが取るべき態度は、
まずは、妊娠を妨げている可能性のあるものは出来る限り排除しながら、
あとは、その時が巡ってくるのを、
心穏やかに"待つ"ということに尽きるのではないでしょうか。

私たちは、私たち自身の身体でありながら、
私たちに備わった生殖活動を、
100%コントロールすることが出来ません。

ただし、そのことをどう受け止めるのか、
そして、そのことをどのように意味づけるのかは、
私たち次第ではないでしょうか?

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編 集 後 記
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先週は、偶然にも、3人の方々から、
このメルマガを夫婦二人で読んでいるというお話しを、
立て続けに聞かせて頂きました。

そもそも、このメルマガを読むという事態そのものは、
とりあえずは、決して、嬉しいことではないのかもしれませんので、
ちょっと、複雑なものを感じつつ、なんか、嬉しかったんですね。

いや、とっても嬉しかったのですよ。

なぜだか分かりませんが、嬉しかったのです。

すみません、何の意味もない、ただ、それだけのことです。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.236
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・まぐまぐ: 5,414部
・合計部数: 6,416部(12月9日現在)
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[妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【編集長】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)
荻田浩司(医師・医学博士)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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