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VOL.253 カラダの発する悲鳴に耳をすますことから

2008年04月06日

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           妊娠しやすいカラダづくり

  2008/4/6 No.253
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関するさまざまな情報を、出来る限り客観的な視点で、
毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

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》今週の更新情報
》今月の特集:生活習慣を見直すということ 
》妊娠しやすいカラダづくり編集室から
》編集後記

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           今 週 の 更 新 情 報
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2008年4月4日 最新ニュース
妊婦もシートベルトをすべき
http://www.akanbou.com/news/news.2008040401.html
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2008年4月3日 妊娠報告
病院通いをお休みし、妊娠できる体作りに専念して1年
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2008040301.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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             今 月 の 特 集
          生活習慣を見直すということ
     〜進化環境と現代環境のミスマッチという観点から〜
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4月になり、新しい年度がスタートしました。
この機会に、日常の生活習慣を見直してみませんか?

昨日からファティリティレッスンの4月期コースがスタートしました。
午前と午後の2コース、それそれ12名で、24名の方々と、
これから3ケ月間、妊娠しやすいカラダづくりに取り組んで行きます。

かれこれ3年弱、毎週、レッスンを実施してきて思うのは、
日常の生活習慣が、いかに、心やカラダの状態、
ひいては、妊娠する力に影響を及ぼすのかということです。

★生活習慣が妊娠する力に及ぼす影響とは?

そもそも、生活習慣を改めるという方法は、
決して、短期決戦ではありません。

相当な長期戦を覚悟してかからねばなりません。

ただ、だからと言って、その影響は軽微なものではありません。

実際に、日常の生活習慣がどれくらい妊孕性に影響を及ぼすのか、
調査した研究報告があります。

◎喫煙・飲酒・カフェイン・体重・社会性・年齢の影響(※1)

イギリスの大学が2112名の妊娠した女性を対象に、
生活習慣と妊娠を希望してから妊娠するまでにかかった期間を調べました。

配偶者の生活習慣として、
・毎日15本以上のタバコを吸う
・週に20ユニット以上のお酒を飲む
・45歳以下

自分の生活習慣として、
・毎日15本以上のタバコを吸う
・1日にカフェイン入り飲料を7杯以上飲む
・体重が70kg以上
・35歳以下
・社会的孤立度スコア60以上

上記の生活習慣がゼロであると答えた夫婦のうち、
1年以内に妊娠したのは、83.3%、
上記の生活習慣が1つと答えた夫婦では、71.4%、
以下、順に、2つと答えた夫婦では、61.5%、
3つと答えた夫婦では、51.7%、
4つ以上と答えた夫婦では、38.4%でした。

マイナスと考えられる生活習慣が多い夫婦ほど、
妊娠するまでに長い期間を要したことが明らかになっています。

◎食事・体重・運動の影響(※2)

また、現在、連載中の「ファーティリティダイエット」では、
1989年にスタートした第2回目の「看護師健康調査」の被験者のうち、
18555人に2年に1回の割合で、
8年間に渡って、食生活を始めとする生活習慣と、
妊娠、出産の動向を調査しています。

この調査でも生活習慣が妊孕性に影響することを証明しています。

[1]トランス脂肪酸の摂取を避ける
[2]オリーブオイルやキャノーラオイル等の不飽和脂肪酸の摂取を増やす
[3]豆類やナッツのような植物性たんぱくを増やす
[4]無精製の穀物を食べる
[5]葉酸をはじめとするビタミンB群(Bコンプレックス)を摂取する
[6]野菜や果物、豆類、そして、サプリメントから鉄分を摂取する
[7]清涼飲料水(缶コーヒーや缶ジュース等)は避ける
[8]適正体重を維持する
[9]毎日、穏やかな(過激にならない)運動を続ける

上記の生活習慣が3つある人はゼロの人に比べて、
不妊になるリスクが63%低下し、
5つ以上では、なんと、84%低下するとのこと。

日々の生活習慣の影響はすぐに現れるものではありません。

長年の積み重ねが、
徐々に、身体の代謝やホルモンバランスに影響を及ぼし、
その結果として、生活習慣病や不妊症となるものと考えられます。

日々の生活習慣が妊娠する力に及ぼす影響は、
もしかしたら、私たちが想像している以上のレベルかもしれません。

また、生活習慣によって、
生活習慣病や不妊を招くということは、
反対に、生活習慣によって、
アンチエイジングや妊娠しやすいカラダづくりが、
可能だということでもあります。

★なぜ、生活習慣が不妊を引き起こすのか?

実際のところ、生活習慣というのは、
それだけが、独立してあるわけではありません。

嗜好の問題だけでなく、
例えば、仕事や人間関係、
そして、文化的なことと切り離せません。

ですから、単に、健康によさそうといったイメージ的な理解では、
成果を得るまで、実行し、続けることは至難のワザでしょう。

往々にして、意志が強いとか弱いという問題で片付けられたりもします。

ですから、なぜ、生活習慣が不妊症を引き起こすのか、
その根本原因を理解しておくことが大切です。

どんな生活習慣がよくて、どんな生活習慣が悪いのでしょうか?

そもそも、生活習慣の良し悪しって何で決まるのでしょうか?

その答えは、病気を治すこと目的とする医学ではなく、
生命活動のメカニズムを解明することを目的とする生物学にありました。

生物学者の長谷川眞理子さんは、
「ヒトはなぜ病気になるのか」という本(※3)の中で、
生活習慣病の根本原因は、
進化環境と現代環境のミスマッチであると指摘しています。

つまり、生活習慣病とは、
ヒトのからだの進化が起こった舞台の環境と、
現代の環境とがあまりに異なるため、
ヒトのからだがそれについていけないことから、
起こっている不具合だというのです。

人類の祖先とされているホモ属が出現したのが250万年前、
ヒトが出現したのが20万年前、
それまでは狩猟採集生活を営んでいました。

1万年前になって農耕と牧畜を始めて、
定住して生活するようになりました。

その想像さえ出来ない長い長い歴史に比べて、
現代のような生活環境が出現したのは、たかだか、200年もありません。

要するに、私たち、ヒトのからだのメカニズムは、
ヒトに進化した頃の狩猟採集生活を営んでいた頃の環境に、
マッチするように出来ているというわけです。

よかれと思って創出したさまざまな文明の利器や仕組みが、
かえって、自分たちの健康にマイナスになるとは、何とも皮肉なものです。

★歩き、動くこと・何でも食べること・ギリギリの摂取カロリー

人類が誕生してこのかた、
狩猟採集生活が249万年、
農耕牧畜生活が1万年、
そして、現代の科学技術による工業化社会がつい最近。

当然、私たちのからだの基本設計は、
狩猟採集生活に合うようにできているわけで、
急激に変化してしまった、
最近の私たちの生活環境で不都合が出てきて当然だといえます。

それでは、ヒトのからだに最も適した生活習慣とは、
どのようなものだったのでしょうか。

3つにまとめられています。

まずは、毎日かなりの距離を歩くことを余儀なくされていたこと。

そして、食べられるものはなんでも、
かなりたくさんの種類の食物を食べるということ。

また、食料が有り余ることはほとんどなく、
摂取カロリーの面ではぎりぎりであることが多いということです。

私たちのからだは進化史の99%は、
このような状態で暮らしてきたということです。

★カラダが本当に喜ぶ生活習慣を心がける

生活習慣病の根本原因は、
進化環境と現代環境のミスマッチであるとの考え方は、
本当に腑に落ちるものです。

現在、分子生物学で、最もノーベル賞に近いとも言われている、
アメリカのマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士は、
長寿遺伝子のスイッチがオンになる環境として、
ずばり、"少なく食べること(カロリー制限)"、
"身体をよく動かすこと"、
そして、"心に希望を持つこと"を挙げています(※4)。

また、前出の「ファーティリティダイエット」で指摘されている、
妊孕性を高める生活習慣とは、
食事について、糖分や脂肪分の摂取方法について言及し、
なるべくカラダを動かすことを勧めています。

そして、一言で言えば、"自然な状態に戻ること"です。

私たちは、食べるものに過剰に手を加え、
さまざまな機械のおかげで、
身体を動かし、歩くことをしなくなりました。

とにかく、私たちのカラダは、
少ない量(最低限のカロリー)を、
たくさんの種類の食べものを偏りなく食べて、
とにかく、歩いて、動くように出来ているのです。

このような生活習慣に即していれば、
カラダの働きを最高の状態に維持できるわけです。

それが、あるべき状態であり、
そのことを、真に健康な状態であると考えるべきでしょう。

妊孕性が最も高くなることは当然です。

★それぞれの事情に応じたライフスタイルを

たくさんの種類の食べものを少なく食べ、
とにかく、ひたすら、歩くこと。

考えてみれば、原理はいたって、単純です。

ところが、現代社会では、
この原理から逸脱した生活への誘惑に満ちています。

それは、経済の規模を維持するという事情もあります。

現代社会の大きな矛盾だと言えます。

たとえば、コンビニの出現は、
日本経済に大きく貢献しましたが、
私たちの生活を相当"不自然"なものにしてしまったようです。

ここは、自己防衛のために、
自分たちの事情に応じたライフスタイルを構築することが絶対に必要です。

現代社会に特有のライフスタイルをおくることで、
私たちの身体は悲鳴をあげています。

まずは、その"悲鳴"を聴くことから始めるべきです。

---[参考文献]-------------------------------------------------------

※1)Fertility and Sterility 2004;81:384-92
※2)American Journal of Clinical Nutrition 2007;85:231-237
※3)ヒトはなぜ病気になるのか 長谷川眞理子
※4)長寿遺伝子を解き明かす レオナルド・ガレンテ

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        妊娠しやすいカラダづくり編集室から
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編 集 後 記
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メタボという言葉は流行語になる時代です。

メタボリックシンドロームの根本原因は、
いたって、単純で、カロリーの過剰摂取と運動不足です。

それは、ヒトに進化した時代の環境においては、
座っているだけで、いくらでもほしいだけ食べられるということは、
到底考えられないことだったのでしょう。

ですから、人間の身体のメカニズムも、
そのようには出来ていないのでしょうね。

前号のファーティリティレッスンには多くの感想をいただきましたが、
結局は、同じことです。

そもそも、精製された穀物をたくさん食べて、エネルギー源にできるように、
人間の身体は出来ていないということですね。

これから、このメルマガでは、
進化環境と現代環境のミスマッチという観点で、
さまざまなテーマを考えて行きたいと考えています。

この問題を徹底して考え、
その対策のための方法や工夫を提案してまいります。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.253
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・自社配信: 1,002部
・まぐまぐ: 5,854部
・合計部数: 6,856部(4月5日現在)
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【発行人】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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