メルマガ

VOL.333 不妊治療で感じるストレスをどうする?

2009年10月18日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 妊娠しやすいカラダづくり VOL.333 2009年10月18日配信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                      http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"ためのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。

---[目次]-----------------------------------------------------------

▼今週の更新情報一覧
10月5日から10月9日までのサイト版「妊娠しやすいカラダづくり」

▼今週の特集
不妊治療で感じるストレスをどうする?

▼妊カラニュース
Fine祭り2009チケットプレゼントのお知らせ

▼妊カラ運営会社からのお知らせ

▼編集後記


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           今 週 の 更 新 情 報 一 覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2009年10月15日 Q&A
排卵障害と診断されましたが妊娠できるかどうか不安です
http://www.akanbou.com/qa/qa.2009101501.html
--------------------------------------------------------------------
2009年10月14日 最新ニュース
結果に執着し過ぎないことが体外受精の妊娠率に好影響を与える 
http://www.akanbou.com/news/news.2009101401.html
--------------------------------------------------------------------
2009年10月13日 最新ニュース
流産後の処置の方法とその後の妊娠率の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2009101301.html
--------------------------------------------------------------------
上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            今 週 の 特 集

        不妊治療で感じるストレスをどうする?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ストレスをどうにかしたい・・・、
不妊治療で通院している方々にとって、
ストレスは最も気になることの一つでしょう。

これまで授からなかったということだけでなく、先が見えないこと、
そして、不妊治療そのものやお金や時間のやりくり、
さらには、周囲の無理解等々、
一々、挙げていけばきりがないくらい、
ストレスの原因になることはたくさんあります。

長期間、強いストレスにさらされると、
心身の健康にとってよくないことは明らかですが、
実際のところ、ストレスは妊娠する力や治療成績を低下させるのでしょうか、
また、もしも、そうなのであれば、どうすればいいのでしょうか。

今週は、不妊治療で感じるストレスについて、考えてみます。

★ストレスと体外受精の治療成績との関係

イギリスで初めての体外受精が成功して30年、
最新の世界統計では約60万周期の体外受精が実施され(※1)、
成功率は、常に、新たな治療法が研究されているものの、
だいたい、25~30%くらいに落ち着いているようです。

ただし、個々のケースでは、
年齢をはじめとするさまざまな要因で治療成績が左右され、
ストレスと体外受精の成績の関係についても、
多くの試験が実施されています。

809名の女性を対象にしたデンマークの試験では、
ストレスと体外受精の治療成績との関連性を分析したところ、
妊娠した女性は、妊娠しなかった女性に比べて、
ストレスに感じることが少なかったと報告します(※2)。

ところが、166人の女性を対象にしたスウェーデンの試験では、
治療を開始する1ヶ月前と採卵の1週間前のストレスレベルを調べ、
治療成績との関係を調べたところ、
妊娠した女性と妊娠しなかった女性の間で、
ストレスレベルの違いは見られなかったと報告しています(※3)。

さらに、129組の夫婦を対象にしたアメリカの試験では、
体外受精で妊娠に至った女性のほうが、
ストレスレベルが強かったと報告しています(※4)。

このように、ストレスと体外受精の治療成績の関係については、
ストレスがあるほど治療成績が悪いとの報告もあれば、
ストレスと治療成績は関係ないとする報告、
さらには、ストレスがあるほうが治療成績がよかったとする報告もあり、
まったく、相反する結論が導かれていて、
はっきりとしたことは言えません。

もちろん、ストレスを数値化することが困難なこともあるのでしょうが、
ストレスは妊娠する力や治療成績を低下させるとは、
一概には言えないようです。

★ストレス対処法と体外受精の治療成績との関係

ストレスがあるからといって、
必ずしも、治療成績に悪い影響を及ぼすとは限らないことがわかりました。

それでは、ストレス対処法と治療成績の関係についてはどうでしょうか。

343人の女性を対象にしたギリシャの試験では、
ストレスを何とかして妊娠を目指そうとして、
不妊仲間に、自分の感情を表に出し、それを共有しようとした女性よりも、
何か好きなことに取組んで、気持ちを紛らせていた女性に比べて、
妊娠率が顕著に低かったと報告しています(※5)。

また、88名の女性を対象にしたイスラエルの試験では、
自分の力でコントロールできないことと考え、
それほど結果にこだわらない女のほうが、
自分でなんとかコントロールしようとして、
治療のことや結果について、
あれこれ思いめぐらし、心配していた女性に比べて、
88%妊娠する確率が高かったと報告しています(※6)。

ストレス対処法と治療成績の関係は明確です。

ストレス対処法、すなわち、
ストレスの原因をどのように受け止め(解釈し)、
そして、どのように対処するのか、
心理学では、ストレスコーピングとよんでいます。

そして、ストレスコーピングには、
大きくは、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングの2種類あり、
これまでに実施された試験では、
問題焦点型コーピングでストレスを対処した女性よりも、
情動焦点型コーピングでストレスを対処した女性のほうが、
体外受精の治療成績がよかったと報告されています。

ストレスに対しては、
情動焦点型コーピングで対処するほうが、
不妊治療がうまくいく可能性が高くなるというわけです。

★ストレスがあるかどうかではなく、どのように対処するかが重要

ストレスがあるかどうかではなく、
ストレスをどのように解釈し、どう対処するかが重要だということ。

考えてみれば、
ストレスが妊娠する力や治療成績を低下させるのであれば、
ストレスをなくすかないわけで、
非現実的で、ほとんど不可能なことになってしまいます。

ストレスはあって当たり前で、
なくすることなんてできないわけですから、
ストレスを感じることを問題にしてしまえば、
マイナスのスパイラルの泥沼が待っているだけでしょう。

ストレスの奴隷となり、翻弄され続ければ、
ストレスがなくならない限り、幸せにはなれません。

ところが、ストレスから自由になりさえすれば、
ストレスがなくならなくても、幸せになれるということでしょうか。

ストレス対処法いかんで、ストレスと共存できるというわけです。

★問題焦点型と情動焦点型コーピング

それでは、どうすれば、
ストレスから自由になれるのでしょうか。

そのヒントを得るために、
問題焦点型と情動焦点型コーピングとはどのようなものなのか、
以下にみていくことにしましょう。

問題焦点型コーピングとは、
状況は変えることができると解釈し、
問題の所在を明らかにし、
情報を収集し、解決策を考え、
それを実行するように対処する方法です。

たとえば、体外受精に臨むにあたっては、
治療成績はコントロールできるとの認識のもとに、
治療のプロセスごとの成績を心配し、
少しでもよい成績になるよう、
精一杯情報を収集し、治療が成功するように頑張ります。

ところが、このような対処法は、
意に反して、授かることにプラスにはならなくて、
かえって、マイナスに働くようです。

それに対して、
情動焦点型コーピングとは、
状況はコントロールできないものと解釈し、
回避したり、静観したりして、
自分の気分を晴らすよう対処する方法です。

体外受精に臨むにあたっては、
どうせ、治療成績をコントロールすることはできないのだから、
じたばたしても始まらない、
それよりも、結果にこだわり過ぎず、
気分転換や気晴らしになることを楽しもうとします。

そして、そのほうが治療成績がよいことが検証されているのです。

★どうにかできることと、どうにもならないことを区別する

不妊治療に臨むにあたって、
自分たちでコントロールできることには最善を尽くし、
自分たちの力が及ばないことについてはおまかせしてしまう、
そういうことになるでしょうか。

たとえば、

治療を受けるかどうか、
どんな治療を、どれくらい受けるのか、
どこの病院に通うのか、
どの先生に診てもらうのか、
どんなものをどのように食べて、
何時に寝て、何時に起きるのか、
パートナーとどんな関係を築くのか。

これらは100%自分たちでコントロール可能で、
自分たちで決めることができることです。

ところが、

どんなグレードの受精卵が、どれくらい育つのか、
妊娠できるかどうか、いつ妊娠できるのか。

これらは自分たちでコントロール不能で、
自分たちの都合や希望で決めることができないことです。

私たちにできるのは、
自分たちの力の及ばないことについて、
安心して、納得して、おまかせできるような環境をつくること、
それくらいではないでしょうか。

そして、状況や条件は、
私たちには変えることはできませんが、
どんな状況、どんな条件にあっても、
それを楽しんでしまえるココロをつくることは、
簡単なことではないかもしれないけれど、
私たちの努力と工夫次第では、可能なことだと思っています。


---[文献]---------------------------------------------------------

※1)Human Reproduction 1(2):1-11 2009
※2)Human Reproduction 24(9):2173-2182 2009
※3)Human Reproduction 20(10):2969-2975 2005
※4)Fertility and Sterility 88(3):714-717 2007
※5)Fertility and Sterility 86(3):672-677 2006
※6)Fertility and Sterility 92(4):1384-1388 2009

--------------------------------------------------------------------
上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           妊 カ ラ ニ ュ ー ス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Fina祭り2009チケットプレゼント、応募締切は20日の火曜日までです!
--------------------------------------------------------------------

★「Fine祭り2009 そこが知りたい!不妊」抽選でチケットプレゼント!

大好評だった昨年の『Fine祭り2008 ひとりじゃないよ!不妊』。
みなさんからの「またやって~」の声にこたえて、今年も開催します♪

講演タイトルは「体外受精を繰り返しても妊娠しない場合の治療法」

まさに「そこが知りたい!」ですよね。

なんと、この同じタイトルで、
日本を代表する3人の不妊専門ドクターが講演!

講演者は、加藤レディスクリニック/加藤院長、
広島HARTクリニック/高橋院長、
セントマザー産婦人科/田中院長です!

パネルディスカッションでは、
看護師、臨床心理士、不妊治療ジャーナリスト、患者を交えて、
「今、どうする?いつまでがんばる?」の本音トークを展開!

どんな話が繰り広げられるのか、今からワクワク楽しみです♪

企業などによる展示販売コーナーや試飲、サンプリングも多数!
ひとりで参加でも大丈夫♪ 
談話室ではスタッフがお茶とお菓子でお迎えします

本日は、妊娠しやすいカラダづくりの読者のみなさまへ、
「Fine祭り2009」チケットプレゼントのお知らせです!

【抽選でチケットプレゼント♪】

今、下記のURLからお申込みいただいた方から抽選で
「Fine祭り2009」のチケットをプレゼント!

抽選は毎週行ない、
合計20名様にプレゼントします。

応募締め切りは10月20日(火)です!

お急ぎください。

■PCからの応募はこちら。
http://j-fine.jp/cgi-bin/mail/mail.cgi?id=matsuripr

■携帯からの応募はこちら。
http://j-fine.jp/cgi-bin/mail/imail.cgi?id=matsuripr

<Fine祭り2009/日程と場所>

【日時】11月3(火・祝) 10:00~16:30
【場所】日経ホール(東京・大手町)

■Fine祭りの詳しい内容(パソコン版)はこちら♪
http://j-fine.jp/matsuri/2009/matsuri.html

■ケータイ版はこちら♪
http://j-fine.jp/matsuri/2009/matsuri-k.html

チケットはチケットぴあでも好評発売中♪

たくさんのみなさんのご応募/ご来場をお持ちしています!

--------------------------------------------------------------------
上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            妊カラ運営会社から 

       私たちは不妊に悩むご夫婦を応援します!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちは、大切な時期に、安心して選んでいただけるサプリメントの開発、
提供に努め、最適プランについてのご相談に応じています。
--------------------------------------------------------------------

★妊娠のためのサプリメントについての私たちの考え方
http://www.nature-g.com/notice/contents_001.html

★妊娠を望まれるご夫婦にお勧めします

▼女性用基礎サプリメント
妊娠前のサプリメントの理想形
http://www.nature-g.com/shohin/naturesgift/multi_v_m.html

▼男性用基礎サプリメント
男性不妊を専門とする泌尿器科医が監修
http://www.nature-g.com/shohin/naturesgift/05.html

★気軽にご相談ください!
http://www.nature-g.com/query/main.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちは、不妊治療医が開発した妊娠しやすいカラダをつくる運動プログラ
ム、「プレマタニティビクス」を、毎週土曜日と火曜日に開催しています。
--------------------------------------------------------------------

》》》『プレマタニティビクス』 受講者募集中!

毎週土曜日と火曜日に開催しています。

不妊治療医と運動の専門家が開発した、
"妊娠しやすいカラダをつくるエクササイズ"です。

私たちと一緒に楽しみながら頑張ってみませんか?

▼詳しくはこちらから
http://www.akanbou.com/fertilelesson/top.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編 集 後 記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前号の「油のお話」には、たくさんのメールをいただきました。
単に、知ってるか、知らないか、その違いは大きいですね。

スウェーデンから、興味深い研究報告がなされています。

それは、女性の教育程度(学歴)が高いほど、
パートナーの男性の寿命が長く、
男性の収入が高いほど、
パートナーの女性の寿命が長いことが、
150万人を対象にした調査で分かったというのです。

それぞれの反対は相関関係はなかったといいます。

男女の教育、収入、社会的地位、社会階級の 4つの社会的経済的な要素と、
本人とパートナー(配偶者)の寿命との関係を、
1990年のスウェーデンの国勢調査から、
30~59歳の150万2148人データを調べて、
2003年までの死亡原因の記録から死因の情報を追跡した結果です。

よくよく考えれば、うなずけることなのかもしれません。

研究者は、学歴の高い女性ほど、
健康を考えた食事や生活習慣を心がけているからではないかと、
分析しているようですが、
要は、女性の学歴が大切である云々ということではなく、
どんなものを、どのように食べるのか、そして、生活習慣について、
適切な情報を得て、いろいろ工夫することが、
長く、充実した人生をおくるのには、
とても大切なことであるということでしょうか。

スウェーデンでは、学歴の高い女性ほど、
そのような意識が高いということでしょう。

つまりは、家族の健康は、
妻であり、母親である、女性次第なところがあるということです。

これからは、広告やイメージに惑わされないで、
食や食べ方についての科学的な知見なんかも、
ますます、大切になってくるのでしょうね。

そういう観点で言えば、
お子さんを授かるまでに時間がかかったことがきっかけになって、
自分たちの健康についての意識が高まれば、
こんなありがたいことはないなと、
つくづく、思った次第です。

====================================================================
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.333
--------------------------------------------------------------------
◎発行部数
・自社配信: 254部
・まぐまぐ:5,372部
・合計部数:5,626部(10月18日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎「妊娠しやすいカラダづくり」のバックナンバーはこちらから
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく
場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、
掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容
の掲載によって生じる、いかなる事態、また何人に対しても一切責任を負い
ませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属しま
す。一切の無断転載はご遠慮下さい。
--------------------------------------------------------------------
◎ご意見、ご希望は下記メールアドレス宛にお願いいたします。
info@akanbou.com
--------------------------------------------------------------------
◎このメルマガの配信停止はino@akanbou.com宛に空メールをお送り下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行人】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━