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VOL.347 不妊治療をやめるとき

2010年01月31日

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 妊娠しやすいカラダづくり 
 VOL.347
 2010年1月31日                  
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じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今週の更新情報一覧

▼妊カラフォーラム
不妊治療をやめるとき

▼妊カラニュース
東京都文京区が高度生殖医療への50万円までの低利融資をあっせん

▼編集後記


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2010年1月28日 最新ニュース
PBDE(難燃剤)が不妊を招く可能性
http://www.akanbou.com/news/news.2010012801.html
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2010年1月27日 最新ニュース
38歳以下の女性へのアシスティッドハッチングの治療効果
http://www.akanbou.com/news/news.2010012701.html
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2010年1月25日 編集長コラム
そして、信じるということ 
http://www.akanbou.com/column/main.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com

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 妊カラフォーラム
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これまで10数回の体外受精にチャレンジしたものの、
結局、お子さんを授からないままに、
不妊治療を終えることを自ら決められた、
43歳のANさんからのメールをご紹介します。

---[ANさんからのメールここから]---------------------------------

細川さん ご無沙汰しています。
覚えていらっしゃいますでしょうか?

初期の頃のファーティリティレッスンに参加させていただき、
その後も何度かメールのやりとりを・・・。

細川さんにお会いした頃から、
「赤ちゃんをあきらめる時期」について、
ずっと悩んでいましたが、
昨年末、ようやく病院を卒業することが出来たので、
そのご報告のメールです。

「卒業」というのは、
「治療をやめる決断」ということです。

「赤ちゃんをあきらめる」というのは、
心が裂かれるほどの痛みが伴い、
夢も希望もなくなる気がして(笑)、
今の私には出来ませんでした。

生理がある限り、「億が一」(笑)の奇跡を胸に残して、
ただ、今の自分を受け入れ、無理せず、
「あるがまま」に生きるということを選択したわけです。

ここに至るまでは、長い道のりでした。

「笑って卒業するには、どうすればいいんでしょう?」とDr.に聞いたら、
「それは無理でしょう。(笑)
 ただ、いつか笑顔になれる日が来ると僕は思います。」って、
アドバイスをいただいた事もありました。

「卒業=あきらめる」という事ばかりにこだわっていた私は、
一番大切な事を見ていなかったように思います。

10数回の体外受精(1度の流産)の結果や、
43歳の年齢がようやく答えを導き出したということもありますが、
友人のお父さんの言葉に心を動かされたことも大きかったです。

そのお父さんは、
80歳で脳梗塞で死の淵を彷徨いながらも生還し、
信じられないリハビリで、
半身麻痺を残しながらも、杖をついて、歩けるほどまで回復しました。
高校の教員で、柔道をやっていた大きな体のその方が、
片足を引きずり、10分で行けた魚屋さんに30分かけて行き、
「しゃんまを・・・に、にしきくだしゃい」と、
言語障害の残った言葉で言うんだそうです。

その自分の姿を見て、
近所の身体の不自由なお年寄りが恥ずかしがらずに、
町に出てくるようになったんだと、
笑って話してくださるんです。

「身の丈にあった生活をしなくちゃいかん」
「今の自分に出来ることをするだけ」

世間体や自分の中のプライドにこだわるのではなく、
「今」の自分を受け入れ、ありのままに生きること。

涙がとまりませんでした。

 ~女として生まれたからには、子供が欲しい!
  長男のところに嫁いだのだから跡継ぎを生まなくては!
  子供がいれば私は幸せなのに!私には何もない!~

苦しんで、苦しんで、頑張った自分がいました。

なぜ、そんな私を 私は 抱きしめる事が出来なかったのかな。

「よくやったね、頑張ったね。つらかったね、苦しかったね。」
自分を抱きしめてあげたら すっと楽になりました。

自分の生まれてきた意味がわからずにいましたが、
実の子に伝えられなくても、
人として「生きて」関わっていれば、
何か自分にしか出来ないことが、
ひとつくらいあるんじゃないかってようやく思えました。

そして、苦しんでいる私を、
そばで見守っていてくれる主人の愛にも気付くことが出来ました。

私の通っている病院のDr.や看護士さん、培養士さん、みんないい方でした。
切迫流産で、救急に行った私のオペを自ら担当して下さったDr.、
体外受精の結果に涙するたび、一緒に話を聞いて下さった皆さん。

治療を振り返ったら、
人のやさしさや温かさを体験できていた自分がいました。

また、「患者の会」というのがあり、
そこで友人と出会うことも出来ました。

決して無駄なことではなかったんだな。
私の人生にとって貴重な体験で必要な事だったのだと思えました。

当たり前のことに感謝すること、
他人の痛みに寄り添えるようになったこと。

治療を知らずに、当たり前の人生を歩んでいたら
私は傲慢で、感謝を知らない人間になっていたと思います。

「長い間ありがとうございました」と感謝の気持ちで、
ちょっとの涙と笑顔で、5年間の治療にピリオドをうつことが出来ました。

今でも、幸せな家族をみると正直、
「いいなあ」とうらやましいし、赤ちゃんのCMもしんどいです。

まだまだ、心の狭い私は、卒業できそうにありません・・・(笑)

でも、仕方ない!こんな私も私なので、受け入れて、
でも自分の身の丈を心得ながら、
生理のあがる日を楽しみに待ちます。(笑)

多分、その時からが、
私のまた新しい人生のステージの始まりかもしれませんよね。

そんなわけで、今の私は、
市の有償ボランティアの保育ママさんに登録し、
働くママさん達のお手伝いをさせてもらっています。

他人の子でも、
とてもかわいくて、
改めて子供の力に感動しています。

もしかしたら、いつか違う形で、
「子供」と出会うってこともありかな?とも思えるようになりました。

私は細川さんのサイトに出会えて、
たくさんの勇気をいただきました。

自分のこの体験を生かして、
誰かの役にたてたらいいなと、
病院と連携してブログも始めました。

長々とおつきあいいただきありがとうございました。

細川さんも風邪などひかれませんように・・・、
ご自愛下さい。

---[ANさんからのメールここまで]---------------------------------

ANさん、メールありがとうございました。

不妊当事者でない私でさえも、
とても勇気づけられたように思います。

なので、これはもう、是非とも、メルマガに掲載せねばと。

で、普通、卒業のときは"おめでとう"ですが、
この場合も"おめでとう"になるのかどうか、よくわかりません。

ただし、

・その時々の自分を受け入れること、
・無理しないこと、
・"あるがまま"に生きること、

この3つは、
ある心理学者によりますと、
幸福な人生をおくるための必要条件だそうですから、
このことを選択されたANさんは、
幸福な人生をおくる条件が整ったわけですから、
やはり、おめでとう!、ですよね。

今って、高度な生殖医療技術が普及したおかげで、
"可能性"がとっても広がりました。、

そして、ネットが普及したおかげで、
たくさんの"可能性"があることを知ることができるようにもなりました。

人間って、可能性があることを知ってしまうと、
それまで、存在しなかった、
もしくは、知らなかった選択肢が増えますから、
ともすると、欲張ったり、計算高くなってしまいがちですよね。

そう考えると、
自分を受け入れ、無理せず、
そして、あるがままに生きることが、
幸せになる必要条件だという心理学者の主張が分かるような気がします。

そして、新しい人生のステージのスタートというのは、
それまで、何の疑問もなく、受け入れてきた、
"家族"や"夫婦"、そして、"人生の幸福"についての定義を、
お二人のものに、改めて、書き換えたときなんでしょうね。

本当にありがとうございました。

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 妊カラニュース
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妊しやすいカラダづくりに関するさまざまなニュースです。

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東京都文京区が高度生殖医療への50万円までの低利融資をあっせん
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東京都文京区では、
体外受精や顕微授精を受ける夫婦に、
一回当たり50万円までの融資をあっせんし、
そして、利子2.0%を補助する事業を、
4月からスタートするとのことを発表しました。

融資あっせん・利子補給事業は、
東京都特定不妊治療費助成事業の指定医療機関で治療を行う場合、
金融機関から一回50万円以内、返済期間は5年以内で、
5回までの融資が受けられるようにするとのこと。

全国の自治体でははじめてのことです。

区が2・0%の利子を補助してくれる補給ことで、
実際に利用者が支払う利子は2%未満になる見込みとしています。

高度生殖医療は、
自由診療(健康保険がきかない)で、
現在、だいたい30~50万円程度かかるようです。

心身にかかる負担もさることながら、
財布にかかる負担も決して小さくはないわけです。

そういう意味では、
このような低利のローンを、
自治体があっせんし、補助してくれることは、朗報と言えると思いますが、
これによって、たとえば、
不必要な治療にドライブがかかってしまうようなことが、
懸念されなくもありません。

せっかくの自治体の取り組みですので、
計画性の高い治療を受けるために上手に活用できればいいですね。

■ニュースソース
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010013002000097.html

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 編 集 後 記
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少し日が長くなってきた今日この頃ですが、
明日から2月、まだまだ、寒い日は続くはずです。

寒い季節には、
ショウガがあたたまります。

あのお茶漬けのりで有名な永谷園が、
生姜部という企業活動をしているのをご存じでしょうか?

ショウガを生産して、
ショウガ加工食品を販売しているのですが、
この素晴らしいショウガを広めようとの思いで、
社員自ら、生姜部員として、
いろいろな活動をされているようなのです。

携帯サイト「おしえて!不妊ナビ」のユーザーブログで教えてもらいました。

▼永谷園生姜部サイト
http://www.shouga-bu.com/

圧巻は、129の生姜レシピを全部動画で紹介していること。

全て生姜部員が作成しているのには驚きました。

▼生姜レシピ
http://www.shouga-bu.com/recipe/

生姜を、美味しく、いただきながら、
しっかり、身体をあたためたいですね。


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.347
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・まぐまぐ:5,454部
・合計部数:5,689部(1月31日現在)
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【編 集】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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