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VOL.384 子どもをつくることと家庭を築くこと

2010年10月17日

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 妊娠しやすいカラダづくり 
 VOL.384
 2010年10月17日                  
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じぶんたちにあったこたえをだすために・・・

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼編集長コラム
子どもをつくることと家庭を築くこと

▼今週の更新情報

▼妊カラ編集室からのお知らせ

▼編集後記


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 編 集 長 コ ラ ム
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 子どもをつくることと家庭を築くこと
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「家族をつくる」という本を読みました。

サブタイトルに、
「提供精子を使った人工授精で子どもを持った人たち」とある通り、
重度の男性不妊のために、
第三者からの提供精子を使った人工授精でお子さんを授かったカップルが、
自分たちの経験について、語り尽くしています。

第三者から精子提供を受けてお子さんを授かったカップルの生の声を、
これだけきちんと編集された形で読むのは初めてのことで、
当事者でない私でさえ、それはもう、何回も心を揺さぶられました。

この本の一番の特長は、
この分野の第一人者である著者が、
提供精子で子どもを授かったカップルが、
どのようにお子さんを"授かったのか"ではなく、
どのように健やかな家庭を"築いたのか"に焦点を当てていることです。

つまり、授かった後のこと、です。

父親とは遺伝的なつながりがないわけですから、
子どもを育てていく上で、
いろいろとデリケートな問題があることは容易に想像できますから、
当然と言えば、当然かもしれません。

そして、著者は、
健やかな家庭を築くためには、
"隠しごとをしない"ことだと言うのです。

要するに、提供精子で授かった"わが子"に事実を話す、と。

驚きました。

普通、こんな場合、
子どもには、絶対に、隠し通すもので、
そのほうが、子どもにとって幸せなことだと思っていましたので。

提供精子を使った不妊治療で生れた子どもを持っていて、
子どもに提供精子を使ったことを話してきた家庭と、
話してこなかった家庭について調査したところ、
事実を話していない家庭よりも、
話した家庭のほうが、家族間での問題がより少なかったとのこと。

父子の関係、
そして、母子の関係も、
子どもに事実を話した家庭のほうが、
良好な関係が築かれているというのです。

複数の調査で毎回同じ結果になることから確かな結果だと言います。

実際に、生まれた人たちから話しを聞いてみると、
親がどんなにその事実を隠していても、
昔から「うちは何かおかしい、隠し事がある」と感じていた人が多いと。

事実を知らせるということは、
知られたら大変なことになるかもしれないという恐れよりも、
愛情があるから大丈夫だという思いの方が強いからであり、
その愛情こそが、家庭内で、
健やかなコミュニケーションの基盤になっていると言います。

何が大切なことなのかを教えてくれているようです。

家族をつくることは、
手を尽くし、必死に頑張っても、
悲しいかな、なかなか、結果が伴わないこともあります。

けれども、健やかな家庭を築くことは、
私たちが愛情を注げば、注ぐほど、ちゃんと応えてくれるのです。

たとえ、どんな方法で授かろうとも、
たとえ、遺伝的なつながりがなくても、です。

一読をお勧めします。

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「家族をつくる 提供精子を使った人工授精で子どもを持った人たち」

▼出版社:人間と歴史社

▼アマゾン
http://p.tl/6wN4

▼著者:ケン・ダニエルズ
ニュージーランド在住。提供精子を使った人工授精および生殖補助医療分野
に34年間かかわってきた。ニュージーランド政府の生殖補助医療に関する倫
理委員会の副議長をつとめていたが、現在は、政府の生殖補助技術諮問委員
会の副議長をつとめている。ニュージーランドのクライストチャーチにある
カンタベリー大学のフルタイムの教職を退職した後も、同大学で非常勤で、
ソーシャルワークの教鞭をとり、現在に至る。

▼訳者:仙波由加里
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了、博士(人間科学)取得。専門
はバイオエシックス。桜美林大学加齢発達研究所客員研究員。スタンフォー
ド大学visiting scholar。2005年から2008年まで、International Consumer
Support for Infertility(iCSi)のボードメンバーを務める。

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過去の編集長コラムは以下のサイトでご覧になれます。

▼編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/main.html#1

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news-master@akanbou.com


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2010年10月15日 最新ニュース
喫煙が子宮外妊娠のリスクを高めるメカニズム
http://www.akanbou.com/news/news.2010101501.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 妊カラ編集室からのお知らせ
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 不妊の扉の向こう側 ~講演会と体験者のためのワークショップ~
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来る10月23日の土曜日に、東京都主催のイベント、「東京ウィメンズプ
ラザフォーラム」があるのですが、そこに、不妊ピア・カウンセラーによる
不妊当事者のための自主グループ「TEAM ラ・ポルタ」の皆さんが、参加され、
講演会とワークショップが開催されます。内容は以下の通りです。
http://www.peer-net9.jp/2010forum.html

第1部の講演は、不妊症看護認定看護師について、と不妊体験者の体験談と
いう内容です。

皆さんは、不妊症看護認定看護師という資格をご存じでしょうか?
不妊患者さんのサポートを目指して、研鑽を積んでいらっしゃる方たちから、
この不妊症看護認定看護師の学びや、実践について、お話をうかがいます。
また、体験者の体験談発表もあります。

第2部は、不妊体験者を対象としたグループによるワークショップを2種類
企画しました。

参加される方は、

1)わかち合いの会:

治療初期、ステップアップ、治療終結を考えるなど、参加される方からのご
希望を考慮して、いくつかのテーマ別グループを設けます。

2)SST(Social Skills Training=生活技能訓練):

日常の生活での、コミュニケーションの難しい場面などを取り上げ、実際に、
再現して、より適切に対応できるように、グループのみんなで、考え、知恵
を出し合い、演じてみたりします。

上記のいずれかから、お選びいただきます。

▼開催時間

★第1部講演会  13時30分~14時45分

『不妊症看護認定看護師について』
・聖路加看護大学 看護実践開発センター 實崎 美奈さん
・聖路加国際病院 中村 希さん
不妊体験者1名

★第2部ワークショップ 15時5分~16時25分

▼開催場所:東京ウィメンズプラザ 視聴覚室AおよびB
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67
http://www.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/index.html

▼参加費:1500円
講演会・ワークショップどちらかの参加も可能です。料金は変わりません。

▼参加対象:
講演会・・・・・・・不妊について学びを深めたい方ならどなたでも。
ワークショップ・・・不妊体験者

▼お申し込み方法

下記項目をご記入の上、メール(携帯メール可)にてお申し込みください。

1)お名前(ハンドルネーム可)2)当日の連絡先番号(緊急連絡用)
3)第2部への参加希望の有無(わかち合いの会 or ワークショップ)
参加希望の方は、よろしければ以下についてもお知らせください。
◇性別 ◇治療段階 ◇今、困っていること、つらいこと

★メールのタイトルを(件名)「フォーラム企画申し込み」とし、
上記項目1)~3)を下記アドレス宛お送りください。

team-laporta@peer-net9.jp 

★受付確認について:
お申し込み後、3日以内に受付確認し、返信いたします。

★当日のご参加について:
ワークショップは事前予約が必要です。
当日受付枠もございますので、会場にてお気軽にお尋ねください。

▼「TEAM ラ・ポルタ」のホームページ
http://www.peer-net9.jp/

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 ベビ待ちさんの「漢方薬」使いこなし講座
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女性の間で漢方薬がちょっとしたブームのようですね。実際に、漢方薬は正
しく使えば、有効な不妊治療にもなるようです。

ただ、いろいろな漢方薬局があり、値段も、決して、安くはありません。

ですから、どんな漢方が適切なのか、どんな使い方をすればいいのか、きち
んとしたアドバイスのもとで使いたいものです。

そこで、お勧めしたい記事が、主婦の友社の「赤ちゃんが欲しい」最新号
(2010年秋号)に掲載されています。

ベビ待ちさんの「漢方薬」講座という記事で、大阪の不妊治療専門クリニッ
クである越田クリニックの志馬千佳先生による監修です。

志馬千佳先生は、不妊治療を専門としながらも、漢方療法を積極的にとり入
れていらっしゃる、日本でも数少ないドクターです。

西洋医学と東洋医学のよいところを、それぞれの状態に応じて、駆使して、
妊娠に近づこうというものです。

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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 株式会社パートナーズ運営サイト
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私たちはお子さんを望まれるカップルを応援しています。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html

▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html


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 編 集 後 記
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「ハーブ&ドロシー」というドキュメンタリー映画を観ました。
http://www.herbanddorothy.com/jp/

人に勧められたのですが、とても良かったので、ご紹介します。

---サイトから引用ここから-------------------------------------------

郵便局員のハーブと、図書館司書のドロシー、夫婦共通の楽しみは現代アー
トのコレクションだ。選ぶ基準はふたつ。1つは、自分たちのお給料で買え
る値段であること。もう1つは、1LDKのアパートに収まるサイズである
こと。

慎ましい生活の中で約30年の歳月をかけコツコツと買い集めた作品は、いつ
しか20世紀のアート史残す作家の名作ばかりに!そんなふたりに、アメリカ
国立美術館から寄贈の依頼がやってきて......。

アートコレクターといえば、誰もが大きなプール付きの家に住む、庶民とは
関係のないお金持ちを想像するだろう。しかし、国立美術館にコレクション
を寄贈したこの稀代のアートコレクターが、小さなアパートに暮らすごく普
通の老夫婦だといったら驚くはず。

『ハーブ&ドロシー』は、実在する現代アートコレクター、ヴォーゲル夫妻
を追った感動のドキュメンタリー作品。公務員のふたりがいかにして膨大な
コレクションを築いたのか?― その秘密を明らかにしながら、次第に"ほ
んとうに豊かな人生"のあり方を浮き彫りにしていく。お金儲けのためでは
なく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきたふたりの姿は、発見
する喜びと夫婦愛に満ちている。アートの知識なんてなくても、彼らの人生
に触れれば、ほんの少し世界が変わって見えるはずだ。

---引用ここまで----------------------------------------------------

夫婦の生き方について、考えさせられます。
このメルマガの読者の方々、全員にお勧めしたい映画です。

今週の妊カラは、珍しく、お勧めしたい本と映画の紹介でした。

是非とも読んで、観てみてください。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.384
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◎発行部数
・自社配信: 205部
・まぐまぐ:5,377部
・合計部数:5,582部(10月17日現在)
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◎ご意見、ご希望は下記メールアドレス宛にお願いいたします。
info@akanbou.com
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◎「妊娠しやすいカラダづくり」のバックナンバーはこちらから
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
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【編 集】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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