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VOL.410 ストレスをどうする?

2011年04月24日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第410号 2011年4月24日発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.akanbou.com

お子さんを望まれるカップルを応援します。

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今週の更新情報

▼4月の妊カラ

▼トピックス(2)
新しい命を育む環境を整えよう

▼妊カラ編集室から

▼編集後記


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 今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2011年4月22日 最新ニュース
妊娠初期の食生活は子の肥満体質に影響する 
http://www.akanbou.com/news/news.2011042201.html
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2011年4月21日 最新ニュース
ストレス軽減プログラムと体外受精治療成績の関係   
http://www.akanbou.com/news/news.2011042101.html
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2011年4月20日 トピックス
よい卵子をつくるには?
http://akanbou.com/topics/topics/043.html
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2011年4月19日 最新ニュース
45歳以上で初めて妊娠、出産することの健康リスクについて  
http://www.akanbou.com/news/news.2011041901.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com

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 4 月 の 妊 カ ラ
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 基本に立ち返る
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これまでに経験したことのないことが起こり、いろいろなことを感じ、日頃
は当たり前なこととして、やり過ごしていたことも、少し、つきつめて考え
るようになったように思います。

妊カラも基本に立ち返り、本当に大切なことを確認しておきたいと思います。

お子さんを望むカップルにとっての基本は"仲良くする"こと。また、妊娠
に至るために最も必要とされるのは"よい卵子と精子"です。そして、受精
卵が健全に成育するのに欠かせないには"新しい命を育む環境を整える"こ
とです。

テーマは、「仲良くする」「よい卵子をつくるには」、そして、「新しい命
を育む環境を整える」です。

・4月 3日配信 VOL.407 タイミング法にまつわる誤解を正す(前半)
・4月10日配信 VOL.408 タイミング法にまつわる誤解を正す(後半)
・4月17日配信 VOL.409 よい卵子をつくるには?
・4月24日配信 VOL.410 新しい命を育む環境を整えよう


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 トピックス(2)
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 新しい命を育む環境を整えよう ~ ココロのセルフケア
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基本に立ち返る、ということでお送りしてきた4月の妊カラですが、最後の
テーマは、新しい命が育まれるための環境についてです。

具体的には"ココロの問題"です。

妊娠する力に影響を及ぼすのは、カラダの状態だけではありません。

ココロの状態が妊娠する力に及ぼす影響も決して小さくなく、場合によって
はカラダ以上に影響することもあります。

そのため、ココロの状態を無視して、いくら高度な不妊治療を繰り返しても、
片手落ちと言わざるを得ません。

そこで、ココロのセルフケアについて、これまでの私たちの経験から学んだ
ことをお話ししたいと思います。


━ ストレスと妊娠する力の関係

不妊治療を繰り返しているときには妊娠しなかったのに、治療を休んだり、
諦めた途端、妊娠したという話しはよく聞きます。

また、経験則だけでなく、最近では、ストレスが強い女性ほど妊娠する迄に
時間がかかる(※1)ことやストレスを軽減するプログラムを実施すること
で体外受精の治療成績がよくなる(※2)ことが、信頼のおける試験で確か
められるようになりました。

もちろん、ストレスは妊娠率に影響しないという研究結果(※3)もありま
すし、ストレスが妊娠する力にどのように影響するのか、そのメカニズムが
明らかにされているわけでもありません。

ただし、なかなか思うように授からないという経験や不妊治療を受けること
そのものが、強いストレスになり、夫婦関係を含めた日常生活の質を低下さ
せることは間違いありません。


━ ストレスをどう考える?

不妊を経験することで感じるストレスは、がんなどの命にかかわる病院を告
知されるのと同じくらいのレベルであると言われているくらい、強いもので
す。

その上、ストレスそのものは目に見えないもので、数値に置き換えることは
困難で、つかみどころがありません。自覚しないまま、ストレスの影響を受
けることもあり得るといわけです。

このように、不妊に悩むカップルにとって、ストレスは大きな問題であるに
もかかわらず、ともすれば、女性は、この問題を、長い期間、一人で抱え込
まざるを得ない宿命にあります。

なぜなら、不妊は最もプライベートな問題の一つであり、気軽に相談したり、
心身のケアを受ける環境を手に入れることは容易ではないからです。

だからこそ、まずは、個人として、この問題を精神論ではなく、また、仕方
ないと諦めるのではなく、きちんとした方法で対処できる問題として受け止
めることが大切だと思います。

そのうえで、有効な方法を身につけることです。

つまり、ストレスに対処する際のポイントは、精神論ではなく、有効な方法
をどれだけ知っていて、使えるかということに尽きるということです。

敵が強ければ強いほど、問題が難しければ難しいほど、それ相応の武器が必
要です。

材木はノコギリで切れますが、太い丸太を切るのに、いくら気合いを入れて
も、ノコギリで立ち向かうのは現実的ではありません。

チェーンソーが必要です。


━ ココロのセルフケア

自分で自分のココロをケア、すなわち、ストレスに対処するのに何ができる
のでしょうか。

もちろん、決まった方法などありませんが、効果的かどうかで言えば、八つ
当たりや憂さ晴らしは、それほどの効果はなく、かえって負けて(逆効果に
なって)しまいかねません。

効果が認められているのは大きく分けると、2つあって、1つは、カラダに
働きかけるパターン、もう1つは、ストレスの原因そのものに働きかけるパ
ターンです。

ストレスの影響を受けにくいカラダにする方法とストレスの影響を小さくす
る方法です。


◎ストレスの影響を受けにくいカラダにする

ココロの状態とか、ストレスというのは、手にとって、どうこうできるもの
ではありませんが、カラダとココロは密接につながっています。

ですから、カラダに働きかけるのです。

セルフで取り組める3つの方法を紹介します。


1)リラクゼーション法

瞑想やヨガ、呼吸法など、たくさんの方法があります。ほとんどは、最初は
専門家に指導を受けて始めたほうがいいかもしれません。

ここでは、一人でも、何のスキルがなくてもできる、呼吸の数を数える方法
(※4)を紹介します。

それは、呼吸の数を数えるという単純で、簡単なことで、カラダがリラック
スし、そのことで、脳が受けるストレスの影響を軽減できるのです。

ただし、大切なことは、とにかく"毎日続けること"です。

一回やって、少し楽になったとしても、すぐに、元に戻るからです。毎日続
けることで、ストレスそのものに強い体質になると言われています。

やり方は以下の通りです。

横になるか、イスに楽な姿勢で腰かけます。

身体の力を十分に抜き、姿勢に偏りがないようにしてから、ゆったりとした
複式呼吸をしてください。

そして、「吸って、吐いて」で一、「吸って、吐いて」で二・・・というよ
うに、十まで数えていきます。

途中でいくつまで数えたか分からなくなったら、静かにまた一に戻って数え
直しましょう。このとき、数えることに一生懸命になりすぎないように注意
してください。

規則正しく呼吸する必要はありません。ゆったりとした呼吸で、長ければ長
いなりに、短ければ短いなりに、要は、「吸って、吐いて」で一、「吸って、
吐いて」で二と、数えればいいのです。

必ず、気持ちがいろいろな方向に逸れて、今、気になっているようなことが
浮かんでくるはずです。

そうすると、不思議なくらい、いくつまで数えたのか、分からなくなってし
まいます。

そうなると、また、一に戻るのです。

そして、「吸って、吐いて」で一、「吸って、吐いて」で二・・・というの
を繰り返すようにします。

これを、1回あたり、5分から10分、1日に、1~2回行います。


2)笑う、もしくは、笑顔をつくる

ユーモアは、ストレスに負けないための強力な武器の一つです。

生活に笑いがあるかないか、笑いが多いか少ないかは、ストレスをはかるバ
ロメーターになります。

とにかく、笑えるおしゃべりやお笑い番組、笑える映画、笑えるDVD、笑
える人間関係は、間違いなく、ストレスを軽減してくれます。

驚くことに、笑えない気分の時でも、笑顔をつくることで、笑える気分にな
れるのだそうです。


3)有酸素運動(ウォーキング)

運動のストレス軽減効果は絶大です。それだけでなく、気分を晴れやかにし
てくれます。

ウォーキングやジョギング、スイミング、サイクリングなどの有酸素運動は、
精神を安定させるセロトニンや意欲や集中力を高めるノルアドレナリンなど
の脳内神経伝達物質の分泌を促進するからです。

うつ病患者でさえ、運動することで抗うつ剤を服用するのと同じ効果が得ら
れる(※5)ことが分かっています。

ウォーキングは最も手軽にできる有酸素運動であり、全身の血流を促進し、
もちろん、ココロの状態だけでなく、カラダの状態も整うことで、一石が何
鳥にもなります。

最も強力で、効果的なストレス対処法です。

1日30分から1時間ほど、毎日やります。


◎ストレスの影響を小さくする

ストレスそのものに働きかけること、すなわち、ストレスの原因になってい
ると思われるものやことを、常に見直します。

その結果、ストレスの影響が小さくなります。

どのように見直すのか。

ストレスの原因になっているものやことについて、事実と予測、推測、憶測
なのかを区別するのです。

事実は事実ですが、予測は科学的な根拠で、推測は自分の知識や物差しで、
憶測はいい加減で適当に、考えることです。

ストレスの原因になっているものやことは、事実なのか、そうでないのか。

もしも、事実でないところがあるのなら、それは、どんな根拠で予測してい
るのか、どんな知識や物差しで推測しているのか、それとも、単なる憶測に
過ぎないのかを見直してみます。

もしかしたら、根拠が科学的でなかったり、頼りにしていた知識が不足して
いたり、間違っていたり、あてはめる物差しが適当でなかったかもしれませ
ん。

するとどうでしょうか。

ストレスの原因になっていた問題の受け止め方や見積もり方が変わったり、
整理されたりするだけでも、そのことで感じるストレスはずいぶん軽減され
るに違いありません。


━ いろいろやっていればそのうちになんとかなるという感覚で

いろいろ書きましたが、先が見えない中で、どうすればココロのセルフケア
が出来るのか、本当のところはよく分かりません。

いい加減で、適当なことを書いてきたということではなく、これさえやって
おけばという、魔法のような方法はないということです。

いろいろやってみて、うまくいったり、いかなかったり、試行錯誤している
うちに、何となく自分たちにあったやり方が残ってくるようになるのかもし
れません。

とにかく、諦めないで続けていると、どうしていいのか分からない、途方に
暮れること、小さな挫折の繰り返しの毎日でも、ちょっとした気づきや嬉し
いこと、発見があり、そうこうしているうちに、立ちはだかる大きな壁に感
じていたものを乗り越えていたりするものではないでしょうか。

決して、ドラマティックなドラマなんかではないかもしれませんが、それぞ
れの物語を自分たちで紡いでいくうえで、少しでも役に立てていただければ
と思います。

いろいろやっていれば、そのうちになんとかなるという感覚だけは失くすこ
とのないように、応援しています。


---【出典】---------------------------------------------------------

※1)ストレスは妊娠の確率を低下させる可能性がある
http://www.akanbou.com/news/news.2010081801.html

※2)ストレス軽減プログラムと体外受精治療成績の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2011042101.html

※3)治療前のストレスがその周期の体外受精の治療成績に及ぼす影響
http://www.akanbou.com/news/news.2011022801.html

※4)ストレスに負けない生活 熊野宏昭著(ちくま新書)

※5)Exercise and Pharmacotherapy in the Treatment of Major
   Depressive Disorder Psychosomatic Medicine 69:587-596 (2007)

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 編 集 後 記
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今週末から大型連休がはじまりますね。長くとれば10連休になるでしょう
か。

長いお休みは最高の気分転換になりますね。

不妊症や不妊治療のことを解説する本などを読むと、不妊症の原因を、女性
側にあるもの、男性側にあるものに分けて、説明されています。

もしも、検査を受けて不妊の原因が明らかになれば、そこを治療し、原因を
取り除くことで妊娠を目指せばいいわけですから、何をどうすればいいのは、
とても分かりやすいものです。

ところが、検査を受けても原因が見つからないとなると、何をどうすればい
いのか、ちょと悩んでしまいますね。

そんなケースでは、検査では発見できない原因が隠れている可能性もありま
すので、想定される原因に対する治療を勧められるかもしれません。

そんな時、もしかしたら不必要かもしれない治療を受けるのは、今は未だ、
どうしても気が進まないという気持ちになるかもしれません。

そんな時には、"待つ"という治療があることを知っておいてほしいと思い
ます。

待機療法なんていう言い方をすることもあります。

妊娠するしないって、なかなか理屈だけで割り切れないところが大です。

なので、攻めるばかりが治療ではありません。

いろいろ周囲の状況を整えつつ、自分たちの気持ちが治療に向かうまで、あ
る程度の期間を決めておいて、そして、待つ、そんなやり方も、ありだと思
います。


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.410
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,140部
・合計部数:5,341部(4月24日現在)
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