━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり 第415号 2011年5月29日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.akanbou.com ━
お子さんを望まれるカップルを応援します。
なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。
━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼トピックス
糖化を防ぎ妊娠力を高める
▼妊カラ編集室から
▼編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ト ピ ッ ク ス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
糖化を防ぎ妊娠力を高める
--------------------------------------------------------------------
糖化という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
5月18日に放映されたNHKの「ためしてガッテン」をご覧になった方は、ご
存じでしょう。テーマは、「アンチエイジングだ!肌ホネ血管を一挙に若く
保つ方法」で、いつまでも若さを保つ方法を紹介しましょうというものでし
た。
テレビ番組で"いつまでも若さを保つ方法"と聞くと、いかにも、うさん臭く
聞こえてしまうかもしれませんが、そこは、NHK、単に視聴率を稼ぐために、
科学的な根拠のないことを煽っているわけではありません。
ごくごく簡単に言えばこうです。
老化は誰しも避けようのなうことですが、これまでの研究で、共通の原因物
質があることが分かってきた。その物質を増やさないようにすれば、老化を
遅らせることが可能になると。
全身のさまざまな老化にかかわる共通の物質、それが「AGE」という物質だ
というわけです。
★老化促進物質「AGE」とは?
老化の原因になり、老化を促進するAGEとはどういう物質なのでしょうか?
AGEは、Advanced Glycation End-productsの略で、日本語に訳すと、
終末糖化産物と言います。
体内の"糖化"によって生成される物質ということなのですが、ここで、糖
化について、ごくごく簡単に説明しましょう。
ご存じの通り、私たちの身体は、ほとんどがたんぱく質でできていますね。
そして、たんぱく質は、体内に入ってきた糖と結びやすい性質があるので
すが、「たんぱく質と糖が結合すること」を糖化と言います。
そして、糖化によってたんぱく質が変性し、老化を促進してしまう、AGE
(終末糖化産物)ができてしまうというわけです。
このAGEは、お肌にも、骨にも、目にも、血管にも、全身のあちこちにた
まってくるのです。
★AGEがたまるとどうなるの?
AGEは、たんぱく質と糖が結合することによって出来てしまう物質なわけ
ですから、血糖値、すなわち、血液中の糖の濃度が高い状態が続くと、A
GEもつくられやすくなるわけです。
そして、たんぱく質という臓器を構成している物質の性質が変わってしま
うわけですから、組織のつくりが弱くなったり、臓器が本来の働きができ
なくなってしまうおそれが出てくるのです。
たとえば、骨や血管にたまると、骨や血管がもろくなり、お肌にたまると、
皮膚の弾力性が落ち、目にたまると、視力が低下してしまうわけです。
そして、もちろん、そこから、さまざまな病気が引き起こされる危険性も
高まってしまいます。
これが、AGEが老化の原因になり、老化を促進する物質だと言われるゆえ
んです。
★AGE(終末糖化産物)と妊娠する力の関係
もうお気づきでしょうか?
そうです、このAGEが、卵巣に多くできてしまうと、卵巣の働きが落ちて
しまい、妊娠しにくくなってしまうのではないか、そして、糖化を防ぎ、
AGEの産生を阻害することで、妊娠する力を高められるのではないか、そ
れが今回のテーマです。
AGE(終末糖化産物)と体外受精の治療成績の関係を研究しておられるド
クターがいらっしゃいます。
東京都調布市のウィメンズクリニック神野院長の神野正雄先生です。
神野先生は、独自の方法で血液中と卵胞液中のAGEを測定され、体外受精
の治療成績との関係を学会やヨーロッパ生殖医学会誌で発表されています。
神野先生によりますと、AGEは体外受精での卵胞発育や受精、胚の発育、
妊娠の成否によく関連して、AGEが蓄積しているかどうかは、卵巣の働き
が低下しているかどうかを知る新しい目安となり、AGE蓄積の改善は新し
い治療法になりうるとおっしゃいます。
現時点では、AGEの蓄積の測定は一般的な検査ではありません。また、A
GEの蓄積を改善する特効薬の開発には時間がかかるようです。
ただし、既にお話しした通り、糖化を加速する要因は高血糖です。特に、
食事後の高血糖のAGEの産生を促進します。
ですから、出来るだけ血糖値を上げないような食事をすることで、AGEの
産生を少なくし、妊娠する力が高まることが期待できるはずなのです。
★AGEの生成を阻害する食べ方とは?
AGEがどんどんつくられ、卵巣の働きが低下してしまわないように、そし
て、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)で排卵しづらい人、また、体外受精を
繰り返しても妊娠に至らないという人に、是非ともお勧めしたいのは、血
糖値を上げない食べ方です。
とてもシンプル、かつ、簡単です。
3つあります。
まずは、食事の時の食べる順番です。
ごはんやパンから食べるのではなく、野菜から食べるということ。要する
に、糖(炭水化物)から食べないということです。
炭水化物を先に食べると、血糖値が一気に上がりやすくなります。それに
対して、野菜などの食物繊維を先に食べると、腸での糖のい吸収がゆっく
りになり、血糖値の上昇もゆるやかになります。
次に、精製された糖(砂糖)を空腹時に摂らないこと。具体的には、お腹
が空いているときに、缶コーヒーや缶ジュースを飲んだり、ケーキなどを
食べたりしないことです。
同じ糖でも精製度が高いほど、血糖値の上昇が急になります。
最後に、それに関連して、主食は出来るだけ精製度の低い穀物を摂ること
です。
ごはんであれば玄米、パンであれば全粒粉です。
いかがですか?
食事の時に食べる順番に注意するだけでも、食後の血糖値がずいぶん違う
ことは信頼できる研究で確かめられています。
これだけを実践するだけでも大きいと思います。
--------------------------------------------------------------------
記事についてのお問い合せは下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社パートナーズ運営サイト
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちはお子さんを望まれるカップルを応援しています。
▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/
▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 〜 ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html
▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/
▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
--------------------------------------------------------------------
ツイッターからも情報を発信しています
--------------------------------------------------------------------
ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。
・妊娠しやすいカラダづくりツイッター
http://twitter.com/ninkara
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編 集 後 記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
金曜日から京都で日本抗加齢医学会が開催されています。
最終日の今日、神野先生が生殖医療と終末糖化産物(AGE)という講演をさ
れました。
改めてインタビュー記事でご紹介させていただきたいと思います。
生活習慣と妊娠する力の関係は密接であることを、再認識させられました。
野菜から食べることを、今日から実行してみてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.415
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,111部
・合計部数:5,311部(5月29日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく
場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、
掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容
の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負い
ませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属しま
す。一切の無断転載はご遠慮下さい。
.