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妊娠しやすいカラダづくり 第447号 2012年1月8日発行
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お子さんを望まれるカップルを応援します。
なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、悩みを克服する
ために、"二人で話し合い、考えを整理"して、"自分たちにふさわし
い答えを出す"上でのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な
視点で、毎週末、配信しています。
━[今週のテーマ]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ステップダウンという選択肢について考える
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ステップダウンという選択肢について考える
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ステップダウンという選択肢について、読者の方から以下のようなご相談が
ありました。
---[クロさんからのメールここから]---------------------------------
現在、38歳、結婚して9年、避妊期間1年、不妊期間8年になります。
5年前に卵巣チョコレートのう胞を手術で除去し、その半年後に自然妊娠し
ましたが稽留流産しました。
1年半前から体外受精に挑戦し、半年前に5回目の移植(ホルモン補充周期
に凍結胚融解移植)し、妊娠しましたが稽留流産しました。
それから残っていた卵を移植しましたが陰性でした。
このまま体に負担のかかる体外受精を続けることに疑問を持ち始めたところ
に、培養液の安全性に関するニュースを目にして、もう体外受精はしたくな
いな、と思うようになりました。
38歳はのんびりできる年齢ではないのですができれば自然妊娠を目指して
いきたい気持ちがあります。
一方で、過去に何年もタイミング療法を繰り返していい結果がでなかったこ
とも事実で、ステップダウンが最善の選択なのか迷っています。
この年齢でステップダウンすることをどう思われますか?
ちなみに、検査・治療は、顕微授精以外すべてやりました。不育症の検査は
異常なしでした。
---[クロさんからのメールここまで]---------------------------------
なかなか授からないという場合、その原因がはっきりしているというケース
はどちらかと言うと少数派で、ほとんどは、はっきりとした原因がなく、妊
娠しづらくなっているケースです。
不妊治療では、原因がはっきりしていれば、治療法に迷うことはあまりない
のでしょうが、原因がはっきりしていない場合は、自分たちの治療方針を決
めるのは、それほど簡単なことではありません。
現実には、一応、原因らしきものに対しての治療を受けてみるわけですが、
すぐに妊娠できなければ、もしかしたら、意味のない、不必要な治療なのか
もしれないとの心配が頭をもたげてきて、それ以上同じ治療を続けることに
疑問を抱いてしまうからです。
ステップをアップするにしても、ダウンするにしても、不妊期間が長くなれ
ばなるほど、自分たちにとっての最善の選択はどれなのか、迷ってしまうの
は当然のことだと思います。
おそらく、不妊の原因というのは、時として、複数、かつ、複合的で、そし
て、流動的なところがあるということなのではないでしょうか。
妊娠の妨げになっているものは、いくつかあり、それらが互いに影響しあっ
たり、そして、それは一定ではなく、周期によってその程度が変わったりす
るというイメージです。
このことが、不妊治療には、どうしても、"あいまいなところ"や"取りあ
えずやってみよう感"が拭えない、宿命的な原因になっているのかもしれま
せん。
ただし、だからと言って、単に確率が高いからという理由だけで、高度な治
療を続けるのも、経済的、肉体的な負担が大きくなるばかりですし、反対に、
負担の軽い治療であっても、妊娠できなければ、治療を受ける意味がありま
せん。
一方で、タイムリミットがあり、それまでに、必ず妊娠できると保障されて
いるわけではありません。
そのため、最も大切なことは、後々、後悔のないような選択をすることです。
次の治療法を選択する際には、それぞれの治療法での妊娠の可能性の有無や
その確率、それぞれの治療法に伴うリスク、そして、それぞれの治療法にか
かる費用を比較し、そのうえで、自分たちの考えや気持ちを反映させてみて
はいかがでしょうか?
━ ステップダウンしたら
子宮卵管造影検査やその他の検査で異常なしとのことですので、基本的には
タイミング法や人工授精による妊娠は可能と考えてよいと思います。
ただし、外から造影剤の影をレントゲンで観察する子宮卵管造影検査では、
その精度には限界があり、検査結果は、決して、絶対ではありません。
つまり、検査では異常がないように見えても、実際には卵管や卵管采の働き
が低下していることもあり得るわけです。
実際に、過去に自然妊娠された際に、妊娠するまで3年以上かかっているこ
とや妊娠は卵巣のチョコレートのう胞の摘出後であったという経緯を考える
と、子宮内膜症よる炎症や癒着などが、卵子の質の低下を招いたり、卵管の
通り具合や卵管采が排卵した卵子を取り込む働きを妨げていたりする可能性
は否定できないと思います。
そのため、自然妊娠は可能であっても、その確率は大変低く、数パーセント
以下程度と想定しておくのが自然だと思います。
また、現在の年齢を考えると、今後は妊娠率の低下と流産率の上昇に拍車が
かかるため、妊娠するまでの期間が長くなると、結局はお子さんを授かるこ
とができなくなるかもしれないということも、頭の片隅にでも置いておくの
がいいと思います。
━ 体外受精を続ければ
体外受精を続けた場合は、これまでの経緯や年齢を考慮に入れると、1回の
移植でお子さんを出産できる確率は20%弱くらいと予測されます。
ただし、体外受精でも卵子の質の低下を治療することは困難です。子宮内膜
症の化学的な影響による卵子の質の低下があれば、さらに下回ることもあり
得ます。
━ さらなる選択肢を考える
もしも、どうしても体外受精を続けることに気が進まないという場合、単に
ステップダウンするだけでなく、腹腔鏡検査を受けてみるという選択肢もあ
ります。
腹腔鏡検査は、それまでの検査と違い、直接、お腹の中を観察することが可
能になります。
そのため、今までみつけることができなかった不妊の原因をみつけ、それを
治療すれば、自然妊娠の確率が高くなることが期待できます。
ただし、腹腔鏡検査は全身麻酔下で行われる検査で、決して、手軽なもので
はありません。
検査内容やかかる費用など、よく調べて検討する必要があります。
━ 卵巣年齢の目安を知っておく
卵巣年齢には個人差があります。
最近は、治療法や高度治療の際の卵巣刺激法の選択の目安として、AMH(
アンチミューリアンホルモン)検査を実施することが多くなりました。
AMH値を知っておくことは重要です。
もしも、卵巣年齢が実年齢よりも高ければ、できるだけ早く妊娠する必要度
が高くなりますので、確率の高い治療法を選択するのが得策になるからです。
また、体外受精を続ける場合でも、AMH検査で卵巣年齢の目安を知ること
で、より適切な卵巣刺激法を選択するうえで役に立ちます。
━ 体外受精に伴うリスク
体外受精は、人工授精に比べれば、もちろん、身体にかかる負担が大きくな
りますが、体外受精に伴う副作用や合併症の起こる確率は1%以下と、以前
に比べてずいぶん低下し、その頻度も少なくなり、とても安全性の高い治療
法と言っても過言ではなくなりました。
また、卵巣を刺激する場合でも自己注射が可能になり、注射のための通院回
数も少なくて済むようになりました。
ただ、おっしゃるように、昨年の春に、体外受精の培養液にに高濃度の化学
物質が含まれていることが厚生労働省研究班調査でわかったとの報道があり
ました。
そして、昨年末に、それはプラスチックを加工しやすくする化学物質「フタ
ル酸エステル類」だと報道されました。
この内容だけをみれば、大変衝撃的、かつ、心配になるものですが、内容を
よくみてみると、『妊婦の血液から検出される濃度の最大で約100倍に相
当する』もので、『マウスの細胞の遺伝子には異常が起きるレベルで、受精
卵や胎児への影響が懸念される』としながらも、『動物の胎児の生殖機能に
影響を与える濃度の千分の1ほど』のレベルとなっています。
また、この報道から半年以上経過しますが、厚労省は何の通達も指導も発せ
られていません。
だからと言って、安心してよいというわけではありません。
やはり、治療を受けるクリニックに、その施設が使用している培養液の安全
性についての説明を求められるべきだと思います。
どんな治療でもリスクはついてまわります。
大切なのは、リスクがあるかないかではなく、治療に伴うリスクの内容と程
度を正確に把握することだと思います。
━ 妊娠する力を高めるということ
最後に治療法の選択そのものについての検討材料ではありませんが、おふた
りの身体に備わっている妊娠する力を高めるということも大切だということ
を付け加えておきたいと思います。
子宮内膜症は、お腹の中に炎症を促進する化学物質を増やし、卵の質を低下
させたり、着床しづらくさせる可能性が指摘されています。
子宮内膜症そのものを根本的に治療し、治すことは困難ですが、炎症を起こ
しにくい体質をつくることで、その影響が低下することも確かめられていま
す。
そのためには、食生活や生活習慣を見直すことが大切です。
また、男性の精子の質も受精率や妊娠率を左右するとの報告が増えています。
そのため、男性も食生活や生活習慣を見直し、ストレスをマネージメントす
ることが妊娠の確率を高めるのに寄与するはずです。
ふたりでできることは実行しておきましょうということです。
━ いったん立ち止まって、ふたりで仕切り直す
それぞれの費用については、既に把握されていることと思います。
あとは、この機会に、一度、立ち止まって、ふたりで仕切り直すこと、その
ものが、とても、とても、大切なことのように思います。
それは、改めて、ふたりが何を優先し、何を後回しにするのか、ふたりの優
先順位を、考え、確認することになると思います。
そういう意味では、正解はありませんし、誰からアドバイスをもらっても、
判断をゆだねるわけにはいきません。
うまくいくことをお祈りしています。
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皆さんとこのサイトとメルマガとの出会いについて聞かせてください!
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新年あけましておめでとうございます。「妊カラ」ほっこり担当のヤングで
す。
昨年の丁度今頃私が皆さんと同じくこのメルマガの購読を始めた時期です。
(まだまだ1年足らずの新参者かもしれませんね...。)
一昨年の秋に子宮外妊娠を経験し、また改めて治療を再開しようとしていた
ころ、治療に頼るだけではなく、妊娠に近づくために何か自分でも出来る事
があるなら積極的に取入れたいと思っていたころにこのサイトに出会い、メ
ルマガを読み始めました。
自分自身の「カラダづくり」に関してはあまり意識をしていませんでしたが、
このサイトとメルマガを通じて改めて「カラダづくり」の大切さを実感して
います。
日々の生活習慣や食べ物に対する意識を少し変える事で「妊娠しやすい環境
に近づけることができる!!」という希望を持たせてもらい、治療でなかなか
良い結果がでない状況で凹んでいる時にも、このメルマガで励まされ「前を
向いて頑張 ろう」という気持ちにさせてもらえました。
皆さんも色々な状況でこのサイトとメルマガに出会ったと思います。
どんな出会いだったのでしょうか?
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http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
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ツイッターからも情報を発信しています
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ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。
・妊娠しやすいカラダづくりツイッター
http://twitter.com/ninkara
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編 集 後 記
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年末年始休みが終わって、早速、3連休で、今日はその中日です。
ところで、私(細川)は滅多に風邪を引きません。10年に3回あるか、な
いかです。
ただ、そのタイミングは、なぜか、年末年始になります。
そして、その法則通りに、昨日から風邪を引いたようです。
年末年始に決まって風邪を引くというのが、気持ちの問題だと思っていたの
ですが、今回はどうやら"冷え"が原因のようです。
昨年からヨガをはじめたのですが、ヨガは基本的には素足でやります。
また、ポーズを行った後は、シャバ・アーサナ(死体のポーズ)といって、
5分間ほど、全身の力を抜いて、床に横になります。
どうやら、それで冷えたように思えてならないのです。
なんか、本末転倒的です。
まあ、そこは修正して、今度はヨガで自然治癒力を高めて、早く、治したい
と思っています。
まだまだ、試行錯誤的な感じです。
うー、何事も、一朝一夕にはいきませんなー。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.447
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,003部
・合計部数:5,204部(1月8日現在)
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てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
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