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VOL.451 サプリメントの必要性と使い方、そして、選び方を考える

2012年02月05日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第451号  2012年2月5日発行

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 お子さんを望まれるカップルを応援します。

 なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、悩みを克服する
 ために、"二人で話し合い、考えを整理"して、"自分たちにふさわし
 い答えを出す"上でのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な
 視点で、毎週末、配信しています。


━[今週のテーマ]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼サプリメントの必要性と使い方、そして、選び方を考える


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 サプリメントの必要性と使い方、そして、選び方を考える
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サイトへのアクセス数の推移や読者の方々からのメールの内容からも、サプ
リメントへの関心が、最近、ますます高まっていることを実感します。

ところが、製品や素材をアピールする情報は氾濫していますが、自分たちに
サプリメント必要なのかどうか、もしも、必要であれば、どんなものを摂れ
ばいいのか、そして、どんな製品を選べばいいのかについて、考えたり、選
んだり、判断したりするための情報は乏しいように思います。

そこで、今週は、サプリメントにおいても"後悔しない選択"を応援すべく、
その必要性と使い方、そして、選び方について、私たちの考えをお話します。


━ サプリメントは必要なのでしょうか?

サプリメントって、本当に必要なのでしょうか?

ここがあいまいなままだと、とにかく、よさそうなものは何でも試してみよ
うということになってしまいかねません。

そんな愚を避けるためには、そもそも、サプリメントとは何かというところ
から始めなければなりません。

サプリメント(supplement)とは「補う」という意味で、何を補うのかと言
えば、もちろん、食事です。

ですから、サプリメントが必要かどうかは、「食事」次第ということになり
ます。

つまり、バランスのよい食生活を心掛け、必要な栄養素を十分に摂れていれ
ば、サプリメントは不要というわけです。

ところが、厚労省の「平成20年国民健康・栄養調査」と「日本人の食事摂
取基準2010年度版」をみてみると、葉酸やカルシウム、マグネシウム、
鉄、亜鉛について、30代、40代の女性の平均摂取量は1日の推奨摂取量
の40~60%程度しか摂れていないことがわかります。

飽食の時代と言われていますが、ここで言われている"飽食"とは、食物に
は量的に不自由しないということであって、必要な栄養素が十分に摂れてい
るということではないようです。

文科省の「食品標準成分表」をみると、そもそも、食材に含まれる栄養素が
この数十年で激減していることがわかります。

つまり、食べ物の量は十分で、あり余るほどであるにもかかわらず、その質
は全く不十分だというわけです。

この問題を解決する手段はいろいろありますが、効率的に解決する方法とし
て、サプリメントがあるということです。


━ どんなサプリメントを摂るべきなのでしょうか?

サプリメントと一口に言っても、その種類は無数にあると言っても過言では
ありません。

それも魅力的なキャッチコピーで販売されていて、どんなものを摂ればいい
のか迷ってしまうことでしょう。

あれもこれもとなって、よかれと思いながら不要なものを摂取したり、無駄
なお金を使わないためには、妊娠を望むカップルにとっての「補充すべき栄
養素の優先順位」を知っておく必要があります。

妊娠するための絶対条件は、質のよい卵子と精子が出会い、生命力に溢れた
受精卵を得ることです。

そして、栄養素には大きく2つに分けられます。

それは、卵子と精子が健全に成育するために"絶対に必要なもの"と"どち
らでもいいもの"です。

明解です。

卵子と精子が健全に成育するために絶対に必要なのは、たんぱく質や糖質、
脂質、ビタミン、ミネラル、すなわち、5大栄養素と呼ばれている、おおよ
そ、50種類の栄養素たちです。

それらは、卵子や精子の材料そのものであり、卵子や精子が分割、成熟する
ためのエネルギーをつくったり、卵子や精子の成育の障害になるものを排除
したりする役割を担っています。

どれか1つでも不足すると、代謝障害が発生し、受精卵が成長するための環
境が損なわれ、生殖機能が低下してしまいます。

よって、妊娠を望むカップルが、一番初めに選択すべきサプリメントは、受
精卵が健全に成育するために絶対に必要なビタミンやミネラルで、マルチビ
タミンミネラルということになります。

補充すべきサプリメントの優先順位について証拠となる最新の研究報告をご
紹介します。
http://www.akanbou.com/news/news.2012020201.html

イギリスのロンドン大学の大学病院で排卵誘発剤を使った不妊治療を受けて
いる女性の患者58名を対象にした試験が実施されています。

58名をランダムに2つのグループに分け、一方のグループにはマルチビタ
ミンミネラルのサプリメントを、もう一方には葉酸サプリメントを摂取して
もらい、3周期の治療終了時点の治療成績を比較しています。

マルチビタミンミネラルを摂取したグループでは、29組中20組が妊娠、
葉酸サプリメントを摂取したグループでは27組中11組が妊娠しています。

妊娠率はマルチビタミンミネラルグループでは69%、葉酸グループでは40.7
%、また、継続妊娠率は、マルチビタミンミネラル組と葉酸組は、それぞれ、
60%、25%、さらに、マルチビタミンミネラル服用グループのほうが葉酸服
用グループに比べて、少ない治療周期で妊娠に至ることができたとのこと。


━ どんな製品を選ぶべきなのでしょうか?

読者の方からメールをいただきました。

---[Tさんからのメールここから]-----------------------------------

〈中略〉

春からの不妊治療にむけて身体をつくっているものです。

安易に、安価なビタミンやマカ、コエンザイムなどを購入し、これで良いの
だろうかと考えております。

合成、天然?などあまりよくわからないのですが、やはりドラッグストアで
販売されている安いサプリは意味がないのでしょうか?

〈中略〉

---[Tさんからのメールここまで]-----------------------------------

どんな製品を選ぶべきかということですね。

私たちは、合成の安価なサプリメントは意味はないとは、決して、思いませ
ん。

安く購入できるのに越したことはありませんが、安ければ安いほうがよいと
考えるのか、少し高くても品質や安全性が高いほうがよいと考えるのか、そ
れぞれのカップルには、それぞれの考え方があるでしょう。

つまり、それぞれのカップルが製品の選択において、何を大切にするのかと
いうことです。

同じマルチビタミンミネラルと言っても、どんな配合内容なのか、どんな原
料を使っているのか、どんな添加物をどれくらいの量を使っているのか、そ
して、どこで、どんな製造技術レベルで製造されているのか、全く異なるも
のです。

まずは、最低限、上記の製品情報が全て開示されているものでかねれば比較
したり、検討することが出来ませんので、配合内容と量、原材料、使用添加
物の内容と量、製造場所(国)、製造技術レベルがオープンにされている必
要があります。

現実には、それらを全て開示している製品はそれほど多くはありませんが、
私たちの考えは以下の通りです。

配合は妊娠前、妊娠中に摂取するうえで、科学的に意味のある内容と量であ
ること。

原料については、食べ物に近い形態であるほどよい。食事の補助という目的
を考えると当然のことでしょう。

添加物は必要最低限量に抑制されていること。

製造コストが安価な中国をはじめとする海外よりも日本国内で医薬品製造技
術レベル、もしくは、それに近いレベルで製造されているほうが安心です。

これらは、全て、妊娠前や妊娠中というとても大切な時期に摂取するという
ことを大前提とするべきだとの考えに立っています。


━ 後悔しない選択のために

この数年の研究で、母親になる女性や父親になる男性の妊娠前の体内の栄養
環境が、妊娠する力や子どもの心身の健康状態に大きな影響を及ぼすことが
わかってきました。

それは、子どもの出生直後だけでなく、成人後の体質にまで強く影響するこ
ともわかっています。

体内の栄養環境とは、体内の空気、水、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、
ミネラル、食物繊維の量とバランスです。

生殖医療は、体内のホルモン環境をコントロールしたり、卵子と精子を近づ
けたりすることが、その主な役割で、栄養環境に介入することは、現時点で
は、一部のドクターを除いてほとんどありません。

そのため、卵子が健全に成育するために不可欠な材料を揃えることなしに、
卵巣を刺激したり、移植を繰り返しても、片手落ちになってしまいかねませ
ん。

発展途上国は子だくさんというイメージがあります。

ところが、栄養失調の女性が、たとえ、若くに、妊娠しても、流産や死産に
終わる確率が高く、出生した子どもの平均寿命は、せいぜい、30~40代
です。

妊孕性(妊娠力)の樹を強くするためには、枝葉ではなく、根っこに、空気、
水、5大栄養素をバランスよく与えることです。

それら、生命に絶対に不可欠な成分を過不足なく整えることなしに、特殊な
肥料をいくら与えても、妊娠力の樹は強くなりません。

取り入れる栄養には明らかな優先順位があるのです。

それを間違えては、それこそ、努力が無駄になってしまいかねません。

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info@akanbou.com


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 ヤング宛にメールが届きました。
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妊カラほっこり担当の「ヤング」です。

このメルマガに登場するようになって早いもので1ヵ月経とうとしています。

自分の経験を元に、"「妊カラ」と私"みたいなテーマで取留めもない事を
書いておりますが、先日、読者の方からこのようなメールをいただきました。

---[Kさんからのメールここから]-----------------------------------

こんにちわ。
楽しく妊カラ拝読しております。

今週期、移植なんですか?!

治療されているとは認識していましたが、そんな情報もカミングアウトされ
ていてびっくりしたのでメールしてしまいました。

うまく行くと良いですね。

私は先週、人生3回目の流産が確定しました。

治療に関してはうまくいかなくても落ち込み過ぎず、妊娠反応が出ても過度
に喜ばず、ひたすら淡々と、なんて言うのを心がけてきたせいで?!

今回駄目でしたが、そんなにがっかりもせず、そう、淡々と過ごしています。

よく聞く、流産で泣く、なんて事私にはあり得ません。
何事に関してもそういう心構えのせいもあるのかおなかから笑えることがあ
んまりありません。

今回の記事を読んで、やっぱり笑った方がいいな、と改めて思った次第です。
週に1回、全く年も境遇も違う友人と腹を割ってはなせる機会が去年から持
てるようになったは、有りがたい事だなとも思いました。

私にとってはそれが笑う機会なので。

とりとめなの無いメールですみません。
また次回の妊カラを楽しみにしております。

---[Kさんからのメールここまで]-----------------------------------

メールをいただきどうもありがとうございます。

こそばゆい感じではありますが、非常に嬉しいです。

私も一度流産を経験していますが、私以上にお辛い思いを経験されていると
思うと胸がつまります。

私が流産した時には、自分の何が悪かったのかと自分を責めましたが流産す
るということは、妊娠できるという事でもあるので、「自分は妊娠できるん
だ」と言い聞かせ気持ちを切替えて治療を続けたのを思い出します。

どうぞご友人との会を大切にその時は思いっきり笑って楽しんで下さいね。

このようなメールをいただき、私こそ励みになります。

「子供が欲しい」という同じ目標に向かっている仲間、同志として、これか
らもエールを込めて「ヤング」コーナーを続けていきたいと思います。


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スタッフの徒然日記です。ブレイクタイムのお供に覗いてみてくださいね!
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 編 集 後 記
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物事の優先順位を間違うと、効果的な結果が伴わなくなりかねません。

今回のサプリメントだけに言えることではありません。

血流をよくするのに、外から温めることだけでなく、体内の代謝を上げて、
熱の産生効率をよくするように食生活を見直し、よく歩いて、血液を循環す
るポンプを活性化させることが大切だと思います。

外から温めても、その効果は一時的ですが、ウォーキングしたり、ジョギン
グを習慣化すると、1日中、身体が冷えにくくなるのを実感します。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.451
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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