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妊娠しやすいカラダづくり 第478号 2012年8月12日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.akanbou.com ━
お子さんを望まれるカップルを応援します。
なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、悩みを克服する
ために、"二人で話し合い、考えを整理"して、"自分たちにふさわし
い答えを出す"上でのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な
視点で、毎週末、配信しています。
━[今週のテーマ]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼編集長コラム
新しい命のための環境づくり
▼今週の更新情報
▼ヤングの今週の気になる記事
男性不妊についてのトリビア
▼妊カラ編集室から
不妊当事者向けイベントのお知らせ
▼編集後記
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編 集 長 コ ラ ム
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新しい命のための環境づくり
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なかなか思うように授からないとなると、妊娠するためにどうしたらいいの
か、過剰な心配にさいなまれてしまうことがあると思います。
当たり前な人情だと思いますし、心配性の人だったら尚更のことでしょう。
何かやっておくべきことはありますか?、そんなメールをいただくこともあ
ります。
よくわからない"妊娠法"を購入すべきかどうか相談を受けたり、実際によ
くわからないままに、いろいろな商品にお金を使っているという人もいたり
します。
それぞれ、考えがあってのことなんでしょうが、ただ、私の経験から言わせ
てもらえば、心配は、別の、もっと大きな心配を呼ぶ性質があります。
ですから、どうしたら妊娠できるのか、そのことが気になって、心配で、冷
静な判断ができない、何も手につかないという、心配のピークの時には、少
し、この問題から逃げるというか、スルーして、誰かに助けてもらうなどし
て、気分転換したほうがいいように思います。
そして、冷静に考えられるようになれば、「いったい自分は何をそれだけ心
配しているのか」という視点で、心配を心配のタネにまで分解してみてはい
かがでしょうか。
その時には、あれこれ考えるだけでなく、書いたり、図にしたりすると、う
まく、考えが整理できるかもしれません。
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意外に思われるかもしれませんが、これまで体外受精や顕微授精などの高度
生殖医療において、どうすればもっと治療成績がよくなるのかについての研
究結果は、相矛盾することだらけと言っても過言ではありません。
また、不妊原因を調べるために、どんな検査を実施すべきかについて、また、
検査結果の正常範囲について、世界の生殖医療専門医の間で共通のコンセン
サスが形成されているわけでもありません。
そして、最先端の生殖医療を施しても周期あたりの妊娠率は50%を超える
ことはありません。
つまり、もしも、次の周期で確実に妊娠するためにどうすればいいのかにつ
いて心配しているのであれば、また、もしも、これまでなぜ妊娠できなかっ
たのかについて心配しているのでれば、そして、いつになったら妊娠できる
のかについて心配しているのであれば、その正しい答えは、全て、「はっき
りとしたことはよくわかりません」なのです。
世界中の専門家が、一生をかけて、命をかけて、研究しつくしても、未だに
「わからない」問題なのです。
ですから、それらの問題を本当に心配すべきなのは、あなたではなく、プロ
の専門家しょう。
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生命の誕生という神秘とさえ言われるほどの大きな問題について過剰に心配
するよりも、現実の問題として心配すべきことは他にあるのではないでしょ
うか。
それは、たとえば、もしも、新しい命がやってきたときに、新しい命がすこ
やかに育まれるような環境ができているかどうかということです。
母親になる女性と父親になる男性の体内環境は、"妊娠する前から"受精卵
が、胚が、胎児が、健全に成育するかどうかに深く影響を及ぼすことが明ら
かになっています。
もしも、ストレスや悪い生活環境、運動不足などで体内環境が悪化している
と、新しい命のすこやかな成育が阻まれるばかりか、もしも、順調に成育し
て、生まれたとしても、太りやすかったり、アレルギーにかかりやすかった
り、生活習慣病にかかりやすい体質になるリスクが高くなると言われていま
す。
必要なことは、極めて当たり前なこと、すなわち、規則正しい生活、バラン
スのとれた食生活、適度な運動習慣、不足しがちな必須栄養素(ビタミンミ
ネラル)の補給、自然な欲求にまかせた性生活です。
未だ見ぬ我が子が、自分の責任で人生を歩めるようになるまでの養育環境は
両親の良好な健康状態と良好な夫婦関係がベースに整えられることは間違い
のないことです。
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妊娠の成立そのものに、直接、関与したり、妊娠の成立に必要な条件を、私
たちの手で、予め、整えることには限界があります。
もしも、それが出来るようになれば、ノーベル賞100個くらいに値する偉
業でしょう。
私たちに出来るのは、新しい命がやってくるのを祈りつつ、待つこと、そし
て、「新しい命のための環境づくり」です。
そして、パートナーが協力的かどうかを心配するよりも、未だ見ぬ我が子が
すこやかに育まれる環境を、ふたりで、いかに整えていくか、そして、その
ために、お互いが幸福に生きていくためにはどうすればいいのか、そのこと
を、真剣に心配すべきではないか、そう思えてなりません。
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過去の編集長コラムは以下のサイトでご覧になれます。
▼編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/entrylist.html
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編集長コラムについての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
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今 週 の 更 新 情 報 一 覧
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2012年8月8日
不妊治療によって異常妊娠や異常分娩が増えるのか?
http://www.akanbou.com/news/news.2012080801.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
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ヤングの今週の気になる記事:男性不妊についてのトリビア
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こんにちは、ヤングです。
残暑お見舞い申し上げます。毎日暑い日が続いておりますが、体調崩してい
ませんか?冷たい飲み物やアイスクリームが美味しい季節ですが、体を冷や
さないようにご自愛下さいね。
さて、前号の特集にちなんで、今週は、えっ!!こんな事も男性不妊に関係す
るの?と、思わず、「へぇー」と言ってしまうような妊カラサイト内の"ト
リビア記事"をご紹介したいと思います。
男性側の原因でなかなか子どもが授からず悩んでいる方には申し訳ないので
すが、記事を読みながら、私は今まで自分の事ばかりでパートナー(男性)
に関してはつくづく無知と言いますか、関心がなかったんだなぁと感じてし
まいました。
例えば、男性の精子をつくる機能は熱に弱いという事を知らなかったのです。
主人に聞いてみたら「そんなの、あたりまえだろ」と言われてしまい、恥ず
かしくなってしまいました。
皆さんは、ご存知でしたか?
他にも、コーヒーのカフェインが男性の妊孕性に及ぼす影響やノートパソコ
ンや携帯電話の使用時間と生殖機能への影響、禁欲期間と精子のDNA損傷
率について等、興味深い記事が色々とあります。
しかしながら、中には男性の生殖機能に影響を及ぼすのか定かではない調査
結果もあり、何を信じてよいのか混乱してしまうかもしれません。
でも、私が思う大切な事とは、何事もほどほどに、が肝心ということです。
そして、女性側にも言える当たり前の事ですが、規則正しい生活、バランス
の良い食生活、適度な運動、そしてストレスを溜めない生活を送るというの
が基本であると、改めて痛感しています。
頭では理解していても、実行に移すとなるとなかなか難しい部分もあります
よね。
でも、ご夫婦一緒に出来ることから少しずつ実践していけるといいですよね。
最後に、精巣の温めすぎには気をつけましょう!
■今週の気になる記事をPickUp!
・コーラの本数と精液の質との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2010032901.html
・子づくりを意識する男性は熱い風呂は避けるべし
http://www.akanbou.com/news/news.2007031001.html
・1日にコーヒー3杯分のカフェインが男性の妊孕性に影響を及ぼす
http://www.akanbou.com/news/news.2006110201.html
・携帯電話の使用頻度と精子の質の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2006102401.html
・ウォーターベッドと電気毛布が男性不妊の原因に?
http://www.akanbou.com/news/news.2004102501.html
・日光浴と男性不妊の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2004102001.html
・ライバルの存在が精子を元気にする
http://www.akanbou.com/news/news.2005061001.html
・男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの(一覧)
http://www.akanbou.com/news/cat1/
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ヤング宛のメールは下記のアドレスまでお寄せ下さい。
young@akanbou.com
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妊 カ ラ 編 集 室 か ら
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講演会と不妊体験者向けのワークショップ「不妊治療における自己決定」
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不妊ピア・カウンセラー有志による不妊当事者支援グループのTEAMラ・ポル
タが主催するワークショップ開催のお知らせです。
不妊治療では、様々な局面で「決断」「自己決定」を求められることがあり
ます。こうした時、当事者はどのようにして決めていけばいいのか、講演と
エクササイズを通して、このことを参加者のみなさんと一緒に考えてみると
いう企画です。
詳細内容は下記の通りです。
■開催概要
~講演会と不妊体験者向けのワークショップ~
『不妊治療における自己決定』
主催:TEAMラ・ポルタ
後援:TEAMよこはま、PICA
日時:8月25日(土) 13時-16時
場所:女性センターアイリス(東京都渋谷区)
http://www.shibu-cul.jp/access.html
対象:1)講演会→不妊について学びを深めたい方ならどなたでも
2)ワークショップ→不妊当事者
*おひとり、カップル、男性のみの参加も歓迎します。
内容:第1部の講演会と第2部のワークショップに分かれています。
第1部 講演会:13:00-14:00
『不妊治療における自己決定』
生殖心理カウンセラー(臨床心理士)小倉智子氏
第2部 ワークショップ:14:15-16:00
『意思決定についてのエクササイズ』
参加費:1,000円(第1部・第2部どちらかだけの参加も可能です)
▼詳細パンフレット
http://www.akanbou.com/event/event_20120825.pdf
▼TEAM ラ・ポルタ
http://www.peer-net9.jp/
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記事ついてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
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株式会社パートナーズ運営サイト
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私たちはお子さんを望まれるカップルを応援しています。
▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/
▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html
▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/
▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
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ツイッターからも情報を発信しています
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ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。
・妊娠しやすいカラダづくりツイッター
http://twitter.com/ninkara
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編 集 後 記
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前号の特集記事「精子の質にこそ目を向けよう!」の内容について、ご意見
を頂戴しました。
---[Rさんからのメールここから]-----------------------------------
いつもメルマガを読ませていただいています。
私もTGP生活約2年でAIHをしています。
主人は地元病院の泌尿器科に勤務する医師です。
今回のメルマガにあった、読売新聞社の男性不妊専門医の診療実績が掲載さ
れていた件ですが、主人からすると、誤解を呼ぶ記事とのこと。
ほぼ全ての泌尿器科で男性不妊の診療・治療は受ける事が出来ます。確かに、
"専門"とうたっている病院は少ないのかもしれませんが新聞に掲載されて
いる病院でしか診療・治療できないのではありません。
以下記事より抜粋
>紹介されている医療機関は全国で31カ所、専門医は36名です。現在、
>体外受精などの高度な不妊治療、すなわち、女性不妊の医療機関として登
>録されているのは600カ所以上ですので、男性不妊の診療や治療が受け
>られる医療機関や専門医が、いかに少ないか、改めて、わかります。
このような書き方だと、新聞に掲載されていた病院でしか治療・診療できな
いような感じを与えると思います。
泌尿器科に男性不妊で訪れる患者さんはまだ少ないようです。
私の主人もそうですが、"専門"とうたっていない場合でも男性不妊を得意
として診療してもらえる病院が他にも沢山あることを皆さんに知ってもらい
たいと思いメールいたしました。
私も含め、妊娠を望む皆さんに赤ちゃんが授かる事お祈りしております。
---[Rさんからのメールここまで]-----------------------------------
ご指摘の通り、顕微鏡下精巣内精子採取術、精路再建術などの手術ではなく、
男性不妊の診断や検査、一般的な治療であれば、読売新聞で掲載されていた
医療機関でなければならないわけではありません。
その場合、"専門"とうたっていない場合でも男性不妊を得意として診療し
てもらえる病院を探す方法として、大学病院、または大きめの病院で産婦人
科で体外受精をやっているところであれば、その病院の泌尿器科の先生は男
性不妊についての知識が多い場合がほとんどだとの事です。
Rさん、ありがとうございました。
いずれにしても、患者側が知識や情報を得て、婦人科の主治医の先生に要望
を伝えたり、男性不妊に明るい泌尿器科医を受診することが大切だと思いま
す。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.478
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数:5,202部(8月12日現在)
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